高松港。
直島行きのフェリー。草間彌生の水玉マーク。
フェリーから朝日を見る。
フェリーのデッキ。
直島港。草間彌生のアート。
オブジェの中も水玉。
中に入れる。
中から青空を見る
港の駐輪場?
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瀬戸内海に浮かぶアートの島、直島を訪ねた。
直島は瀬戸内芸術祭が開かれるたびに少しずつ趣きを変えている。
島々へ行くフェリーもきれいになった。
デッキでぼんやり夕陽を眺めたりしていると、かたくなった気持ちがほぐれていくのがわかる。
直島では前々から乗ってみたいと思っていた50ccの電動バイクがレンタル自転車屋さんにあったので、乗ってみた。
なかなか楽しかった。
いつになるかわからないけど、時間ができたら、直島とその周辺の島々を時間をかけて歩きたいと思っている。
直島で過ごすひとときは、僕にとっては人生の中で特別な時間になっている。
(泉田照雄)
全国高齢者ケア研究会に参加する各施設では、トータルケアに取り組み、先進的なケアを行っています。このブログでは、各施設での実践事例
を「全国高齢者ケア研究会先進事例レポート」として紹介しています。
毎週水曜日掲載です。
今回は北海道北斗市特別養護老人ホーム美ケ丘敬楽荘からのレポートです。
「易怒性や日中の覚醒が悪く被影響性の亢進のある方に対して医療連携を図りながらケアの見直しをして改善しつつある方のケース」の報告です。
ケース検討は、基本的にICF(国際生活機能分類、International Classification of
Functioning,Disability and Heaith)の考え方をベースに、BPSD治療アルゴリズム(「かかりつけ医のためのBPSDに対する向精神薬使用ガイドライン第2版」所収)に沿って行っています。
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◆基本情報
氏名 309様
年齢 81歳
性別 女性
身長 153㎝
体重 53.6㎏
要介護度 5
◆既往歴
高血圧
脂質異常症
混合型認知症
腰痛、足痛
鉄欠乏性貧血
左大腿骨頸部骨折(人工骨頭挿入術)
左手首骨折
骨粗しょう症
◆服薬状況
ドネペジル塩酸塩OD錠 5㎎ 朝食後×1錠(認知症薬)
リマプロストアルファデクス錠 5㎍ 朝食後×1錠(血管拡張薬)
シロスタゾールOD錠 50㎎ 朝食後×1錠(抗血栓薬)
タケキャブ錠 10㎎ 朝食後×1錠(胃薬)
アムロジピン錠OD錠 5㎎ 朝食後×1錠(降圧剤)
ロスバスタチン錠 5㎎ 朝食後×1錠(高脂血症治療薬)
ツムラ抑肝散エキス顆粒 朝・昼・夕食後×1包(漢方薬)
セレコキシブ錠 100㎎ 朝・夕食後×1錠(鎮痛剤)
アレンドロン酸35㎎ 毎週土曜日×1錠 (骨粗しょう症治療薬)
デエビゴ錠 5㎎ 不眠時×1錠 (睡眠薬)
リスペリドンOD錠 1㎎ 1日2回まで (抗精神薬)
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◆経過
2017年頃混合型認知症の診断を受ける。デイサービスやヘルパーの介入により何とか一人で生活してきたが認知症の進行に伴い独居での生活が困難になり2022年7月当施設のショートステイをロングで利用開始となる。
同年8月に施設内で転倒し左大腿骨頸部骨折し入院。入院期間中に認知機能が著しく低下される。
11月に退院され、再度ショートステイ利用開始となる。午前中は傾眠がちであり、この時間帯は特に歩行状態が不良。
昼頃~覚醒されるが不穏状態になる事が多く、不安定な歩行(加速・突進歩行、すくみ足、小刻み歩行)で転倒を繰り返される。
12月には左手首を骨折。
興奮状態が冷めやらずそのまま寝付くこともできずに、不眠時のデエビゴ錠を服用する回数も多い。
主治医(内科医)から、骨折し入院されていた病院で就寝前の定期薬として服用していたリスペリドン錠を、不穏時の頓用薬として処方される。
以降は、ほぼ毎日の頻度で頓用薬を服用するようになる。
ー不穏状態としてー
物音や他者の声に敏感に反応され衝動的に立ち上がる、歩き回る。帰宅願望がきかれ落ち着かなくなる。
テーブルや椅子などの目に入る物全てを掴み持ち上げる。何か見えているかのように空間を掴んだりされる。歩行中に突然床に座り込もうとされたり、ベッド上で手術部位を外転させるなどの危険動作がみられる。などなど・・・混合型認知症の診断があるため、様々な認知症への対応を行うも改善みられず。
◆課題
①失認・失行・集中力の欠如があり、食事や水分摂取に介助を要する時もあるが、易怒性が出はじめ拒否することも増えたため、全体的な摂取量の減少が見られてきた。
②歩行時の介助を拒んで怒ることもあるため、その際は近くで見守りを行うようにしているが、行動が早いため職員が支える動作が間に合わず転倒することもあり。骨折・脱臼リスクが高い。
③頓用薬を服用しても落ち着かずに追加で服用することが増えてきた。
以上の課題について困難ケースとしてトータルケアカンファレンスを実施。
◆要因分析とその後の経過
混合型認知症の診断を受けていたが、レビー小体型認知症とアルツハイマー型認知症の混合ではないかと仮説を立てる。
専門医への受診を進められ、施設内コロナ蔓延などの理由により期間は空いてしまったが、翌年4/3にメンタルクリニック初診。
医師から「年齢の割に全体的に脳委縮あり、海馬の萎縮も進んでいる。認知症からくる症状だとすればできることは少ない。」とお話をうける。
朝 ドネペジル中止。夕 メマンチン5㎎×1錠、2週目から5㎎×2錠、が処方される。
夜間は以前より浅眠傾向だが不穏には至らず、不眠時薬のデエビゴは服用せずに経過観察することになる。
そのためか起床後は比較的歩行状態は安定している。
昼頃~の不穏状態は継続してみられ、頓用のリスペリドンの服用頻度としては変わらず。
5/22、再受診。上記を相談。
医師は「頓用薬はなるべく使用しないで過ごせるのが目標なので、夕薬のメマンチンを増量して様子をみましょう。」
夕 メマンチン5㎎×2錠→3錠に増量。
◆結果
①失認・失行は以前より進行し介助量は増えたが、易怒性はなくなり介護拒否はなくなった。食事・水分摂取量も徐々に増加。
②、③衝動的な行動は軽減され、頓用薬の使用頻度も減少。
②、③上記に伴い、午前中の傾眠傾向も軽減がみられるようになった。
◆まとめ
日中に穏やかな時間を持つことができるようになり、職員の付き添いは必要ではあるが30分程度の余暇活動にも参加できるようになった。
引き続き、穏やかな生活が送れるように今後も医療と連携を図り、経過観察していきます。
北海道北斗市 特別養護老人ホーム美ヶ丘敬楽荘 介護主任 木村 真樹
ユニットリーダー 松田 美幸 介護職員兼ケアマネジャー 土田ちなみ
次回は10月4日 東京都 フェローホームズ(仲間の家)さんです。よろしくお願いします。
※関連記事
全国高齢者ケア研究会では「ハピネス オブ ライフ(HOL=Happiness of life)をケアの目的の一つとして提案しています。
高齢者の笑顔のある暮らし、喜びを感じられる毎日を「積極的に」つくりだすケアのことです。
入居者の痛みや苦しみをやわらげおだやかに暮らしていただくことをめ ざす「平穏ケア」と「ハピネス オブ ライフ」がケアの目的だと考えています。
毎週月曜日に全国高齢者ケア研究会のメンバーで行われている「ハピネス オブ ライフ(Happiness of life)を目標に、お年寄りが「穏やかでそして笑顔で」暮らしていただけるよう取り組んでいます。
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コロナ禍で行動が制限されていましたが、徐々に緩和されてきました。
今年の夏は鷹栖の気温は35℃を超える、あつーい日が連日続きましが、9月に入り北海道らしい過ごしやすい日々が続いています。
毎年恒例、夏祭り、まずは魚釣りから
ねらいをつけて~
釣れました。
次はヨーヨー釣りです。
夏のしつらえをバックにこの笑顔です。
こちらは、4年ぶりに復活した「鷹栖みこし会 嵐山」です。
力が入ります。
この日は、8月にしては寒い日でしたが、久しぶりの外部での行事、ご入居者様、スタッフともに楽しいひと時を送ることができました。
またこらからもご入居者と、楽しい思い出と笑顔をつくっていきます。
次は10月2日、長野県上田町 アザレアンさなださんです。よろしくお願いします。
(北海道鷹栖町 グループホームなごみの家 ユニットリーダー 角谷 美紀)
※関連記事
◆毎週月曜日掲載『ハピネスオブライフ~暮らしの楽しみを求めて~』第532回「神 出 鬼 没 !!」北海道上士幌町 特別養護老人ホーム上士幌すずらん荘
全国高齢者ケア研究会では「ハピネス オブ ライフ(HOL=Happiness of life)をケアの目的の一つとして提案しています。
高齢者の笑顔のある暮らし、喜びを感じられる毎日を「積極的に」つくりだすケアのことです。
入居者の痛みや苦しみをやわらげおだやかに暮らしていただくことをめざす「平穏ケア」と「ハピネス オブ ライフ」がケアの目的だと考えています。
毎週月曜日に全国高齢者ケア研究会のメンバーで行われている「ハピネス オブ ライフ(Happiness of life)を目標に、お年寄りが「穏やかでそして笑顔で」暮らしていただけるよう取り組んでいます。
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お盆が過ぎ、9月に入ったというのに北海道は例年にない暑さがところどころで続いています・・・
場所によってはまだ30℃近い気温を記録しているところもあるくらいです・・・
さて今月のある日、ちょっと変わったお客さん?? が遊びに来てくれました。
もっと近づくとこんな感じ・・・
皆さんはじめまして・・・。
上士幌町のマスコットキャラクター「ほろんちゃん」 です。
普段は町のイベントのときくらいしか登場しないのですが・・・
今回はとある事情から特別ゲストとして来てくれることになりました。
これには、入居者の皆さんも興味津々で・・・
そして・・・
記念にほろんちゃんと1枚・・・
短い時間でしたが・・・
心がホッとするひとときを過ごしました・・・
次回は9月25日 北海道鷹栖町 グループホームなごみの家 さんです。よろしくお願いします。
(北海道上士幌町 特別養護老人ホーム上士幌すずらん荘 生活相談員 馬場 佑太)
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何回かつづけて仕事への取り組み方、ギアの上げ方について書いたので、今回はギアの下げ方について書こうと思う。
50代で病に倒れる知りあい(先輩方)が急に増えた。
40代の頃は痛風になったよ(僕はかかっていないけど)なんて笑っていたのだけど、50代での病気は、大腸がん、肺がん、高血圧、胆嚢炎などわりと重いものだった。
先輩方が60代になると、心筋梗塞、脳梗塞、膵臓がんといったものが増え、亡くなってしまった方もいる。
僕はまだ40代だったけど、このままでは自分も病に倒れてしまうかもしれないことは容易に想像がついた。
50代になってまずギアを下げないといけないな、40代のようには仕事はできないぞと、何度も言い聞かせた。
それでもいつの間にかギアが上がっていて、倒れてしまうこともあった。
ジョギング、スイミンングはときどきやっていたけど、僕の場合はそれでギアを落とすことはできなかった。
そんなときこんな言葉に出会った。
時間とうまく折り合いをつけ、できるだけ素敵な記憶をあとに残すこと–それが何より重要になる。
(村上春樹 「ヤクルトスワローズ詩集」)
前後の文脈は覚えていないけど、その通りだと思った。
この言葉が僕のギアをガクンと一段落としてくれた。
スピードは出さなくてもいいから力強く走っていこうと考えた。
オフの時間も以前よりは大切にするようにした。
クオリティ高くハードに仕事もするけど、「できるだけ素敵な記憶」を求めて、美しい川を歩き、森を歩き、ビーチを歩き、海を泳いだ。
趣のある古都を訪ね、本を読み、美術展へ出かけ、植物を育て、料理も作るようにした。
道を照らしてくれる言葉がある。
この言葉は僕の人生を変えてくれた。
ともに
あゆめば
風
ひかる
(坂村真民)
そんな感じのひとときを感じることができたのは本当によかった。
60代は自分の身近なところで、「できるだけ素敵な記憶」を感じられたらと思っている。
(泉田照雄)
昨年の9月、フィリピンから外国人介護人材4名が、介護福祉士取得を目指して入職しました。
はじめて函館空港到着ロビーに出迎えたとき、本当に来てくれるのかどうか会うまで半信半疑であったことを思い出します。
なぜなら、新型コロナウィルス感染症の世界的な流行の影響で、当初予定していた時期より3年近く遅くなってようやく入国できる日を迎えることができたからです。
函館空港にて到着したときの様子。緊張の中、日本での生活がスタートしました。
わくわく&ドキドキしながら新たな生活を楽しんでもらいたいです。
実際の受け入れについては、本体施設で2名、サテライト施設で2名を配属しまして、職場でのサポートとともに生活面のサポートをしています。
特に生活面で中心になってサポートしてくれている担当職員には感謝!様々な困りごとを受け止めて対応してくれています。
フィリピンとは、まったく違う日本の生活様式に戸惑うことも多いと思います。
「寒い」「雪が降りすぎる」「急に電気がつかなくなった。(同時に電気を使用したことでブレーカーが落ちてしまったため)などなど…。
様々なトラブルを経験して1年を迎えることができています。
現在、4名とも夜勤シフトに入っています。
常に明るく前向きに物事を捉える姿勢は、接していてとても励みになります。受け入れる側の日本人も多くのことを感じ、学んでいけたらいいなぁと思います。
当施設では、福祉の学校で専門的な勉強をしてから福祉施設職員として従事している人や他の職場で福祉の仕事を経験してきた人、まったく違う業界から転職してきた人など、多種多様な経歴を持った職員がいます。年齢層も10代~70代と幅広い構成になっています。
みなさんそれぞれに得意とすること、苦手なことがあります。高齢者福祉施設で働いていて「大切にしていること」もそれぞれに違いがあります。それぞれの「大切にしていること」を発揮するためには、たとえ結果として間違っているようなことでも遠慮することなく発信できる風土が欠かせないと感じます。
様々な意見や思いを出し合える風土を培っていくことは以外に大変であり、自分にとって大きな役割のような気がしています。間違っていても問題提起すること、様々な経験値をいかして集合知を得ていくこと、大事にしていきたいです。(泉田先生推薦著書「多様性の化学」マシュー・サイド著・・・異なる視点や当たり前を疑う視点の重要性「反逆のアイデア」を学びました。)
日本で長く高齢者福祉に携わってきて当たり前と思っていることを疑ってみること、別の人からの視点でみるとまったく違う新しい発見、チャンスがあること。それを施設全体でいかしていくことができれば、より良いチームづくりになると思って取り組んでいきます。
「様々な経験値をいかせる多様性あるチームづくり」今、自分が感じる目指していきたいメッセージです。
フィリピンから日本に来て1年になる4名は、フィリピンの文化とともに新鮮な視点で日本での生活を送り、高齢者福祉施設に従事していると思います。
ぜひ、異なる視点で客観的に見て感じることを大切にしながら、日本での生活をわくわくとともにチャレンジを重ねて人間力を高めていってもらいたいです。
これからもチームの一員・仲間としてよろしくお願いします。あまり無理せずにね・・・。
今回、フィリピンから外国人介護人材を迎えるにあたり、ご縁があって語学が堪能な外部講師に来てもらうことができました。(下写真中央の方です)
フィリピンでは、英語も公用語としているとのことで、わかりやすく日本語習得ができるようサポートしてくれています。さらにフィリピンとは違う日本での暮らしの中で、様々な悩みをくみ取り支えてくれています。感謝です。
2023年7月、北海道札幌市でN-3試験(日本語能力試験)に4名が挑戦しました。お疲れ様でした。
N-3試験合格を目指して、週2回継続的に講師に来てもらい日本語の勉強です。
N-3試験直前対策では、本番の試験を想定して取り組んでくれています。
次回、10月15日 愛媛県松山市 ガリラヤ荘 高橋 雅志 施設長です。
よろしくお願いします。(北海道北斗市 美ヶ丘敬楽荘 加藤秀隆)
※関連記事
毎月15日掲載「施設長、理事長のリレーコラム~20代、30代の人たちへ~」第36回「感謝の心で」(高齢者総合福祉施設ガリラヤ久米 施設長 佐々木忍)
いつも先進事例レポートを見ていただきありがとうございます。
諸般の事情により、今週のレポート(特別養護老人ホームなないろ館)は休載させていただきます。
次回は9月20日、長野県上田市 アザレアンさなださんです。
よろしくお願いします。
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※関連記事
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同じ仕事をつづけていると「最近成長していないなぁ」と感じるときがあります。
20代のうちは無我夢中で仕事をしていたけど、30代はそんなふうに仕事をしていなかったなぁと感じたり、40代になってからなんだか成長が止まったような気がするなと思ったり(40歳の壁ですね。「40歳の壁」については、このブログで何度も書いてきたので、関連記事を読んでくださいね。)、50代になって役職は上がったけど、施設長になったけど、知識、技術は進歩していないかもしれないと感じたりとか、ほとんどの人にはそういう経験があるんじゃないかと思います。
このブログではコツコツ仕事を続けていきましょうと話していますが、コツコツ仕事をやっているだけでは成長が止まってしまうことがあります。
ある先輩は20代の僕にこんな話をしてくれたことがあります。
「イズミダくん、同じことをやっていても成長しないこともあるんだよ。たゆまずゆるまずコツコツと仕事をしていくことはとても大事さ。でも同じやり方をずっとしていると、成長が止まってしまうことがあるんだよ。さらに上へ行く可能性があったとしても、消えてなくなってしまうんだよ。年齢によっては、同じことをしているだけでは、能力が落ちていくかもしれないんだ。ある程度の成功をおさめたとき、この言葉を思い出してほしい。」
20代はこの言葉の意味がよくわかりませんでした。
しかし歳を重ねるに従って、だんだんわかるようになりました。
「工夫する気持ちを忘れるないほうがいいよ」と先輩は言っていたのです。
「介護の知識50」を例に説明しましょう。
最初は研究会を開いて介護現場のレジェンドのみなさんに教えていただきました。
つぎに研究会の若手のみなさんに集まっていただき、テキストの作成に取りかかりました。
STEP3は医師の先生方に教えていただきました。
STEP4はテキストのバージョンアップを研究会の若手のみなさんと行いました。
バージョンアップは毎年のように行い、来年はいよいよバージョン5をつくる予定です。
つぎのステップは、研究会の各施設と看護師、セラピスト(理学療法士、作業療法士)、管理栄養士など多職種でケースカンファレンスを行い、そこで得た内容を反映しました。
これは今も続いています。
STEP6は論文、学会発表等を読んで内容に反映させています。
今はこの6つのことを複合的に行っています。
毎年、「介護の知識50」の作成に同じような時間をかけていますが、行っていることは、その時々に必要なことに合わせて工夫し複雑化し、当初からは大きく変わってきています。
「介護の知識50」ができあがった時点で活動をやめていたら、こうはならなかったと思います。
先輩が教えてくれたように、たゆまずゆるまずコツコツ仕事をすることは大切だけど、同じことをやっているだけでは成長は止まっていたでしょう。
成長が止まるだけでなく、「介護の知識50」は使いものにならなくなっていたと思います。
先輩はこうも言っていました。
・ハードワークすることに慣れたら、そのクオリティを落とさないこと。
・成長のスピードをゆるめないこと。
スポーツのトレーニングみたいですね。
ハードワークのクオリティを落とすと、スポーツならウエイトオーバーでいい仕事ができなくなってしまうんじゃないかな。
自分が成長が遅くなったなと感じたとき、成長が止まってしまったんじゃないかなと感じたとき、ステップアップの階段の踊り場にいるなと感じたときは工夫をしましょう。
工夫をし、たゆまずゆるまず努力を重ねていくと、予想もできなかった遠くまで飛べると思います。
「介護の知識50」は作り始めてから15年で認知症編と基礎介護編にわかれ、合わせて約700ページになっています。
研究会のみなさんがたとたゆまずゆるまず工夫をしつづけてきた成果です。
(泉田照雄)
*関連記事 今から10年前イズミダが50歳の頃に書いた記事を中心にまとめました。
全国高齢者ケア研究会では「ハピネス オブ ライフ(HOL=Happiness of life)をケアの目的の一つとして提案しています。
高齢者の笑顔のある暮らし、喜びを感じられる毎日を「積極的に」つくりだすケアのことです。
入居者の痛みや苦しみをやわらげおだやかに暮らしていただくことをめざす「平穏ケア」と「ハピネス オブ ライフ」がケアの目的だと考えています。
毎週月曜日に全国高齢者ケア研究会のメンバーで行われている「ハピネス オブ ライフ(Happiness of life)を目標に、お年寄りが「穏やかでそして笑顔で」暮らしていただけるよう取り組んでいます。
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皆さんいかがお過ごしでしょうか。
暦の上ではもうすでに秋を迎えていますが昼間の暑さは9月に入っても変わらず…
でも、時々感じる風は少しばかり秋を感じるかな?とも思ったりしています。
暑い日が続きますので、引き続き熱中症にならないよう十分や休養、水分補給していきましょう(#^^#)
と、言いつつも鈴鳴荘では暑い夏をさらに熱くすべく先日夏祭りを開催しました!
本来なら、新型コロナ流行前と同様に地域との合同で夏祭りの開催となる予定でしたが、新型コロナ感染が大幅に増えており、やむなく施設内のみでの開催となりました。
そんな事情とは裏腹に、鈴鳴荘全部署のご利用者、職員が参加し会場は大盛況♬
もぐらたたきや輪投げで身体を動かしてもらいました。ご利用者の中には張り切って普段動きの少ない方もビックリするくらい身体を動かして楽しまれていました。
わたあめブースでは皆さん出来上がったそばから美味しそうにほおばっていました😋
かき氷ブースも盛況。普段水分が摂れない方もかき氷なら食べてくれる方も🍧
途中から理事長も参加していただきました😊
頭にキーンときた…
お菓子釣りのブース。お菓子やお魚、お金(おもちゃ)などたくさん🎵
「獲ったどー(#^^#)」このあと早速食べられていました。
併設の託児所の子ども達も参加しています(*^^)v
子どもを預けている職員にとっては子ども達(上の写真は筆者の子どもです(笑))の成長や楽しんでいる姿を仕事の傍ら感じられるのでありがたいです。
職員お手製の御神輿やお面の前で記念撮影(*'▽') 中には担いでくれるご利用者も!
夏祭りを盛り上げてくれた着物美人たち♬色んな部署の協力もあり、夏祭りは大成功で終わりを告げました。
ご利用者が楽しんでいただけると職員の方も暑さを忘れてしまいます。
これから涼しくなってきたら、BBQや日帰り旅行なども計画していますので、これからもご利用者に楽しんでいただけたらと思っています。
次回は9月18日 北海道 上士幌すずらん荘 さんです よろしくお願いします。
(大分県国東市 特別養護老人ホーム鈴鳴荘 ユニットリーダー 小野裕信)
◆毎週月曜日掲載『ハピネスオブライフ~暮らしの楽しみを求めて~』第530回「夏を乗り切ろう」東京都立川市 フェローホームズデイサービスセンター
事務所の近くで見つけたカブトムシ。
山形の蔵王で手にとまったトンボ。
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2〜3年前から急に虫取りがしたくなっていた。
都会の人工的な世界で暮らしていると、自然にふれたくなってくるみたいだ。
虫取りも明らかにその傾向の一つだと思う。
虫取りに出かける時間がなかったので、事務所の近くで探してみることにした。
クヌギの木を見つけ、散歩のたびに樹液が出ている場所を確認した。
カブトムシを見つけるなら7月の早い時期までが勝負と思っていたので、その時期には散歩のついでに毎日のようにチェックしていた。
カナブンが何十匹と群れて樹液を吸っていたので、カブトムシやクワガタにもどこかで出会えるんじゃないかと思っていた。
数日後、親子連れがクワガタを見つけていたので、期待はほぼ確信に変わりました。
それから数日後、雨あがりの夕方、とうとうカブトムシを見つけました。
虫取りをしたいという気持ちがスーーとおさまりました。
不思議ですね。
東京の都心でもカブトムシがいるんですね。
びっくりしました。
神田の街をハクビシンが歩いているくらいだから、いても不思議はないんですけどね。
(泉田照雄)
全国高齢者ケア研究会に参加する各施設では、トータルケアに取り組み、先進的なケアを行っています。このブログでは、各施設での実践事例
を「全国高齢者ケア研究会先進事例レポート」として紹介しています。
毎週水曜日掲載です。
今回は愛媛県東温市特別養護老人ホームガリラヤ荘からのレポートです。
「床への唾吐きや夜間ベッドで横になれないための不眠がみられたが、亜鉛の多い補助食品の提供や『背中スイッチ』の対応で改善したケース」の報告です。
ケース検討は、基本的にICF(国際生活機能分類、International Classification of Functioning,Disability and Heaith)の考え方をベースに、BPSD治療アルゴリズム(「かかりつけ医のためのBPSDに対する向精神薬使用ガイドライン第2版」所収)に沿って行っています。
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◆基本情報
氏名 308様
年齢 93歳
性別 女性
身長 137㎝
体重 36㎏
要介護度 3
◆既往歴
アルツハイマー型認知症
骨粗鬆症
第4脊椎体圧迫骨折
◆服薬状況
アゾセミド錠(30)朝食後×1錠(利尿剤)
メマンチン塩酸塩OD錠(5)朝食後×1錠(認知症薬)
ランソプラゾールOD錠(15)朝食後×1錠(逆流性食道炎)
ガランタミンOD錠(4)朝・夕食後×2錠(認知症薬)
ナウゼリンOD錠(10)朝・夕食後×1錠(嘔気止め)
マグミット錠(330)朝・昼・夕食後×1錠(塩類下剤)
デノタスチュアブル配合錠 朝食後×2錠(低カルシウム血症治療薬)
◆課題
①床へのつば吐きと指しゃぶりが頻回にある。
②入浴時、浴槽を嫌がり興奮されることがある。
③ベッドで横になって休めない。中途覚醒がある。
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◆経過
H27年3月にアルツハイマー型認知症と診断され、デイサービスを利用しながら何とか自宅で生活していた。認知症の進行とともに、徘徊・異食・ろう便や放尿などがあり、自宅での生活が困難となったため、R5年5月22日~当施設のショートステイをロングで利用開始となる。性格は穏やかで、日中は動物図鑑を見たりYouTubeで子犬や子猫の動画を見て楽しまれたり、お人形を抱っこしてあやしたりされて過ごされている。時折指しゃぶりがみられる。職員を見かけると「おいでや~」「なんぞおくれや~」と言われる。食事を食べるペースが早く、ショート利用開始時から1~2回/日食後に少量の嘔吐がみられた為、食事は8割提供とし、水分も分割摂取とした。摂取時には「ゆっくり飲んでください」と声掛けるようにしたが、それでも食後の嘔吐が時々と唾吐きが頻回にみられるため主治医に報告し、ランソプラゾールOD錠15㎎1錠処方された。それ以降は食後の嘔吐はほとんどなくなったが、つば吐きと指しゃぶりは継続している。入浴時、浴槽の下から湯が沸くタイプの浴槽に対して、湯が怖いと浴槽内で立とうとし興奮したりする事があり、シャワー浴で対応している。夜、自宅にいるときからベッドで横になって休むことがなかったらしく、ショート利用時から眠くなってベッドに誘導しても落ち着かず、結局ソファーで坐ったままうとうとされることが多く
みられた。熟睡ができないので中途覚醒あり、23時~1時に他入居者の居室に入られることもあった。困難事例として、認知症カンファレンスを実施した。
◆要因分析
①つば吐きは亜鉛不足による口腔内の違和感からではないか。
②入浴時、浴槽の下からお湯が出る事が理解できないのではないか。浴槽に浸かるとき、お気に入りのソフトビニールのお人形と一緒に入ることで安心して落ち着いてもらえるのではないか。
③横になって休めないのは何か原因があるのか。
◆実施したケア
①亜鉛の採血を実施した。
②入浴については無理に入れるのではなく、1週間を通しご機嫌な日を選んでお気に入りのソフトビニールのお人形と一緒に入ってもらうこととした。
③泉田先生との困難事例カンファレンス時に、「夜間ベッドで眠れないのは、赤ちゃんは抱っこしていると寝入るがベッドに降ろすと泣く『背中スイッチ』の症状と似ているので、あらかじめベッドを30度ギャッジアップしておきブランケットなどを使用し背中の接地面を増やしておくと安心して眠れるのでは?」とアドバイスをいただき実施した。中途覚醒については、認知症専門医に相談した。
◆結果
①唾吐きについて、亜鉛の検査値が64と少ないので栄養補助食品(プロテインFez)を導入することで唾吐きが激減した。指しゃぶりはまだ時々見られている。
②入浴は個浴の檜の浴槽にしているが、浴槽には浸かれずシャワー浴で対応中。
③以前はベッドでほとんど休まれなかったが、『背中スイッチ』の対応を始めてからベッドで休まれる日が増えてきた。中途覚醒についてはロゼレム8㎎処方あり、内服開始した。
◆まとめ
認知症の進行に伴い問題点も増えつつありますが、多職種で連携しながら丁寧に見ていくことで、ひとつずつでも問題点を解決できたら308様が穏やかに楽しく過ごしていただけるし、私たちにとってもそれが一番の望みです。研修などで教えて頂いたことを実践しながら、これからも入居者様が穏やかな日々を送るためのお手伝いが出来たらいいなと思います。
(愛媛県東温市 特別養護老人ホームガリラヤ荘 業務課長 森永有美)
次回は9月13日 北海道網走市 なないろ館さんです。よろしくお願いします。
※関連記事
◆毎週水曜日連載 『全国高齢者ケア研究会先進事例レポート』 第307回 食事・水分摂取量の低下があり、脱水傾向が続いていたが、ポラプレジンク(亜鉛欠乏症治療薬)の処方により、服薬開始後、食欲も少しずつ増え、自力摂取できる日が増えてきたケース (北海道鷹栖町 小規模多機能ホーム鷹栖なごみの家)
認知症カンファレンスシートがV42になり2枚になりましたのでダウンロードしてお使いください。
◆かかりつけ医のためのBPSDに対応する向精神薬使用ガイドライン(第2版)改訂版が発表されました。
全国高齢者ケア研究会では「ハピネス オブ ライフ(HOL=Happiness of life)をケアの目的の一つとして提案しています。
高齢者の笑顔のある暮らし、喜びを感じられる毎日を「積極的に」つくりだすケアのことです。
入居者の痛みや苦しみをやわらげおだやかに暮らしていただくことをめざす「平穏ケア」と「ハピネス オブ ライフ」がケアの目的だと考えています。
毎週月曜日に全国高齢者ケア研究会のメンバーで行われている「ハピネス オブ ライフ(Happiness of life)を目標に、お年寄りが「穏やかでそして笑顔で」暮らしていただけるよう取り組んでいます。
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フェローホームズデイサービスセンターでは、
この暑い夏を乗り切るため、涼しさを感じられるような企画を実施しています
折り紙レクリエーション 夏の風物詩 金魚作り
真剣な表情で取り組んでいます
みんなで作った金魚をつなぎ合わせて玄関前に飾っています。
100匹の金魚がお出迎えです
パフェ作り
男性も素敵な包丁さばきです
美味しく頂きました
毎月の麺イベントとして
7月・8月は冷やし中華とそうめんの企画で涼を味わいました
市内にある南極・北極科学館へ行ってきました
これからも暑さに負けず、コロナに負けず、季節を感じながら楽しいイベントを企画し
ご利用者が笑顔で活き活きと生活を送れるようチームで取り組んでいきたいと思います
次回は9月11日、大分県 鈴鳴荘さんです。よろしくお願いします。
(東京都 フェローホームズデイサービスセンター 相談員 和田恭介)
◆毎週月曜日掲載『ハピネスオブライフ~暮らしの楽しみを求めて~』第529回「苦瓜胡瓜西瓜」大分県 大分市 特別養護老人ホーム百華苑
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情報を吸収すればするほど、脳の中で知識のネットワークが広がっていくと話しましたが、吸収する情報の質を高めていくとひらめきの確率が高くなります。
情報の質を高めるとはどういうことでしょうか。
情報の質の高低は、自分にとって必要な情報かどうかで決まります。
情報が自分にマッチしていればいるほど、情報の価値は高まります。
「情報を自分用にカスタマイズすることなんだよ」とある先輩が教えてくれました。
吸収する情報を自分用にカスタマイズするなんてことができるんですか、と僕は聞き返しました。
「本や雑誌の選び方、新聞記事の読み方で、もうカスタマイズしているだろう。興味のつながりが本を選んでいくんだよ。好きな作家が出てくる。その好きな作家の小説を読み続ける。これがカスタマイズだよ」
「興味のつながりを見つけること。興味のつながりを見つけたら、それを見失わないことが大事なんだよ」
その後、先輩は大事な一言を話してくれました。
「情報を自分用にカスタマイズするのは、直接、誰かに聞くのがいちばん早いんだよ。覚えておいた方がいいよ」
この言葉はずっと心に残っています。
以前このブログで文藝春秋のK先輩の話をしたと思うのですが、Kさんは何かわからないことがあると、すぐその世界の先生に電話して聞いていました。
編集部に行くといつも電話をしていました。
話を聞ける先生がよくそんなに大勢いるものだなと感じていました。
それだけのネットワークを築いていたんですね。
Kさんの姿は「情報のカスタマイズ化」という言葉と結びつきました。
ここにも人に直接話を聞くことで情報をカスタマイズ化している人がいると気がつきました。
Kさんからは情報をカスタマイズ化するには、ネットワーク、仲間(電話をする先生)が重要なんだと学びました。
ほとんどの人がそうだと思うけど、40歳も過ぎてくると、自分に何かを教えてくれる人はほとんどいなくなります。
僕もそうでした。
大切な話も耳の痛い話もしてくれる人が減っていくのです。
40歳といえば仕事も順調に進み業績も上がり、役職も上がっていく頃です。
放っておくと、自分の成長に比例して実は情報の質は下がり、情報収集のネットワークはなくなっていきます。
成長している人ほど、その傾向になるとある先輩が教えてくれました。
40歳を過ぎてからはそれまで以上に人に話を聞くようになりました。
50歳を過ぎてからは会食する機会もすごく増やしました。
全国高齢者ケア研究会をやりましょうと全国の仲間に呼びかけたもの40歳のときです。
情報交換にメールはほとんど使いません。
ライブで臨機応変に情報をカスタマイズ化するには、対面で話すか電話が最も適しています。
話が行ったり来たりしたり、話がぐるぐるまわったりするのが大事です。
そのプロセスは「情報をこねる」感じです。
陶芸をやっているような感覚ですかね。
こねていると形になっていきます。
もちろん形にならないこともあります。
対面か電話だと、やり取り(情報をこねる)がその場でできます。
最近はビデオ通話、オンライン会議ツールなども便利ですね。
仲間の増やし方はかんたんです。
いろいろ教えてくださいと頭を下げればいいのです。
年齢を重ねてくると頭を下げることが難しくなります。
ましてや役職が上がっていくとなおさらです。
年齢を重ねていった人たち、役職が上がっていった人たちで、人の話を聞けない、人に物を頼めない人をたくさん見てきました。
そういう人たちは仲間が少ないです。
仲間が少ないと、ライブな情報が入ってこなくなり、一線からは遠のき、口を開けばポンコツな話をすることになります。
残念な感じなのですが、本人は気づいていないことが多いので、ほとんどの人は適当な相槌を打って見て見ぬふりをします。
このへんの感じは見ていて怖いです。
それはともかく電話をして話を聞ける仲間が何人いるかで、情報のカスタマイズ化、つまり収集する情報の質の高低が決まります。
Kさんみたいに話を聞ける仲間が何十人かいるといいですね。
情報の集め方と質の高め方を教えてくれたKさんには感謝しかありません。
(泉田照雄)
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あらかじめ断っておきたいのだけど、今回はほんとうにイカとタコの話で人生の役に立つ深遠な教訓のようなものはないですからね。
子どもの頃からイカとタコが好きだ。
無類のイカ好き、イカにはめっぽう詳しいというわけでもなく、モンゴウイカ系とヤリイカ系の違いくらいしかわからない。
そのくらいの知識の人の話だと思って聞いてくださいね。
これまで食べたイカで最もおいしかったのは、長崎の平戸島で食べた夏のイカ。
刺身で食べたんだけど、やわらかくてほんのり甘かった。
おいしいイカは松山や北海道でも食べたたし、北海道の知人のBさんが作ったイカの沖漬けは絶品だけど、平戸の夏のイカが忘れられない。
平戸島の漁協の人が「夏のイカはやわらくておいしい」と言っていたから、何か理由があるんだと思う。
イカは冬がおいしいものだとばかり思っていたから、夏のイカがおいしいのは意外だった。
イカが好きなのは寿司屋に行ったときにあらわれる。
まずイカを食べるのが習慣になっていて、ほとんどルーティン化している。
「エンペラがありますよ」なんて言ってもらうと、すごくうれしい。
友人が「イカのテンプラ、いいねぇ」と聞き間違えたことがあったけど、そのときは本当にイカの天ぷらが出てきた。
イカの天ぷらもおいしい。
ねぇ、深遠な教訓なんてないでしょ。
さて今度はタコの話である。
タコも水ダコ系とふつうのタコ系の違いくらいしかわからない。
水ダコは北海道の知人Bさんに送ってもらったのが、これまたとってもおいしかった。
ふつうのタコ系でおいしかったものは二つある。
一つは沖縄の離島を訪ねたとき、地元の人が珊瑚礁からとってきたものだ。
煮込んだわけでなくサッと火を通しただけなのに、とにかくやわらかかった。
輸入物のタコの硬さに慣れていたので衝撃的だった。
大潮で潮が引くと我先にと珊瑚礁に出てタコを取るわけがわかった。
あんなにおいしいんだもの。
とって食べたくなるよ。
もう一つは大分県国東市でとれたタコ。
送ってもらったのだけど、これがもうサイコー。
やわらかいし味わい豊かだし、タコってこんなにおいしいんだと思った。
深みとコクがあります。
深みとコクが感じられるタコ?なんて思っている人は、一度、食べてみていただきたい。
エビ、カニと同じようにコクと深みがあるので、おいしいエビ、おいしいカニを想像してみると連想できるかもしれない。
今まで食べていたタコの唐揚げはなんだったんだというくらいにタコの唐揚げがおいしかったですね。
土鍋で炊いたタコ飯も絶品になりました。
タコ飯を全国各地で何十回と食べたことがあるんですが、実はどれもおいしいと思ったことがなかったのでした。
生まれて初めておいしいタコ飯を食べました。
たこ焼きもやってみたのだけど、タコがおいしいとたこ焼きもおいしくなるんです。
これもこれまでで一番でした。
ちなみにこのタコはふるさとチョイスで返礼品としてもらえます。
国東市真誠丸で検索すると出てきます。
いくつになってもおいしい食べ物と出会うと幸せな気分になります。
(泉田照雄)
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この何週間か「ぼんやりと考えたこと」を泉田照雄がこのブログにアップしてきましたが、これがまあまあ好評だったので連載にすることになりました。
毎週日曜日に「日曜日のぼんやり」というタイトルでアップします。
忘れっぽい泉田のことですから、毎週必ずアップするという約束はできません。
ほぼ毎週という感じだと思います。
本人は「ぼんやりと考えたこと」が好評だったのでやる気でいますが、そう長くは続かないのではないかと事務局スタッフ一同で予測しています。
本人も60歳を超えて、これまで得てきた知恵を話す予定でいます。
「奥義」と本人は口走りましたが、事務局スタッフ一同はカタカナの「チエ」くらいだと思っていますが、その程度のものと考えていただけると幸いです。
ぜひお読みください。
(全国高齢者ケア研究会事務局 丸百恵)
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今回は情報収集の積み重ねが何を産むのかについてぼんやりと考えたことを話します。
1週間にひとつ新しい情報を得るとすれば、単純に足し算すれば1年で53個です。
この53個の情報は組み合わせて利用されます。
53個から2個を選んで組み合わせた場合、 通りの組み合わせがあります。
情報は頭の中で組み合わされて利用されるので、たった53個の情報でも、ものすごい量の情報量になります。
53個から3個を選んだ組み合わせた場合、23426通りになります。
ものすごい数です。
53個から4個を選んだ場合、5個を選んだ場合、6個、7個と足されていきます。
すべてを足すと天文学的な数字になります。
1週間に一つ、介護について何かを学んでいくだけでもすごいことが起こるのです。
このことを僕は20代の頃に一人の先輩から教わりました。
その先輩は笑いながら、「1日ひとつ何かを学んでいくとどうなるかな」と問いかけてきました。
単純に足しただけならば365個ですよね。
365個から2個を組み合わせた場合は、66430通りです。
いきなり万単位です。
365個から3個を組み合わせた場合は、2,424,810通り。
100万単位です。
365個から4個を組み合わせた場合は、18,671,525通り。
先輩はこう続けました。
「計算通りにはいかない部分もあるけど、すごいことになるんだよ。これが知識のネットワークさ。頭の中のことなので目には見えないけど、毎日コツコツ情報を収集していくと、巨大な知識のネットワークができあがる。それともうひとつ大切なことを教えておこう。ヒラメキは実はこの組み合わせのひとつなんだよ。ネットワークが大きければ大きいほど、ひらめくのさ。そのうちなんでひらめくのかわからないけど、ひらめくようになるよ」
その先輩は50代だったので、僕は恐る恐る聞いてみた。
なんでひらめくのかわからないけどひらめくってことがあるんですか?と。
答えは驚きだった。
「しょっちゅうだよ」
この話はずっと心に残っている。
あれから約40年、60歳を迎えた僕がいま「なんでひらめくのかわからないけどひらめく」ようになっているかどうかは、内緒である。
(泉田照雄)
全国高齢者ケア研究会では「ハピネス オブ ライフ(HOL=Happiness of life)をケアの目的の一つとして提案しています。
高齢者の笑顔のある暮らし、喜びを感じられる毎日を「積極的に」つくりだすケアのことです。
入居者の痛みや苦しみをやわらげおだやかに暮らしていただくことをめざす「平穏ケア」と「ハピネス オブ ライフ」がケアの目的だと考えています。
毎週月曜日に全国高齢者ケア研究会のメンバーで行われている「ハピネス オブ ライフ(Happiness of life)を目標に、お年寄りが「穏やかでそして笑顔で」暮らしていただけるよう取り組んでいます。
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まだまだ暑い日が続きますね。
最早この暑さが夏のデフォルトということだそうで、涼を求めながら暑い日が過ぎていくことを耐えしのぶ日々です。
暑さに耐えることもネガティブケイパビリティと言えるのでしょうか?ちょっと違いますかね?
今回は入所者と一緒に植えたニガウリやキュウリが見事に成長し収穫を迎えました。
スイカも食べました。今夏食べたスイカはいただいたものと購入したものです。
6月にニガウリとキュウリの苗を植えました。
苦そうですね。炒めて食べるとよいですかね。
緑々しいですね。冷やして食べるのもよいですね。
瑞々しいですね。冷やして食べました。
ここ数年、4月~6月までの間にプランターに夏野菜の種や苗を植えてこの時期に収穫しています。
入所者にも職員にも詳しい人がいるので先生には困りません。
暑い日々でも夏には夏の過ごし方があって、冷たいものを食べることも、収穫のために暑さを感じることも夏の醍醐味なんですよね。
とエアコンの効いた部屋で記事を作りました。
まだまだ暑い日が続きそうですが、体調に気を配りながら次の季節を迎えたいと思います。
次回は9月4日、東京都 フェローホームズデイサービスセンターさんです。よろしくお願いします。
(大分県 特別養護老人ホーム百華苑 生活相談員 小埜高規)
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