2019年9月16日

毎週月曜日連載『ハピネスオブライフ~暮らしの楽しみを求めて~』 第309回『ソフトクリーム週間!!』北海道 北斗市 美ヶ丘敬楽荘デイサービスセンター

全国高齢者ケア研究会では、「ハピネスオブライフ(HOL Happiness of life)」を目的の一つとして提案しています。利用者の笑顔のある暮らし、喜びを感じられる毎日を「積極的に」作り出すケアのことです。入居者の痛みや苦しみをやわらげ、穏やかに暮らしていただくことを目指す「平穏ケア」と「ハピネスオブライフ(HOL Happiness of life)」がケアの目的だと考えています。毎週月曜日に全国高齢者ケア研究会のメンバーで行われている「ハピネスオブライフ(HOL Happiness of life)」の取り組みを紹介していきます。各施設は「ハピネスオブライフ(HOL Happiness of life)」を目標にお年寄りが「穏やかでそして笑顔で」暮らして頂けるよう取り組んでいます。

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今回は美ヶ丘敬楽荘デイサービスセンターで行っている取り組みを紹介させていただきます。

美ヶ丘敬楽荘デイサービスセンターは昨年の4月に新築移転し、1年が経過しました。

新しく移転した建物の前には、なんと!ソフトクリーム屋さんがあるんです(^_^)

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 夏の時期になると、利用者様より「ソフトクリームがたべたいね~。」と熱い要望が職員の耳に届いてきます。

新しいデイサービスではマシンやレッドコードを使用し機能訓練を中心とした取り組みを行っており、利用者様がいつまでも元気で生活出来る様、楽しみや目的を持った取り組みとして、徒歩でアイスを食べに行こう!という新しい行事を開催致しました。

その名も 「ソフトクリーム週間!!」 ネーミングはいまいちですが…笑。

目の前のお店にある、ソフトクリームを食べに行くためには、施設より直線距離で約50mあります。
しかし、施設の目の前に横断歩道が無く、少し離れたところに横断歩道があるため、少し迂回をし目的地へ向かう必要があります。
その為、歩行距離は約150mほど。途中、若干の傾斜や砂利など様々な試練がありますが、皆さん「ソフトクリーム」という目的のため、一生懸命歩きます!

 

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途中(約50m地点)に休憩所を用意、昨年は休憩をはさみながら、ゆっくりと目的地へと足を運んでいましたが、1年間運動を行ってきた効果なのか、今年は皆さん休むことなく、目的地へ歩くことが出来ていて、びっくりしました。
何事も、目的があるって素晴らしいですよね。

一生懸命歩いた後に食べる、ソフトクリームの味もまた格別!!

皆さん満面の笑みでソフトクリームを食べておられました。

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これからも、利用者様の笑顔を沢山引き出すことが出来るよう、試行錯誤しながら様々な取り組みを行っていきたいと思います!

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 次回は9月23日 東京都 足立区 千住桜花苑さんです。よろしくお願いします。

(北海道 北斗市 美ヶ丘敬楽荘デイサービスセンター 統括主任 福地 寛己)

※関連記事
 毎週月曜日連載『ハピネスオブライフ~暮らしの楽しみを求めて~』 第308回『笑顔でつながる夏祭り』羽衣地域福祉サービスセンター

 

2019年9月15日

◆ほぼ毎週水曜日掲載 今週の本&DVD 『本を読む人だけが手にするもの』 藤原和博 日本実業出版社 

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『本を読む人だけが手にするもの』 藤原和博 日本実業出版社 

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 タイトルにひかれて読みました。

 この本を読みながら、イズミダは何のために本を読んでいるのだろうと考えていました。

 もちろん、楽しいからですよね。

 本を読んでいると、知識がリゾーム(地下茎)のように広がっていくときのワクワク感、根と根がコネクトしたときの感覚があります。

 想像力が豊かに膨らんでいきます。

 美しい文章や写真は心をいやします。

 それで十分のような気もしますが、さて、他に何かあるだろうか?

 本をそんなに読んでどうするの? 知識をそんなに得てどうするの?

 今から30年ほど前、ある出版社の2次試験で、「そんなに本を読んでどうするの?」と聞かれたことがあります。

 イズミダははっきりと答えられませんでした。

 30年以上経って、今はそれなりに答えることができます。

 知識は人の上に立つために得るのではありません。

 仕事仲間や知り合いや友人や家族を助けるために得るのです。

 知識や技術があれば、人を助けることができます。

 知識や技術があると、知恵も磨かれます。

 知識、技術、知恵は、人の力の源、人の力そのものです。

 力をつけて人を助ける、そんなことを再確認しました。

(泉田照雄)

2019年9月13日

毎週金曜日連載「私たちがやりたいケア 介護の知識50ver3」第58回~在宅で転倒を繰り返している新規入居者の環境設定~


              

  

グリーンハイム荒川のバス停が秋の飾りに。

 

<はじめに>

新規入居者の『環境設定』は、転倒などの事故予防やリロケーションダメージによる周辺症状の悪化を緩和する大事なポイントとなります。

環境設定の基本は、本人の状態、ADL状況を把握し、本人が最も動きやすい環境を整えてあげることが大切です。

 

①本人の状態・ADL・習慣にあわせて環境をつくる。

 ・それまで本人が馴染んでいた空間の雰囲気と位置関係に留意する。

 ・片麻痺がある場合は、健側への移動が得意という原則に留意する。

 ・トイレや洗面台までの導線上の手すりやつかまる場所を確認する。

 ・ベッドと車イスの生活が難しい場合は、じゅうたんやたたみなどで対応する。

   ⇒じゅうたんやたたみなどの場合は、立ち上がる際にかなりの筋力、バランス力が必要となる。

    介助する職員の腰痛問題が生じやすくなります。

    高さが低くなる低床ベッドや移乗用介護機器などが開発されています。検討するとよいでしょう。

               

②本人が寛げる環境をつくる。

 ・寝る⇔座るの二極化した生活から、「ごろっと横になる」「寝たり起きたりをする」等の場所をソファーなどでつくる。

 ・リビングなどのどこでくつろぐのかを個別に考える。

 ・機能面ばかりを考えず、本人にとって居心地のよさを考える。

 ・愛着のある私物をたくさん持ち込んでもらい、家庭的な雰囲気作りを行う。

                

 ご利用者の状態は変化します。

 一度決めたらOK!ではなく、ベッド等のレイアウトは実際の使用状況をモニタリングしながら見直します。

 転倒しやすい人は、たたちに修正することが大切です。

 夜間は、転倒・転落のリスクが高くなります。

 自分でナースコールを押せない方には、センサーマットやセンサーコールなどでその方の動作を想定して福祉機器の活用も検討します。

                          

③ 記録で共有化

 新規入居者が入居されてから落ち着くまでは、環境や関わりについて必ず細かに記録を書いていくことが大切です。

 『どういう取り組みをしたか』『そのときの入居者の状態はどうか』など職員間で情報共有して一日も早く施設での生活に慣れていただくよう工夫していきましょう。

 その人にあった「環境の設定」は、その人らしい暮らしの継続をしてもらうためにはもちろんのこと、利用者の安心・安全を守るための大事なポイントです。行動障害の抑制にも効果があります。

 新規入居者の方々は、新たな環境で生活を送らなければならない不安が少なからずあることを理解する必要があります。

 環境は、物だけでなく人も含まれます。ハード面の環境設定と同時に職員がいかに『ウエルカムな気持ち』で接することができるかも、環境設定の大事な要素です。

テキストのダウンロード

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※関連記事

  第57回~介助バーの長さの調整~

  http://izumidateruo.cocolog-nifty.com/blog/2019/9/post-cd850f.html

次回は、9月20日(金) レインボーハイツさんの「経過栄養の利用者の環境設定のポイントとケア」です。宜しくお願いします。

東京都荒川区 特別養護老人ホーム グリーンハイム荒川 施設長 渡邉秀雄

2019年9月12日

◆友人の香納諒一が新作『さすらいのキャンパー探偵 降らなきゃ晴れ』を出版。ぜひ読んでください。

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『さすらいのキャンパー探偵 降らなきゃ晴れ』(双葉文庫)

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 友人の香納諒一が『さすらいのキャンパー探偵 降らなきゃ晴れ』を出版しました。

 今度の小説はカバーがいい感じで売れそうです。

 作家生活30年近くになるんじゃないかなぁ。

 イズミダの文章の師匠です。

 イズミダには若いころに生き方が勉強になった人が3人いて、そのうちの一人です。

 一人は熊井正というイラストレーター、もう一人は林家正蔵、もう一人が香納諒一です。

 熊井くんと正蔵くんは中学の同窓生、香納くんは大学時代の友人です。

 三人に共通しているのは、目標がはっきりしていて、目標に向かってコツコツと努力を続けていたこと。

 香納くんもとにかく小説を書いていました。

 コツコツと努力を続けると道が開けるということを三人に教わりました。

 ちなみに今のイズミダのコツコツのスタートは紆余曲折を経て、20代後半になったので、彼らより10年〜15年遅かったんですね。

 休むことなくコツコツ続けること、三人の顔を雑誌やテレビで見るとそんなことを思い出します。

 ぜひ読んでください。

(泉田照雄)

※関連記事

◆大学からの友人、作家の香納諒一が新作を発表しました。ぜひ読んでください。

2019年9月11日

◆ 毎週水曜日連載『 全国高齢者ケア研究会先進事例レポート 』第125回 帰宅願望・興奮・暴言等の症状が出ていたご利用者が面会ノート、日課表を作成し活用することによって症状が改善したケース ( 大分県 国東市 特別養護老人ホーム むさし苑 )

 全国高齢者ケア研究会に参加する各施設では、トータルケアに取り組み、先進的なケアを行っています。
このブログでは、各施設での実践事例を「 全国高齢者ケア研究会先進事例レポート」として掲載しています。
毎週水曜日掲載です。
今回は、大分県国東市のむさし苑から帰宅願望・興奮・暴言が出ていたご利用者が、面会ノートと日課表を作成し活用した結果、症状が改善することが出来たレポートです。
ケース検討は、基本的にICF ( 国際生活機能分類、International Classification of Functioning,Disability and Heaith )の考え方をベースに、BPSDの治療のアルゴリズム(「 かかりつけ医のためのBPSDに対する向精神薬使用ガイドライン第2版 」所収 )に沿っています。

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◆ 基本情報

 ・名前 125様

 ・年齢 92歳

 ・身長 148㎝

 ・体重 33.8㎏

 ・要介護 ― 4

◆ 既往歴

 ・白内障・緑内障・高プロラクチン血症・陳旧性脳梗塞・左肩周囲炎・頚椎症

 ・十二指腸潰瘍・脳幹部梗塞・右下肢麻痺・構音障害・嚥下障害
◆ 現病
 ・特になし

◆ 服薬状況
 ・< 朝 >   クロピドグレル錠75㎎ 「 YD 」-血液の流れをよくする作用あり
        ベタニス錠50㎎ ー頻尿を改善する作用あり
 ・< 寝る前 > ロゼレム錠8g ー睡眠のリズムを調整し自然な睡眠をもたらす作用あり

◆ 課題

 ① 帰宅願望が強く 興奮・不穏・暴言が多い
 ② コールが頻回、不定愁訴あり
 ③ 本人の気分次第で、離床や臥床を繰りかえす。

◆ 経過とBPSDの要因と実施ケア内容について

 125様は脳梗塞を繰りかえし、入院されリハビリをおこなっていた。状態安定していたがADL低下により、平成30年11月5日に
 ショート入所される。入所当初も帰宅願望はあるものの、それほど強くなく傾聴・声かけ等で落ちつかれていた。

① 平成31年2月9日に特養入所される。徐々にむさし苑での生活に慣れてくると、「なぜ私はここにいるのですか?」
 「家族のものを呼んでください。」「家に帰らせてください。」等の帰宅願望が強くなる。職員が傾聴し安心する声かけ
  をするとしばらくは落ちつかれるが、職員から同じことを繰りかえし説明されるためか、「だますな」「家族を呼んで
    ください」と 興奮・不穏・暴言等あり、マンツーマンで見守り対応することが増えてきた。ご家族に連絡し施設に
    来苑していただくも、ご家族に対し「私を捨てるのか?」など強い口調で問いただす。別の日のご家族面会の際、
    前回とは違いおだやかに接し何もなく面会が終わることもあるが、ご家族が帰られると不穏状態になることが多かった。

② コールも多くなり、数分間に何度もコール対応することが増えてきた。

③「起こして」と訴え多いため離床介助しスペースで見守りの対応にするが、起きてもらうと、2分から3分で「寝たい」
  と言われ、離床と臥床を何度も繰りかえしはじめる。認知症カンファレンスシートを活用し検討会を開く。

◆ 認知症カンファレンスシート

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ダウンロード - epson087.pdf


◆ BPSDの要因と実施ケア内容について

 ① 帰宅願望が強く興奮・不穏・暴言が多い
   ・ご家族に電話し本人とご家族で話をしていただく。面会時には面会ノートを作り、ノートに家族写真を貼ったり、
          話した内容をご家族よりノートに書いていただいたり、次は何時来る等も書いてもらうように協力していただいた。

 ② コールが頻回、不定愁訴あり

 ③ 本人の気分次第で、離床臥床を繰りかえす。
  ・②③については認知症カンファレンスシートを利用しチェック項目の結果、常同行動・被影響性の亢進等に
   チェックが入った。そのため前頭側頭型認知症ではないかと考え、日課表を作成し、午前・午後に何をするのか
   等の大まかな時間を日程でわかるように居室に貼り、本人にわかるようにした。

◆ 結果

 ・①については、帰宅願望や不穏が出た際は面会ノートを読んでいただき、息子さん等が書いている内容を見て
  落ちつかれるようになった。

 ・②③については、日課表を作ることによって本人の1日の流れが把握できる様になり、「この時間は〇〇をします。」
  「この後は〇〇をする時間です。」等ご本人から言ってもらえ、表情もおだやかになり落ちつかれ日中過ごされるように
       なりました。

 ・今回の事例では、ご利用者、ご家族へ認知症の症状をご理解していただき、またご協力していただいたことによって
  早期に症状を減少することができたと思います。ご面会時にいろいろと細かいこともノートに残していただいたことによって、
  ご利用者の方も不安になればノートを読まれ、息子さん達の言葉が本人に伝わっているのだと思われます。
  また、日課表についてはベッド横に貼ることで理解していただけるか心配でしたが、日課表と時計を何度も確認し1日の
  流れが把握することができ、今は何をする時間なのか明確になり落ちつくことができたと思われます。認知症の分類に
  合った対応をすればBPSDは改善されることがよくわかりました。今後も、ご利用者の不安等を早期に取り除き、安心安全に生活
  していただきたいと思います。
   
  ( 特別養護老人ホーム むさし苑 介護主任 上野 知子 )

※ 次回 9月 18日 東京都立川市 フェローホームズさんです。よろしくお願いします。

関連記事
◆毎週水曜日連載 『全国高齢者ケア研究会先進事例レポート』 第124回 開口が悪く食事量が低下した方がアイスマッサージにより改善したケース (大分県大分市 特別養護老人ホーム 明治清流苑)

◆かかりつけ医のためのBPSDに対応する向精神薬使用ガイドライン(第2版)が発表されました。

◆認知症カンファレンスシートV27になりました。確認しダウンロードしてお使いください。

2019年9月10日

毎月10日掲載「熊本県甲佐町特別養護老人ホーム桜の丘のお昼ごはん」 第56回「秋の訪れ 9月のごはん」 里芋ごはん ・ さんまのかば焼き ・ 冬瓜のくず煮 ・ 栗ようかん

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毎日厳しい残暑がつづいていますが、店頭にはさんまや栗、里芋が並びはじめ、秋の気配を感じるようになりました。

今回のテーマは、秋の訪れ。

ごはんは、里芋を使った「里芋のごはん」。煮物や汁物に使うことが多い里芋を、ごはんと一緒に炊き込みました。

ねっとりした里芋がごはんと合わさり、ごはんが食べやすくなります。

メインは、「さんまのかば焼き」。さんまの料理が登場すると、「もう秋かい」という声が聞こえてきます。

かば焼きの甘辛い味は、ごはんによく合う定番の味です。

水分が多くさっぱりとした冬瓜は、夏が旬。だしをきかせ、鶏肉の旨味を含ませた「冬瓜のくず煮」は、残暑が厳しいこの時期にもおすすめの一品です。

デザートは、「栗ようかん」。秋のおいしさが詰まった一品です。


<献立>

里芋ごはん

さんまのかば焼き

冬瓜のくず煮

すまし汁

栗ようかん



里芋ごはん
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<材料>  1人分

米         50g

里芋       20g

油揚げ      1g

しょうゆ      4cc

みりん       2cc

酒          2cc

塩          0.5g


<作り方>

①米を研ぎ、ザルにあげ水気を切る。

②里芋は皮をむき、1.5㎝大きさに切り、塩(分量外)をふってぬめりを取りながらもみ、水で洗い水気を切る。

③油揚げは、細かく刻む。

④炊飯器に米、里芋、油揚げ、分量の水(だし汁)を加えて炊飯する。

⑤器に盛り、黒ゴマを散らす。


さんまのかば焼き
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<材料>  1人分

さんま(3枚におろしたもの)      1尾分

塩                      0.2g

小麦粉                   5g

(A)しょうゆ                4cc

   砂糖                  2g

   みりん                 2cc

   水                    4cc


<作り方>

①(A)の調味料を混ぜ合わせておく。

②さんまは、長さを2~3等分の切り、塩で下味をつけ、小麦粉をまぶす。

③フライパンに油をひき、さんまを焼く。

④①のタレを入れ、絡めながら焼く。


冬瓜のくず煮
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<材料>   1人分


冬瓜          50g

鶏肉こま切れ    15g

人参            5g

グリンピース      4g

だし汁         50cc

しょうゆ        4cc

酒            2cc

みりん         2cc

水溶き片栗粉    適量



<作り方>

①冬瓜は、種とワタを取り、皮をむいて食べやすい大きさに切る。

②鍋にサラダ油をひき、鶏肉、人参を軽く炒める。

③だし汁と冬瓜を入れ、冬瓜が軟らかくなるまで煮る。

④冬瓜が軟らかくなったら、調味料を加えて煮る。

⑤器に盛り、ゆでておいたグリンピースを散らす。


栗ようかん
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<材料>   1人分

こしあん         30g

栗甘露煮        1個

水            40cc

粉寒天         0.3g

塩            少々


<作り方>

①栗甘露煮を4等分に切る。

②鍋に、水と粉寒天を入れ中火で煮立たせる。

③こしあんと塩を入れ、煮溶かす。

④型に流し、栗を散らす。

⑤粗熱を取り、冷蔵庫で冷やす。


今回は、こしあんが甘かったので砂糖は使っていません。


特別養護老人ホーム 桜の丘  管理栄養士 川本里江

※関連記事

毎月10日掲載「熊本県甲佐町特別養護老人ホーム桜の丘のお昼ごはん」 第55回「8月 パンチのきいた夏ごはん」豚キムチチャーハン ・ にがうりとカニカマの酢の物 ・ すいかゼリー  

2019年9月 7日

◆ほぼ毎週水曜日掲載 今週の本&DVD 『詩集 二度とない人生だから』『自選 坂村真民詩集』 坂村真民 

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『自選 坂村真民詩集』坂村真民 到知出版

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『詩集 二度とない人生だから』 坂村真民 サンマーク出版

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 もう30年以上、編集という仕事をしています。

 編集という仕事は、自分が主役になることはあまりないんですね。

 書き手がいて、書いたものを編集するので、書き手がいないことには編集者の出番はないのです。

 書いたものをどう輝かせるか、書き手をどう輝かせるかが仕事の中心になります。

 伴走者的性格があります。

 取材でも同じことが言えて、取材先がなければ記事は書けません。

 編集という仕事をしているからかどうかはわかりませんが、少しは関係があるような気もしますが、人からすすめられた本はできるだけ手に取るようにしています。

 ほぼ習慣になっていると言ってもいいかもしれません。

 坂村真民は今は全国社会福祉協議会の副会長をしている古都さんに教えられました。

 4冊ほど読みました。

 読んでいて大学時代のおぼろげな記憶がよみがえってきました。

 坂村真民の詩を僕は大学時代に読んでいたのです。

 それは「火をともせ火をもやせ」という詩の冒頭部分です。

 「火をともせ

  火をもやせ

  自分で自分を燃やすのだ

  自分にあかりをつけるのだ」

 この冒頭部分を大学のトイレの落書きで読んでいたことを思い出しました。

 当時、イズミダが通っていた大学は全共闘時代の雰囲気が残っていて、学費値上げ反対で試験が中止になったりしていたんですね。

 だからこの詩がアジテーションとしてトイレの落書きになっていたんじゃないかと思います。

 火をともせですからね、当時はこういう詩をトイレに書く人がいたのです。

 イズミダは坂村真民の「風」という詩が好きです。

 「風

  

  ともに

  あゆめば

  風

  ひかる」

 種田山頭火を思い起こさせもします。

 種田山頭火の自由律俳句も好きです。

 坂村真民の詩集の序文を書いている森信三という哲学者が広めていた言葉も心に残ります。

 少し長いですが引用します。

 「人間の一生(読み人知らず)

  職業に上下もなければ貴賤もない。世のため人のために役立つことなら、何をしようと自由である。

  しかし、どうせやるなら覚悟を決めて十年やる。すると二十からでも三十までには一仕事できるものである。それから十年本気でやる。

  すると四十までに頭をあげるものだが、それでいい気にならずにまた十年頑張る。すると、五十までには群を抜く。しかし五十の声をきいた時には、大抵のものが息を抜くが、それがいけない。「これからが仕上げだ」と、新しい気持ちでまた十年頑張る。すると六十ともなれば、もう相当に実を結ぶだろう。だが、月並みの人間はこの辺で楽隠居がしたくなるが、それから十年頑張る。

  すると、七十の祝いは盛んにやってもらえるだろう。しかし、それからまた、十年頑張る。するとこのコースが一生で一番面白い。」

 言っている意味がよ〜くわかります。

 諸先輩方を見ていると、70くらいまでは当てはまる人を知っています。

 一冊の本を進められて、そこからいろんなことに広がっていく。

 本を読む楽しさの一つです。

(泉田照雄)

※関連記事

◆50歳をすぎて、新人のように冒険的に仕事をすること

2019年9月 6日

毎週金曜日連載「私たちがやりたいケア 介護の知識50Ver3」 第57回 ~介助バーの長さの調節~

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(九州と本州の間 関門海峡)

≪ はじめに≫

  特殊寝台(ベッド)付属品であり、大部分の介助バーは特定のベッドと適合する形となっています。介助バー単独でベッドとの適合を無視して導入することは困難です。そのため、サイドレールの考え方を主体にした適応を説明します。

 

1.       介助バーはどうして必要か

 介助バーはサイドレールの延長線上にあるか、単独もしくは床設置式として使用されるケースが多いと思います。

 私たちは起立する際、足を後方に引き、おじぎをするよう立ち上がります。その際、前方に支えがあると体重が乗りやすくなります。とくに片麻を患った方や失調症などの膝折れがある方は重心位置(自重の動き)にともない転倒リスクが高まりますが、片手で自重をかけることができると立位が安定します。これは本来両下肢にかかる体重が手にも分散され、重心動揺(ふらつき)を抑制できるためです。

 

2.       介助バーの機能と適応

  介助バーは可動式のものや立位サポート機能を付属させたタイプがあります。非可動式のタイプもあります。在宅では特殊寝台付属品として貸与対象となりますので、介護度や負担割合に応じて介護保険で利用できます。例えば以下の商品は膝折れ防止機能を有した介助バーです。

 

  (株) プラッツ  パッド自動ロック式ベッド用グリップ ニーパロPII(ミオレットII専用)

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 その他、介助バー導入の注意点としては、食事の際のベッドギャッチアップや端座位の際の座位保持の役割も担います。サイドレール含めベッドギャッチアップ時にグリップできる長さにしましょう。

 

3.       介助バーの長さの調節

 端座位になった際、介助バーと臀部との距離が近づきすぎると、起立時に前方に重心が移動しにくくなります。そのため、端座位の位置から臥位になる一連の動きで邪魔にならない長さのサイドレールを選びます。介助バーの長さは概ね同じなので、移乗動作時、グリップする位置が膝よりやや前にくるようにしてください。

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テキストのダウンロード

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※関連記事
   第56回 ~ つかまって何とか立位がとれる利用者のトランスファーの留意点 ~

http://izumidateruo.cocolog-nifty.com/blog/2019/08/post-e1ed50.html  

   次回は9月13日に聖風会 様で『在宅で転倒を繰り返している新規入居者の環境設定』です。

 

                                                                               りんどうの里 岩﨑 伸一朗

 

 

2019年9月 4日

◆毎週水曜日連載 『全国高齢者ケア研究会先進事例レポート』 第124回 開口が悪く食事量が低下した方がアイスマッサージにより改善したケース (大分県大分市 特別養護老人ホーム 明治清流苑)

  全国高齢者ケア研究会に参加する各施設では、トータルケアに取り組み、先進的なケアを行っています。
このブログでは、各施設での実践事例を「全国高齢者ケア研究会先進事例レポート 認知症ケース」として紹介しています。
毎週水曜日掲載です。
今回大分県大分市の特別養護老人ホーム明治清流苑からのレポートです。
 開口が悪く食事量が低下した方に対してアイスマッサージの実施により改善したケースです。
ケース検討は、基本的にICF(国際生活機能分類、International Classification of Functioning, Disability  and Health)の考え方をベースに、BPSD治療アルゴリズム(「かかりつけ医のためのBPSDに対する向精神薬使用ガイドライン第2版」所収)に沿って行っています。
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◆基本情報

氏名 124様
年齢 86歳
性別 女性
身長 140cm
体重 28,8㎏
要介護度 5

◆既往 骨粗鬆症 左大腿骨転子間骨折 腰髄骨折 圧迫骨折 中大脳動脈狭窄症 脳梗塞 狭心症 パーキンソン症候群

◆服薬状況 
朝 
バイアスピリン錠100mg 1錠
アロチノロール錠10mg 1錠


夕 
アジルバ錠40mg  1錠
アロチノール錠10mg 1錠

◆課題
1、食事量の低下により体重が減っている

◆経過

有料老人ホームにて生活をされていました。食事以外でも全介助が必要で家族が食事介助に入るなど摂取時間に1時間程要すことがありました。
次第に食事時間が長くなり、食事摂取量が減るようになりました。食事量が半分以下の日が続く中で124様の担当のケアマネージャーより相談を受け平成31年1月よりショートステイにて長期の利用となる。
124様の御家族に協力を得ることが出来るが124様への思いが強いことがわかり、124様のケアを一緒になって取り組むようにする。
ショートステイ中にカンファレンスを実施する。

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◆BPSD(行動障害)の要因分析

(ショートステイ初日のカンファレンス)

① 口腔内に問題はないか
→ 唾液量が若干多く食物残渣が自歯についている。
  ※誤嚥性肺炎も同時に疑う
→ 口の開口が悪く、溜め込みもみられる

② パーキンソン症候群による症状が出てないか
→ 1日の中で反応が良い時と悪い時がみられたためにオンとオフを疑う

③ 食事の姿勢は正しいか
→ リクライニングを使用しているが肩から首にかけての筋肉の張りが強く、食事姿勢を統一する必要がある。

◆実施したケアと結果

①口腔内に関しては、歯科衛生士と一緒となり口腔ケアを行うことで124様の口腔内を清潔に保つことができた。(噛み合わせが悪く、残渣物が残りやすい)
  肺炎は定期検査時にご家族へ検査の依頼をする。検査後、誤嚥性肺炎はない。
  開口と飲み込みに関しては毎食前にアイスマッサージを実施する。発語を促す関わりなども同時に行う。
  実施して3週間程で、開口が実施前と比べて大きく変化がみられる。発語もしっかり出るようになる。また、唾液の量の改善がみられ口腔内の状態も安定している。
  食事量は1ヶ月程で毎食全量食べられる日が多くなる。

②パーキンソン症候群による症状は、ショートステイ中にオフの時間が出ているのがわかる。食事時間の前に反応が弱いこともあり、食事を食べられる様子ではなかったため、食事時間をずらし介助を実施する。
  取り組み当初は食事摂取時間に1時間程必要としていたが、3週間ほどで40分程で摂取できるようになる。
  ご家族との関わりの中で服薬を変更するまでのアプローチが難しかったため、オフの時間をさける時間差での対応を行う。

③食事の姿勢について、肩から首の張りが強くみられることから張りを和らげるために食前にマッサージを行う。また、顔が上を向くことがあるために背中からクッションを入れる。そうすると目線がまっすぐ向くようになる。
  首の張りの確認を行いながら角度をみる。ショートステイ利用前に比べ、5~10度程下げての状態が安定している。


以上3点のケアを行うことで124様は2ヶ月で体重が3kg増えました。
食事量も全体的に上がり124様が大好きである「たこ焼き」も食べる事ができました。


今回のケースでは、アイスマッサージをていねいに行い、長期的な目線で取り組みを実施した結果、口を開けて食べるという機能が戻り124様の体重減少を止めることができました。改めて介護の力はすばらしいと思える事例でした。

   
(特別養護老人ホーム 明治清流苑 相談員 平山 敦士)

次回は9月11日(水)大分県国東市むさし苑さんです。宜しくお願いします

※関連記事

♦毎週水曜日連載『全国高齢者ケア研究会先進事例レポート 認知症ケース 第123回 2日間起きて、2日間眠ってしまう101歳女性のケース』(東京都 足立区 特別養護老人ホーム千住桜花苑)

◆かかりつけ医のためのBPSDに対応する向精神薬使用ガイドライン(第2版)が発表されました。

◆認知症カンファレンスシートV27になりました。確認しダウンロードしてお使いください。

 

2019年9月 2日

毎週月曜日連載『ハピネスオブライフ~暮らしの楽しみを求めて~』 第308回『笑顔でつながる夏祭り』羽衣地域福祉サービスセンター

全国高齢者ケア研究会では、「ハピネス オブ ライフ(HOL=Happiness of life)」をケアの目的の一つとして提案しています。

利用者の笑顔のある暮らし、喜びを感じられる毎日を「積極的に」つくりだすケアのことです。

 入居者の痛みや苦しみをやわらげおだやかに暮らしていただくことをめざす「平穏ケア」と「ハピネス オブ ライフ(HOL=Happiness of life)」が、ケアの目的だと考えています。
 毎週月曜日に全国高齢者ケア研究会のメンバーで行われている「ハピネス オブ ライフ(HOL=Happiness of life)」の取り組みを紹介していきます。
 各施設は「ハピネス オブ ライフ(HOL=Happiness of life)」を目標に、お年寄りが、「穏やかでそして笑顔で」暮らしていただけるよう取り組んでいます。

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東京都立川市にある羽衣地域福祉サービスセンターでは毎月行事企画を実施しており、ご利用者に季節を感じていただけるよう取り組んでいます。その中で今回は夏の暑さに負けない位、熱く盛り上がった夏祭りの様子をご紹介します。

希望者には着付けのボランティアさんの協力で、浴衣美人に大変身!

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昔よく着ていたという浴衣を持参されたAさんとBさん。
「久しぶりに着れて嬉しい!」「一人じゃもう着れないから」と袖を通しながら、はしゃいでいらっしゃいました。実にお似合いです!

活動室に準備した屋台の数々…ミニフランクフルト・かき氷にゲーム…

わたしたちの法人で好評のビールにみえるリンゴとミルクを材料としたゼリーは、今回も大人気!「美味しい〜酔っぱらっちゃうかも!
?」とCさんから陽気な台詞が飛び出します。

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「綿あめなんて、子供の頃以来だな〜」と子供に戻った様に、かぶりつくDさんとEさん!
Fさんは「あっという間に食べちゃった!」とカメラにポーズ。


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ヨーヨー釣りに挑戦中のGさんは真剣そのもの!!やっと釣れて満足気です。

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「うちのお父さんが、元気に神輿を担いでいるのには驚いた!」と一緒に参加されたご家族がびっくりされるほどの立川っ子の熱い魂を呼び起こされたご様子のHさん。

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行事には、近隣地域に住んでいらっしゃるボランティアの皆さん、同じ建物内にある居宅のケアマネ職員・包括の職員、同法人に併設している学童保育所の子供たちが手伝いに来てくださり、大変活気のある行事となりました!

今後も利用者、職員、地域の方々が笑顔で溢れる活動に取り組んでいきたいと思います。


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次回は、9月9日、フロイデ総合在宅サポートセンターひたちなかさんです。よろしくお願いします。

(東京都 羽衣地域福祉サービスセンター 生活相談員 本間直人)

※関連記事

毎週月曜日連載『ハピネスオブライフ~暮らしの楽しみを求めて~』 第307回『ここぞとばかりに』フェローホームズデイサービスセンター

 

2019年8月31日

◆愛媛の旅 その4 深い森に囲まれた清流、滑床渓谷

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 愛媛県宇和島市から車で50分くらいのところにある滑床渓谷を散策してきました。

 渓谷の景色は屋久島に似ています。

 高さ数メートルもある巨岩が転がり、ところどころ岩盤がむきだしになって、ダイナミックな景色です。

 水は透き通り、浅瀬では川床がくっきり見えます。

 魚もたくさん泳いでいました。

 新緑の季節だったので、深い森に包まれた渓谷はひっそりとした静けさが漂っていました。

 歩きやすい遊歩道が整備されています。

 1時間ほど歩くと、日本の滝百選に選ばれた「雪輪の滝」があります。

 水量が少なければ、滝のすぐ下までいけます。

 幅20メートル岩盤が長さ300メートルにわたってゆるやかに傾斜してできた滝です。

 すばらしい渓流散歩でした。

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 (泉田照雄)

※関連記事

◆アルペンルート横断中 その1  落差日本一の称名滝

2019年8月30日

毎週金曜日連載「私たちがやりたいケア 介護の知識50Ver3」 第56回~つかまって何とか立位がとれる利用者のトランスファーの留意点~

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デイサービスで人気のアクティビティ「ハーバリウム」

 

 高齢者は身体を動かさずにいると筋力が低下し、ADLが低下していきます。安定して歩行ができていた方が、入院中に2週間身体を動かさずにいたことで、筋力が約半分にまで低下しました。そのくらい急激な筋力の低下が起こる場合があります。今回は、下肢筋力が低下し、つかまって何とか立位がとれる利用者のトランスファーの留意点を紹介します。

 

1、立ち上がるための準備

 第22回のテキスト「座位から立ち上がるときの介助のポイント」でも紹介しましたが、立ち上がるためには「準備姿勢」を作ることが第一です。横から見ると大腿部の2分の13分の1くらいしか座面に乗っていません。踵は膝よりも後ろに位置します。踵が浮いてしまうと体重が足底全体にかからないので注意してください。そして体幹を前屈させ、体重を足底全体にかけることで立ち上がるための姿勢ができあがります。

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2、座位環境の確認

 使用している車椅子やベッドや椅子の高さは踵が浮いてしまわないか? 膝を引くことができる空間があるか? を確認し、改善が必要であれば、小型の車椅子へ変更したり、高さの調整できるベッドへ変更したり、椅子の脚を切るなどで対応します。低すぎる椅子も立ち上がりを困難にするため、木材等で補高します。

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3、体幹前屈ができる環境の確認

 踵を膝よりも後ろに引き、踵が浮かずに体重が足底全体にかかる環境ができたら、体幹を前屈できる環境を作ります。手すりを把持するだけで立ち上がり動作ができる場合は、適切な位置に手すりを設置します。さまざまなタイプの手すりが開発されているので、福祉用具業者といろいろ試しながら把持しやすい手すり、体幹前屈が容易にできる位置を選定してください。

 また、手すりだけでは立ち上がることが困難な場合は、前腕支持型の座位姿勢補助具を使用します。広い面で身体を支えるため、安定感があります。トイレで使用すると、安定して座ることができるようになり、常時見守りをしなくてもいいケースでは、プライバシーに配慮した排泄介助ができます。トイレで使用する前腕支持型の器具には、ファンレストテーブル、踏ん張るくんなどがあります。研修でスタッフが体験してみることをおすすめします。足の力をほとんど使っていないことを体感できます。今まで2人介助であった方を一人で介助ができることがあります。職員の腰痛防止にもつながります。

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4、立ち上がり介助のポイント

 介助は後方からが基本。踵は膝よりも後ろに位置し、踵が浮かないように注意。そして体幹を前屈させ、体重を足底全体にかけることで立ち上がるための「準備姿勢」を作ってから介助を開始します。

 

① 体幹を前屈し頭を下げる。

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② 手すりやテーブルを把持し、重心を殿部から足部へ移動する。
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③ 介助する部位は、骨盤や体幹の骨部分を支持すると安定する。
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5、全介助にせず、下肢の筋肉の動きを確認しながら行う

 尖足(せんそく)や、骨折後の安静など脚に負担をかけることに問題のある方以外は、足を床につけてもらい、わずかでも筋力を使っていただきます。そうすることで、筋力の維持、拘縮の予防、覚醒の促しを期待できます。

 

6、声かけが肝心

 北海道美瑛町の美瑛慈光園の安倍信一理事長は「トランスファーや入浴は本人と介助者の協同作業」と話しています。「今からイスに移りますよ」「イチニのサンで立ち上がってくださいね」など、ていねいに声をかけて気持ちを合わせます。利用者の「身体が動かなくとも、心を動かす」ようにしましょう。

 

7、決してズボンを持ち上げない

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ありがちな方法ですが、ズボンを持ち上げられることは不快以外の何ものでもありません。足が浮き上がり、重心バランスが崩れるため、転倒の危険もあります。

 

8、座位から座位への移動介助のポイント

 つかまって何とか立位がとれる方の移乗で最も頻度が多いのは、座位から座位への移動です。移乗場面においては、完全に立位姿勢を作らなくても、「中腰姿勢」で移乗することができます。

 

① 座面の前方へ座る。

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② 右手で車椅子の右側のアームサポートを持ち、左手で椅子の左側の肘掛けを持つ。

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③ 左足を1歩前に出す。「移った後の足のポジション」に近づけることがポイント。
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④ 右足を1歩引く。
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⑤ 利用者の体を後方から介助する。介助する部位は、骨盤や体幹の骨部分を支持すると安定する。
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⑥ 車椅子のフットレストやアームレストに体が当たる場合は、取り外して移乗介助を行う。
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9、膝折れなどがある場合は、介助者のひざや手でブロックする

 筋力の低下により、膝折れなどがある場合は、膝関節を抑えることで、膝折れを予防します。膝をおさえるのは、介助者の膝、手、お腹など、利用者の身体の大きさや介助方法により変えます。

① 例)左片麻痺で膝折れが起きる場合の介助方法。
立ち上がるための「準備姿勢」を作り、右足を1歩前に出し、左足を1歩引き「移った後の足のポジション」に近づけ、相手の膝に自分の膝を当て、体幹を前屈する。

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② 介助者は介助終了時の自分と相手の体勢を考えて、左足は「ベッド側」へ向けベースを取る。ベースの足幅は肩幅くらいがベストですが、利用者の体格や移乗環境に合わせ調整する。
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③ 手すりを把持できる環境があり、利用者が手すりの使用方法を理解できる場合は使用する。車椅子のフットレストやアームレストに体が当たる場合は、取り外して移乗介助を行う。
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④ 手すりがない場合や、利用者が手すりの使用方法が理解できず、ケガをする可能性がある場合は、介助者の肩や体幹を抱いてもらう。P7280158

テキストのダウンロード

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次回は9月6日、りんどうの里様の「介助バーの長さの調節」です。よろしくお願いします。

 

※関連記事
~第55回 立位がとれない利用者のベッドから車椅子、車椅子から便器への移乗~

http://izumidateruo.cocolog-nifty.com/blog/2019/08/post-1dfb8d.html



北海道鷹栖町 デイサービスセンターはぴねす 理学療法士 大矢敏之 大河原和也

2019年8月28日

♦毎週水曜日連載『全国高齢者ケア研究会先進事例レポート 認知症ケース 第123回 2日間起きて、2日間眠ってしまう101歳女性のケース』(東京都 足立区 特別養護老人ホーム千住桜花苑)


全国高齢者ケア研究会に参加する各施設では、トータルケアに取り組み、先進的なケアを行っています。
このブログでは、各施設での実践事例を「全国高齢者ケア研究会先進事例レポート」として紹介しています。
毎週水曜日掲載です。
今回は東京都足立区の特別養護老人ホーム千住桜花苑からのレポートです。
2日間起きて、2日間熟睡を繰り返している101歳女性のケースです。

ケース検討は基本的にICF(国際生活機能分類、International Classification of Functioning, Disability and Health)の考え方をベースに、BPSD治療アルゴリズム(「かかりつけ医のためのBPSDに対応する向精神薬使用ガイドライン第2版」所収)に沿って行います。

**************************************************************

♦基本情報

・氏名 123様
・年齢 101歳
・性別 女性
・要介護度 要介護度5
・身長 135㎝
・体重 37.1㎏

♦既往歴  脳梗塞 右脳脳梗塞 胃潰瘍 右大腿骨頚部骨折 便秘症 鉄欠乏性貧血

♦服薬状況 ガスター10mg(胃炎・胃潰瘍治療薬) 朝・夕

♦課題
2日間起きていると、2日間眠り続けてしまうパターンが、123様のリズムなのか?身体的要因から起きている症状ではないのか?

♦経過
・平成28年5月療養型から当苑へ入所。療養型では転倒し骨折した経緯あり。認知症もあり、再事故を防ぐために身体拘束をされていた。特養入所後しばらくは転倒を繰り返していた。

・平成28年6月脳梗塞再発、29年2月一過性脳虚血発作、29年9月重度の貧血で入院、その後も小さい痙攣発作等を起こしている。

・入所の頃から不眠と長い睡眠が見られていたが、その時間の間隔が徐々に長くなり、現在は2日間起きて、2日間眠り続けてしまうというパターンになっている。

・夜間安眠し、日中覚醒できるよう、日中の活動を積極的に行う取り組みを行ったが、眠気が強い時には何を働きかけても効果が得られなかった。

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ダウンロード - no.123e6a798.pdf

♦BPSD(行動障害)の要因
不眠になっている要因を検討
①眠っている時間は食事・水分摂取が困難なため、摂取量のムラからせん妄状態となっているのではないか。
②不眠、熟睡が毎日ではないため、便秘が関係しているのではないか。
③重度の貧血で入院の経緯あり。診断名は鉄欠乏性貧血であるが、急激に重度の貧血となってしまった原因は不明。現在は改善し服薬も終了しているが、貧血が悪化し始めているのではないか?悪化まではいかなくとも、軽度の貧血から行動障害が出ているのではないか。
④胃潰瘍の既往あり。時折、枕元に一口嘔吐があるため、胃の不快感から眠れなくなっていることがあるのではないか。
⑤眠れないときは血圧が高いのではないか、もしくは変動があるのではないか。
⑥時折ヒュー音があるので、横になると苦しい時があるのではないか。

♦実施したケアと結果
①食事・水分摂取量のムラが行動障害を起こしている可能性は考えられるものの、眠っている時は摂取困難。そのため、少しでも吸収がよいように、目覚めた最初はポカリスウェットを提供。少しボーッとしていても、好きな物で食が進みように、主食は3食パン(パン粥)を提供。
→お茶よりもポカリスウェットの方が口当たりも味もよいようで、進みがよい。食事自体は衛生管理上の関係で提供時間が決まっており、123様の覚醒タイミングに合わせた提供が難しい。しかしパン粥はユニット作成しているため、覚醒したタイミングで提供できることで、摂取量ゼロという日が無くなっている。

②不眠時に便が滞っている傾向もあり、排便対応を見直した。
a.今までは未排便5日目に座薬対応となっていたが、看護師と相談し、1日早く4日目で対応することとした。
b.座薬という薬を頼らずに自然な排便を促せるよう、ヨーグルト+オリゴ糖+牛乳で飲むヨーグルトを作成し、飲んでいただいた。
c.腹部にホットタオル使用し、温めること、腹部マッサージも取り入れた。
→未排便4日目でしっかりと排便を促すことができている。(3日目では便が下りてこない事も把握できた)

③貧血フォロー採血を3か月ごとに実施している。今年1月に数値が良好ということと、必要以上に薬の服用を続けると肝臓に蓄積してしまい、十分な効果が得られなくなることもあると医師より話があり、フェロミアの使用が終了した。
→3か月前 Hb:10.9  Fe:59    現在 Hb:10.0  Fe:64  経過良好
→経過は良好であるが、食品でも補えるよう黒ゴマきな粉をパンにかけて提供している。

④時折一口嘔吐をするということから、1回の食事量が多いと考え、覚醒がよい日も提供量は3分の2量とした。また、脂っこいものは量を調整して提供(油物を減らす替わりにサラダなどは全量で提供するなど)
→現在嘔吐は見られず。

⑤血圧高値や変動を考え、不眠時、眠り続けてしまう時の血圧を測定するが、関連性はない。変動もなかった。

⑥ヒュー音に対して
 a.肺音確認 →異常なし。
  b.横になっている時と起きている時のSPO2を測定。  →変化なし。
  c.ベッド臥床時頭部12度アップで対応。 →現在ヒュー音なし。


上記のように対応し、1つ1つ解決してきましたが、2日間サイクルは続いている状態です。

しかし、起きている時にはしっかり食事・水分が摂れ、体調も崩さずに過ごすことができています。上記のような対応をしてきたことや101歳という年齢から考えても、今はこれが123様の生活リズムではないかと考えています。

高齢になってくると、1日が24時間の生活リズムなくなることもあると聞きますが、年だからとか、これがリズムだとか最初から決めつけず、何か要因があるのではないかと、多職種で検討することが必要だと改めて感じました。

101歳と高齢ですので(ブログがアップされる頃には102歳になります。)小さな体調変化を見逃さず、丁寧なケアを行い、穏やかで幸せな時間が過ごせるように努めていきたいと思います。

(特別養護老人ホーム 千住桜花苑 中山栄理子)

次回は明治清流苑さんです。宜しくお願いします。

※関連記事
◆毎週水曜日連載「全国高齢者ケア研究会先進事例レポート」認知症ケース第122回 歌のような独り言と手拍子を繰り返す方の代替行動を探っているケース(北海道美瑛町 美瑛慈光園)
◆かかりつけ医のためのBPSDに対応する向精神薬使用ガイドライン(第2版)が発表されました。
◆認知症カンファレンスシートV27になりました。確認しダウンロードしてお使いください。

2019年8月27日

◆「全国高齢者ケア研究会 先進事例レポート 認知症ケース」番外編その2 ~先進事例レポート認知症ケース インデックス~

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北海道はお盆を過ぎると、涼しい秋風に変わります。

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先進事例レポート 番外編 その2 です。

高齢者ケア研究会の各施設のご協力をいただきながら、「全国高齢者ケア研究会 先進事例レポート 認知症ケース」は120回を超えました。

4年前の連載スタート時期から今日に至るまで、認知症のBPSDに対する考え方や慢性便秘症のガイドラインの発表、新薬の登場など、めまぐるしく変化しています。そうした中で研究会の各施設は、これまでの実践経験と最新の知識や技術を学び、取り入れながら実践し取り組んでいます。
そして、先進事例レポートは、それらの取り組みをこのブログを読んでいただいている各施設のみなさんと共有するために発信させていただいています。

過去120回を超えるレポートは膨大な情報量で、一冊の本になるほどです。

というわけで、今回は過去の記事のインデックス(索引)を提供します。

インデックスは周辺症状ごとに抽出できるようにしました。

例えば、自施設の入居者に「イライラと暴力行為に困っている」という課題があれば、同様の周辺症状に取り組んだ施設のレポートを抽出し、そのページにジャンプできるようにしています。

各施設の取り組みは、自分たちのケアの新たな引き出しとなります。

ぜひ、ご活用ください。

インデックスのイメージ→ ダウンロード - 201908e58588e980b2e4ba8be4be8be383ace3839de383bce38388index.xlsx

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記事掲載にご協力いただいている皆さん、いつも、本当にありがとうございます。

(北海道鷹栖町 ぬくもりの家えん 尾上 健介)

※関連記事
◆毎週水曜日連載「全国高齢者ケア研究会 先進事例レポート」番外編 ~前頭側頭型の認知症の周辺症状に対する代替行動の実践事例集~
◆かかりつけ医のためのBPSDに対応する向精神薬使用ガイドライン(第2版)が発表されました。
◆認知症カンファレンスシートV27になりました。確認しダウンロードしてお使いください。

2019年8月26日

毎週月曜日連載『ハピネスオブライフ~暮らしの楽しみを求めて~』 第307回『ここぞとばかりに』フェローホームズデイサービスセンター

全国高齢者ケア研究会では、「ハピネス オブ ライフ(HOL=Happiness of life)」をケアの目的の一つとして提案しています。

利用者の笑顔のある暮らし、喜びを感じられる毎日を「積極的に」つくりだすケアのことです。

 入居者の痛みや苦しみをやわらげおだやかに暮らしていただくことをめざす「平穏ケア」と「ハピネス オブ ライフ(HOL=Happiness of life)」が、ケアの目的だと考えています。
 毎週月曜日に全国高齢者ケア研究会のメンバーで行われている「ハピネス オブ ライフ(HOL=Happiness of life)」の取り組みを紹介していきます。
 各施設は「ハピネス オブ ライフ(HOL=Happiness of life)」を目標に、お年寄りが、「穏やかでそして笑顔で」暮らしていただけるよう取り組んでいます。

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東京都立川市にあるフェローホームズデイサービスセンターでは、毎月2~4回の外出企画を実施し、ご利用者の心がワクワクするような楽しみ作りに取り組んでいます。その中で今回、ご利用者の「お風呂のふたを買いたいのよね」という言葉から始まった珍道中をご紹介します。

 

行き先はホームセンター。ご利用者Aさん、Bさん、私の3人で、準備をしてさあ出発!

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15分程で到着して、店内に入るとお目当ての一つが早速見つかりました。

Aさんは「夜が暑くてね~、広告であったひんやりする敷布団がほしいのよ。」と、息子様の分も合わせて2つカゴにいれます。

次にあったのが一番のお目当てのお風呂のふた。「今使っているのが溝が細かくて掃除しにくいから、溝が少ない折り畳みタイプが良いのよ。」と言って、自宅で測ってきたふたのサイズのメモを取り出し、好みの色を選んでカゴにいれます。

そして近くにあったすべり止めマットを見て「あ~これも欲しかったんだ。」とカゴへ。

店内を進むと、Aさんが寝具コーナーで足を止め、「そういえば掛布団カバーも欲しかったのよ。」と、Bさんも協力してあちらこちらへ歩き回り、お気に入りの柄を見つけてカゴへいれます。

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一方Bさんは「庭の草花の水やりにちょうど良いホースがほしい。」と園芸コーナーへ行きました。

広い店内を進み、やっと園芸コーナーに到着。

ホースを探していると、Bさんが「ホースの口のサイズを測ってくるの忘れてたわ。」と言って、少し考え「こーなったら感覚で。」と、見た目と記憶を頼りに「これでいいわ。」とフィーリングでホースを選びカゴへいれました。

ついでに除草剤も購入。

 

ちなみに私はデイサービスの送迎用に傘5本を購入しました。

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お二人とも「ここぞとばかりに」買いたいものを買え、満足されたご様子でした。正に爆買いです。また、広い店内を散策する姿はとても活き活きと見えました。

今回の外出では、ご利用者のご自宅の生活がイメージできるような生活感あふれる企画となりました。今後もご利用者が笑顔で暮らしていただけるような企画に取り組んでいきたいと思います。

 

次回は、9月2日、立川市羽衣地域福祉サービスセンターさんです。よろしくお願いします。

(東京都 フェローホームズデイサービスセンター 生活相談員 和田恭介)

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毎週月曜日掲載『ハピネスオブライフ~暮らしの楽しみを求めて~』第306回『ピザをたべよう』デイサービスガリラヤ久米

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