2017年7月25日

◆毎週水曜日連載『全国高齢者ケア研究会先進事例レポート 認知症ケース第39回 不穏状態が減少してくることにより、前頭側頭葉型認知症の「被影響性の亢進」があることがわかり、前頭側頭葉型認知症の状態にあったケアをすることで不穏がさらに少なくなった方のケース(大分県 鈴鳴荘)』

全国高齢者ケア研究会に参加する各施設では、トータルケアに取り組み、先進的なケアを行っています。

このブログでは、各施設での実践事例を「全国高齢者ケア研究会先進事例レポート」として紹介しています。

毎週水曜日掲載です。

今回は大分県国東市の特別養護老人ホーム鈴鳴荘からのレポートです。

不眠状態が出現した方の改善ケースについての報告です。

ケース検討は、基本的にICF(国際生活機能分類、International Classification of functioning Disability and Heaith)の考え方をベースに、BPSD治療アルゴリズム(「かかりつけ医のためのBPSDに対応する向精神薬使用ガイドライン第2版」所収)に沿って行っています。

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◆基本情報

・氏名 39様

・年齢 93歳

・性別 女性

・要介護度 4

・身長 145cm

・体重 57.5kg

・BMI 27.3

・既往歴 アルツハイマー型認知症、脳梗塞、慢性気管支炎、高脂血症

・服薬
テプレノンカプセル50mg 朝昼夕(胃薬)
トリメブチンマレイン酸塩錠100mg 朝昼夕 (整腸剤)
ドネペジル塩酸塩OD錠5mg 朝 (認知症)
バイアスピリン錠100mg 朝 (抗血栓)
ピタバスタチンCa・OD錠1mg 朝 (コレステロール)
アンブロキソール塩酸塩錠15mg 朝 (痰きり)
S・M配合散 朝昼夕 (胃薬)
アムロジピン錠5mg (降圧剤)

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「39.pdf」をダウンロード



◆課題

①不穏

②多動

③強い帰宅願望

◆経過

平成20年より、地域密着型特養へ入所。

時折眠れない日があることはありましたが、問題なく過ごされていました。

1年ほど前に夜間不眠が出現。カンファレンスの結果、水分不足では?となり摂取量の増加によって改善。

平成29年4月から、不眠だけではなく強い帰宅願望、不穏状態からくる多動などから、ご利用者同士のトラブルが起きてきました。

◆BPSD(行動障害)の要因

①不穏状態について

a時期的なことはあるのか?

b高血圧からくる不穏ではないか?

c脱水からくる不穏ではないか?

②多動について
③強い帰宅願望について

帰宅願望が強くなるにつれ、出口を探すために他の居室に入られたり、いきなり立ち上がったりされ、転倒のリスクも出てきた。

食事時に暴言が出ることが多くなってきた。


◆検討したケア内容・実施したケア内容・結果

①不穏状態について

a過去3年間の記録の見直しを行った。たしかに不眠状態が時折出るのが、4月頃であったが、長く続くことはなく、時期的なものはないのでは?となった。

b高血圧の既往があることから、落ち着いているときと不穏状態の血圧の測定を行った。
どちらともに変動はなく120前後での推移であった。

c皮膚状態などでの脱水は確認できなかったが、依然と同じく、3月から水分摂取量が平均して100ccほどの減少が見られたため、水分補給の増加を図った。

食事時のお汁の摂取量も落ちていたため、39様が持ちやすい取っ手付きのコップでの提供を行ったところ、3割ほどの摂取が全量食べられるようになってきた。

②多動について
③強い帰宅願望

不穏状態の改善を水分で図っていたところ、徐々に頻度が少なくなってきた。
5月の末にはほぼ改善が見えてきた。

しかし、不穏状態の減少から、ある一定の条件時の不穏が残っていることに気がつきました。

a行事後の不穏

b食事の他のご利用者に対しての暴言

上記の2点が不穏状態が減ってきたことにより浮き彫りになってきた。

さらに認知症カンファレンスを行い、前頭側頭葉型認知症の”被影響性の亢進”が出現しているのではないか?と仮説を立てました。

今は食事での場所などの固定を行い、行事の参加は39様が喜んでいただけるため、参加を前提に職員が行事後にしっかりとかかわりを持つ必要があることを徹底しています。

上記の対応を行うことにより、不穏状態はさらに減らすことができました。

不穏状態がなくなっているわけではありませんが、成果が出ています。

不穏状態が改善、減少していくことで、隠れていた要因が表れることを学びました。

この経験を生かして、ご利用者が安心して過ごせ、HOLにつながる活動につなげていきたいと思います。

(特別養護老人ホーム 鈴鳴荘  藤原 広人)

次回は8月2日北海道 美瑛慈光園さんです。どうぞよろしくお願いいたします。

◆毎週水曜日連載 『全国高齢者ケア研究会先進事例レポート』 第38回 食事の吐き出しの改善と便秘・弄便に対してスッキリ排便をしていただけるために取り組んでいるケース (北海道 鷹栖町 特別養護老人ホーム 鷹栖さつき苑)

◆認知症カンファレンスシートがV24になりました。ダウンロードしてお使いください。

◆かかりつけ医のためのBPSDに対応する向精神薬使用ガイドライン(第2版)が発表されました。

◆伴走型ケアマネジメント「活き活きはぴねすプラン」の取り組み~おとしよりの笑顔が介護の原点~

平成25年度から、社会福祉法人さつき会の居宅介護支援事業所では、ケアマネジャーがより利用者の近くに寄り添いながら「活きる」(元気)を創るためのマネジメントと支援を行っています。

別名「活き活きはぴねすプラン」です。

ケアマネジャーが担当者の、元気と笑顔が見られるためのプランを立てて、ケアマネジャー自身が支援者となり、積極的に外出支援を行っています。

どこに行きたいか、誰と会いたいか、何を見たいか、誰と行くか等々、一つひとつ聞きながら、できるだけ利用者の希望に添った計画を立て、一人ひとりの願いに応えています。

今回はYさんの「活き活きはぴねすプラン」を紹介します。

Yさん(88歳・要介護1)は歩くことに不安があり、外出を諦めていましたが、現在は週2回のデイサービスの利用で少しずつ自信と笑顔を取り戻されています。

そんな中、少しでも地域住民の繋がりを持って頂きたくYさんにてくてく朝市へお誘いしました。

Yさんは「町内にずっと住んでいるのに、そういうところがあったの?知らなかったわ」と話されたものの、当初は「歩けないのに、迷惑かけるから」となかなか一歩踏み出せずにいました。

Yさんが安心できるように何度かコミュニケーションを重ねると、Yさんから「やっぱり行ってみようかしら、お願いできる?」とのお返事を頂きました。

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7月8日(土)晴天の中、てくてく朝市の初日を迎えました。

懐かしい知り合いに会って手を取って再会を喜んだり、気に入ったバックや洋服を見つけたり、新鮮野菜もたくさん購入しました。

「ここで洋服まで買えると思わなかった~行くことができて良かったわ!」と喜んで下さり、その笑顔がとても印象的でした。

Yさんと一緒に楽しい時間を過ごせたことに感謝です!

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ケアマネジメントの視点からは、歩けないことに焦点を当てるのではなく、Yさんの楽しみが自信に繋がるようなマネジメントに焦点を当てることで、より前向きな気持で地域で暮らし続けられることを実感しました。

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Yさんまた、楽しいこと見つけ一緒に外出しましょうね!

鷹栖町介護センターさつき苑 主任介護支援専門員 伊賀 あけみ

※関連記事

◆「第9回全国高齢者ケア研究会in茨城」(2013年8月31日〜9月1日)。見どころ紹介3 地域包括ケアに必要な新しいケアマネジメント「伴走型ケアマネジメント」の実践をはじめて紹介!

◆伴走型ケアマネジメント「活き活きはぴねすプラン」の取り組み~お年寄りの笑顔が介護の原点~

2017年7月24日

♦毎週月曜日連載「ハピネスオブライフ~暮らしの楽しさを求めて~」 第208回 「毎年恒例 旭川買い物会」(北海道 上川町特別養護老人ホーム 大雪荘)

 全国高齢者ケア研究会では、「ハピネス オブ ライフハピネス(HOL=Happiness of life)」をケアの目的の一つとして提案しています。

 利用者の笑顔のある暮らし、喜びを感じられる毎日を「積極的」につくりだすケアの事です。

 全国高齢者ケア研究会では、入居者の痛みや苦しみをやわらげおだやかに暮らして頂くことをめざす「平穏ケア」と、「ハピネス オブ ライフハピネス(HOL=Happiness of life)」が、ケアの目的だと考えています。

 毎週月曜日に全国高齢者ケア研究会のメンバーで行われている「ハピネス オブ ライフハピネス(HOL=Happiness of life)」の取り組みを紹介していきます。

 各施設は「ハピネス オブ ライフハピネス(HOL=Happiness of life)」を目標に、お年寄りが、「「穏やかでそして笑顔で」暮らして頂けるよう取り組んでいます。

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 今回は、ご入居者にとって毎度おなじみの行事となっている「旭川買い物会」をご紹介します。

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 大雪荘ではユニット毎で行事を企画し、様々な行事を行いますが、企画倒れや、天候などによって、行事を中止しなくてはいけない事もよく有ります💦

 しかし、旭川市への外出行事「旭川買い物会」は必ず毎年行っています。

 目的地である旭川市のショッピングモールまでは、約1時間。

 上川町は総人口3,732名の小さな町ですから、大型のショッピングモール等は、旭川市まで行かないとありません💦

 1時間かけて、旭川までの買い物行事は、今や大雪荘のメインイベントとなっており、ご入居者はこの行事を大変楽しみにして下さっています。

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 ちなみに、同じ管内のさつき苑さんは、同じショッピングモールまで15分‼ 羨ましいです😢

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 上川町から一緒に施設のバスに乗り参加して頂くご家族や、旭川市に在住のご家族は、現地で集合して頂き、限られた時間ではありますが、ご入居者と共にショッピングや、昼食を楽しんで頂きます。

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 どこででも行われているごく普通の外出行事ではありますが、職員もこの行事を大切にしています。

 ご入居者の中には、億劫であっても「買い物会に行きたいから」と日頃より機能訓練を頑張ってくれる方もいます。

 また、食事が進まない時などに買い物会の話をすると「じゃあもう少し食べようかな」など、ご入居者の頑張りを後押ししてくれる行事でもあり、日常の生活の中にもかけがえのないものになっています。

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 写真のNさん、今年で11回目の行事参加となりました。皆勤賞です‼‼
 いくつになっても女性はショッピングが大好き!

 ごく普通で、当たり前の暮らしの中にある笑顔。

 これからも大切にしていきたいと思います。


 次回は4月31日 上士幌すずらん荘さんです。

 よろしくお願いします。

 (上川町特別養護老人ホーム大雪荘 生活相談員 落合 雅俊)

 
 ※関連記事
 ◆毎週月曜日掲載「ハピネスオブライフ~暮らしの楽しみを求めて~」第207回[自宅でたしなむ外でのお茶会」(特別養護老人ホーム鈴鳴荘・大分県国東市)

2017年7月22日

◆だいたい毎週土曜日掲載 今週のどうぶつ 福岡博多で見かけた「ホタルガ」。

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 年に20回くらい仕事で福岡博多へ行きます。

 たいていは日帰りです。

 タクシーを降りたら、変わった模様の蛾が木にとまっていました。

 頭が蛍のように赤くなっているから、ホタルガというんだそうです。

 頭の赤色もそうですが、羽の白い線もソリッドな感じがします。

 しばらくじっと見つめてしまいました。

(泉田照雄)

※関連記事

◆だいたい毎週土曜日掲載 今週のどうぶつ 金色に輝くさなぎ オオゴマダラ フラワーパークかごしま(鹿児島県指宿市)

2017年7月21日

◆認知症カンファレンスシートがV24になりました。ダウンロードしてお使いください。

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 認知症カンファレンスシートがV24になりました。

 アルツハイマー病の薬を商品名から一般名に変更しました。

 また、前頭側頭葉変性症を前頭側頭葉型に、脳血管型を脳血管性に変更しました。

 新しいシートは下記からダウンロードしてください。

「v24.xls」をダウンロード

(泉田照雄)

※関連記事

このケース報告は素晴らしいです。↓

◆毎週水曜日連載『全国高齢者ケア研究会先進事例レポート 認知症ケース 第36回 日中(午前)活気がなく傾眠がちだった方が活動的に過ごせるようになったケース(北海道網走市 特別養護老人ホーム レインボーハイツ)』

2017年7月20日

◆毎月20日掲載 第177回 『高齢者のためのおいしいソフト食』 「蒸しなすの練りごま和え」 特別養護老人ホーム 鈴鳴荘 大分県国東市

menu

・ 七夕そうめん

・ 豚肉と厚揚げの煮物

・ 蒸しなすの練りごま和え

・ 手作りミルクプリンオレンジソース

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蒸しなすの練りごま和え



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-材料-(1人分)

なす        40g

出し汁       20g

練りごま(白)   5g

砂糖        1g

薄口醤油     1.5g

塩          0.1g



-作り方-

① なすは皮をむいて実と皮を分けてスチームコンベクションオーブンでやわらかく蒸しておく。

② 実と皮を別々にだし汁を入れてミキサーにかける。

③ ②の重量を計り、それぞれ1%のソフティアGを入れて火にかけ85℃以上になるまで加熱する。

④ 実の部分から先に流し缶に入れ、固まってから皮の部分を入れて冷やし固める。

⑤ 固まった④を乱切りにして、練りごま、砂糖、薄口醤油、塩を合わせた和え衣と混ぜ合わせ、器に盛る。



ワンポイント

上の飾りは枝豆です。塩ゆでした枝豆をだし汁とミキサーにかけて、1%のソフティアGを入れてから加熱し、固めています。


特別養護老人ホーム 鈴鳴荘   栄養課  榎田 真弓

 

2017年7月19日

◆毎週水曜日連載 『全国高齢者ケア研究会先進事例レポート』 第38回 食事の吐き出しの改善と便秘・弄便に対してスッキリ排便をしていただけるために取り組んでいるケース (北海道 鷹栖町 特別養護老人ホーム 鷹栖さつき苑)

全国高齢者ケア研究会に参加する各施設では、トータルケアに取り組み、先進的なケアを行っています。
このブログでは、各施設での実践事例を「全国高齢者ケア研究会先進事例レポート」として紹介しています。
毎週水曜日掲載です。
今回は北海道鷹栖町の特別養護老人鷹栖さつき苑からのレポートです。
食事の吐き出しがあり、体重減少がみられていたが食事姿勢の改善・食事の提示方法を見直し改善され、また現在便秘・弄便に対しての取り組んでいるケースの報告です。
ケース検討は、基本的にICF(国際生活機能分類、International Classification of Functioning , Disability and Health)の考え方をベースに、BPSD治療アルゴリズム(「かかりつけ医のためのBPSDに対応する向精神薬使用ガイドライン第2版」所収)に沿って行っています

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◆基本情報 

 氏名 
38
 年齢 88
 性別 女性
 要介護度 要介護5
 身長 137cm
 体重 40.1kg
  既往歴 左大腿部頸部骨折、左上腕骨外側頸部骨折、第一腰椎圧迫骨折、胆管炎、胆石、膵炎、総胆管結石

 現病歴 認知症、食道裂孔ヘルニア、脳内出血後遺症、高血圧

服薬状況 バイアスピリン腸溶錠100mg(抗血栓)1日1

         ニフェジピンL錠10mg(降圧剤)1日2

ウルソデオキシコール酸錠100mg(胆道系)1日3

グリマック配合顆粒(胃薬)13

ロキソプロフェン錠50na錠60mg(痛み止め)1日1

センノシド錠12mg(刺激性下剤)11回

 

◆課題

1)食事摂取量の低下と体重減少

2)便秘

3) 弄便(1カ月に2回)


◆経過

・H29年3月より入居。
さつき苑入居前の施設では食事が摂れず平均2割程度だった。

さつき苑入居後すぐは3割程度だったが、徐々に食事量があがる(平均5割から8割)が、入居から現在(6月当初)までに45.2kg→40.1kgと-5.1kgの体重減少が見られている。

また、排便に関しては骨折の兼ね合いもありパット内排泄となっており、排便感覚は-2日から-9日で中等量の固い排便あり、うち弄便は月に2回ほど見られていた。

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「v23_38.jpg」をダウンロード


◆BPSDの要因分析

①食事量低下と体重減少について


a)スプーンで口に運ぶときに食べこぼしが見られる。


b)一度口に入れても、「にがい」・「おいしくない」等とタオルで拭って吐き出されることがある。


c)「腰が痛い」と食事に集中できなくなることがある。



d)便秘傾向であり、お腹がはって食事量低下につながっているかもしれない。

②便秘

a)活動量が少ないため腸の動きが悪くなっているのではないか?

b)水分と食事もとれていないことから消化管内容物の減少があるのではないか?

c) トイレに座っていないため、しっかりと腹圧をかけられていない直腸性の便秘ではないかと仮説を立てる。


③弄便


a)便がすっきりと出きらず、不快感が弄便行為につながっている。

◆検討・実施したケア


①食事量低下と体重減少について


a)食事姿勢が崩れやすい、口に運ぶまでこぼしてしまう。
→ナース、栄養士とミールラウンドを行う。入居当初は左上腕骨骨折による安静中だったためリクライニング車いすを使用していた。リクライニング車いす使用により、食事との距離が遠く、姿勢も傾きが目立っていたため食べこぼしにつながったのではないか。通常の車いすへ変更。姿勢の改善を図った。

b)「おいしくない」「にがい」等の言葉があることから、味覚減退または味覚異常を疑う。

→味覚異常の要因として貧血ではないかと仮説を立てる。血液検査を確認。貧血はなし。

→味覚の減退を仮説として考える。甘いものを好まれているため、まずオリゴ糖をスプーンにつけ、甘味をつけて食事を召し上がっていただく。すすみがよく、平均10割召し上がっていただけるように改善する。
味覚異常につながる内服薬としてニフェジピンがあることを確認していたが、上記のケアで状態が改善されたため、食事量減少の要因ではないと考える。


c)腰の痛みについては、腰椎圧迫骨折の既往と胆石症からくるのもではないか?
→胆石は手術したということしか把握していなかったため病院と家族へ確認。石は取ったが取り切れず、2~3個残っていることを確認。また、腰の痛みについては胆石症になるずっと以前からあったと家族より情報を得る。

→麻痺があるため姿勢が崩れやすく、余計に腰に負担がかかっているのではないかと考えクッションの使用とこまめな座り直しを徹底する。最近では腰が痛いというのはまれになっており、食事にも集中できている様子。


体重については、ここ2カ月は横ばいで推移。食事摂取量が改善してきたので、本人の状態、血液検査のデータを見ながら経過を観察していく。

②便秘について


a)活動量が少ないため腸の動きが悪くなっているのではないか?

→看護師に腸音を聴いてもらったところ動きはよい。要因とは考えられない。


b)水分と食事もとれていないことから消化管内容物の減少があるのではないか?
→上記①の食事量のアップのほか
水分量の増量(甘酒など好まれるもの)、サンファイバーの使用を検討する。


c)トイレに座っていないため、しっかりと腹圧をかけられていない直腸性の便秘が疑われる。
→移乗介助時、「足痛い!」と大きな声を出されることがあり立位が困難と考えていた。

看護師と状態を確認し家族にも確認をしたところ、不安感や恐怖感がそのような言動につながっているのではないかと仮説を立て、立位状態の確認を行った上で、本人に丁寧に説明し2名対応で7月よりトイレ誘導を実施。
事前に丁寧に説明したことで、トイレに座っていただくことができた。声掛けでいきんではいただいたが、自力での排便はできず、摘便を行ったところ多量の排泄がみられ、本人もすっきりしたと話されていた。


d)胆道系疾患の既往もあり、
そのことから便性状が固くなっているのでは仮説を立てる。
→今のところ血液検査上問題はない。
胆石という既往は把握ししていたがその後の経過を把握していなかったため病院に確認。

胆石は内視鏡にて取り除いたが、まだ3~4個残っているとのこと。便秘のこととは別に再発リスクも考えられる状態であるため、出現する症状の周知を徹底して行っていく。

③弄便について


上記②の対応をすることで、便秘を改善し、弄便をなくしていく。

→6月まで1カ月に2回の弄便行為があった。4月より食事量が増加し、7月よりトイレ誘導での排泄介助を実施。

→7月18日現在、7月は弄弁行為が0回。

→②のケアの効果により、今後、弄弁行為が減るだろうと考えている。



 38様がトイレですっきりと排泄された後の表情が爽快感にあふれており、とても印象的でした。
 
これから取り組むこと今後注意して見ていかなければならないこと、検討しなければならないことがありますが、介護、看護を基本通り行い医療と連携して、38様がいつまでも食事を美味しく召し上がっていただき、スッキリと排便をしていただけるように努力を重ねていきます。

(特別養護老人ホーム 鷹栖さつき苑 主任 設楽 剛寛)

次回は7月26日大分県鈴鳴荘さんです。どうぞよろしくお願いいたします!

◆毎週水曜日連載 『全国高齢者ケア研究会先進事例レポート』 第37回 攻撃的で収集・放尿・排痰を繰り返す方が4年間かけて見違えるように穏やかな生活を送れるようになったケース (長野県上田市 特別養護老人ホーム アザレアンさなだ)

◆認知症カンファレンスシートがV23にバージョンアップしました。ダウンロードしてお使いください。

◆かかりつけ医のためのBPSDに対応する向精神薬使用ガイドライン(第2版)が発表されました。


2017年7月17日

◆毎週月曜日掲載「ハピネスオブライフ~暮らしの楽しみを求めて~」第207回[自宅でたしなむ外でのお茶会」(特別養護老人ホーム鈴鳴荘・大分県国東市)

 全国高齢者ケア研究会では、「ハピネス オブ ライフ(HOL=Happiness of life)」をケアの目的の一つとして提案しています。  

 利用者の笑顔のある暮らし、喜びを感じられる毎日を「積極的に」つくりだすケアのことです。

   全国高齢者ケア研究会では、入居者の痛みや苦しみをやわらげおだやかに暮らしていただくことをめざす「平穏ケア」と「ハピネス オブ ライフ(HOL=Happiness of life)」が、ケアの目的だと考えています。

 毎週月曜日に全国高齢者ケア研究会のメンバーで行われている「ハピネス オブ ライフ(HOL=Happiness of life)」の取り組みを紹介していきます。   

 各施設は「ハピネス オブ ライフ(HOL=Happiness of life)」を目標に、お年寄りが、「穏やかでそして笑顔で」暮らしていただけるよう取り組んでいます。

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九州北部の集中豪雨での被災されている方々に、お見舞い申し上げるとともに、いち早い復興をお祈りいたします。

国東市は甚大な被害がない地域でしたので、大丈夫でした。


今回のHOLは、自宅で行った素敵なお茶会を紹介します。

安岐の郷高橋理事長の隣人の方が入所され、そこの家のお花がきれいに咲いているのを見せたいとの提案がありました。

友達をお誘いし、3名で自宅への訪問が決まりさっそく外出ですrvcar
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美しい花々を見ながらお茶会をしましたjapanesetea
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高橋理事長手作りのお茶請けの数々lovely
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全員おいしくいただきましたconfident
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気持ちよい風も吹いており、目の前は美しい花々で最高のお茶会でしたsign03
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最後には理事長自らお土産にと筍を掘ってきてくれましたbleah
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筍だけではなく、お花も持って帰りましたnote
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お土産の筍は職員が調理して、ご利用者にふるまわれましたhappy02

旬の食材はおいしいと季節を感じていただくことが出来ましたgood

今後も第2回、3回と続けたいとの声も出ていますdelicious

ご利用者が楽しんでいただけるケアを継続していきたいと思いますsign03

次回は北海道の川上町の大雪荘さんです。

よろしくお願いいたします。

(特別養護老人ホーム 鈴鳴荘  藤原広人)

※関連記事

毎週月曜日連載「ハピネスオブライフ~暮らしの楽しみを求めて~第206回 地域の方々との繋がり 特別養護老人ホーム羊蹄ハイツ(北海道俱知安町)

2017年7月12日

◆毎週水曜日連載 『全国高齢者ケア研究会先進事例レポート』 第37回 攻撃的で収集・放尿・排痰を繰り返す方が4年間かけて見違えるように穏やかな生活を送れるようになったケース (長野県上田市 特別養護老人ホーム アザレアンさなだ)

 全国高齢者ケア研究会に参加する各施設では、トータルケアに取り組み、先進的なケアを行っています。
 このブログでは、各施設での実践事例を「全国高齢者ケア研究会先進事例レポート」として紹介しています。
 毎週水曜日掲載です。
 今回は長野県上田市の特別養護老人ホームアザレアンさなだからのレポートです。
 攻撃的で収集・放尿・排痰を繰り返す方が服薬・水分摂取量・関わり方を見直す事で穏やかな生活を送れるようになった方の報告です。
 ケース検討は、基本的にICF(国際生活機能分類、International Classification of Functioning , Disability and Health)の考え方をベースに、BPSD治療アルゴリズム(「かかりつけ医のためのBPSDに対応する向精神薬使用ガイドライン第2版」所収)に沿って行っています。
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◆基本情報
・ 氏 名  : 37様
・ 年 齢  : 86歳
・ 性 別  : 男性
・ 身 長  : 160㎝
・ 体 重  : 48.96㎏
・要介護度 : 4
・ 現 病  : アルツハイマー型認知症・腰痛(第2腰椎圧迫骨折後遺症)
・服薬状況 : チアプリド錠25㎎        朝・夕    (抗精神病薬)
          セロクエル錠25㎎        朝・就寝前 (抗精神病薬)
          メマリーOD錠20㎎       夕       (抗認知症薬)
          ロゼレム錠8㎎          就寝前    (睡眠薬)
          プレドニゾロン散「タケダ」1% 朝       (副腎皮質ステロイド)
          ネシーナ錠25㎎                  朝        (糖尿病治療薬)
          酸化マグネシウム細粒83%  毎食     (下剤)
          プルゼニド錠12㎎               朝       (下剤)

◆課 題
①唾を吐くようになった
②放尿する(洗面所)
③収集癖
④徘徊

◆経過
 平成25年6月29日サテライト型特養へ入居(平成19年 妻が行方不明となり、以後独居生活)。
 平成24年12月より認知症状が目立つようになり、平成25年1月・2月 交通事故を起こし入院となり要介護度5となる。
 入居当初は寝たきり状態であった。食事量も少なく、身長160㎝・体重40.14㎏。
 入浴拒否もあり、シャワー浴のみでのスタート。
 入居され、体重増加とともにADLも向上、独歩で歩行可能となり、それと同時に収集癖と居室の窓から隣家に向かって物を投げる行動が始まり(義歯・コーヒー・薬など)隣家から苦情がくるほどになる。
 家が隣接している東側から畑のある西側に移室し、物を投げても敷地内に落ちるよう畑との間にネットを張るが、居室を変更した途端、物を窓から投げる行為はなくなったが、攻撃的で怒りっぽくイライラして顔つきが険しくなった。





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「37.pdf」をダウンロード



◆BPSD要因の検討
①A胃腸系の負担軽減
  B服薬しているファモチジンの影響ではないか(胃酸の分泌抑制により消化力の低下)
②A水分量が多いのではないか
  B自宅のトイレが立ってする形だったのではないか(トイレの認識)
  C排便コントロールが上手くいかなくて落ち着かず放尿しているのではないか
  D食欲が満たされない不満があるのではないか
③A欲求不満があるのではないか
  B「ここには何もない」と本人が言っていた為、物への執着があるのではないか
④A落ち着かない
  B役割のない喪失感

◆対応したケア・実施したケア
①A玄米粥の導入
  Bファモチジンの中止(主治医との連携)
②A2000ml/日の飲水量を1500ml/日へ制限(主治医の指示)
  Bトイレの誘導と関わりを増やした
  C玄米粥の導入
  D補食を増やし、本人の希望時に少しづつ提供
③職員の対応の悪さ(イライラ)をユニット会議で話し合い、統一した態度で接することとした
③・④デイサービスに2回/W通うことで生活リズムをつけたり、外出する事で気分転換を図った

◆結果
 37様に対してスタッフが統一して笑顔で優しく接する事で攻撃的ではなく、穏やかな生活が送れるようになった。
 また、唾を吐く行為と放尿する行為はなくなったが、収集癖は相変わらずある。ただ、その量は大変に少なくなった。持ち出そうとする物が「大切な物だから戻して下さいね」と笑顔で伝えるとそのままそっと置いて下さる。そして徘徊(玄関から外へ出る行為)は1日に複数回あるが、(他の利用者と一緒に外のベンチに座り、また帰って来るを繰り返している)スタッフは問題視していない。
 2回/W行っていたデイサービスは、段々とそこで過ごすことが出来なくなり、現在は2回/Wスタッフと一緒に提出物を本体特養へ届けたりして外出している。
 今回の事例は4年間関わっており、その当時は認知症のカンファレンスシートもV11でその後カンファレンスを何回も開催してきたが、現在V23ということに驚きます。
 当初、寝たきりだった37様が活発に動く姿を見た家人は「父は歩けたんですか?」と驚いていたこともよい思い出です。課題はあったが、活動的になった姿を見た職員は寝たきりの37様を見ているよりうれしいと受け止め、さらに穏やかに生活できるアプローチに取り組んだ次第です。
 認知症のカンファレンスシートを使用することで、身体的要因に着目でき、検討しやすかったように思います。
 今後も多職種で事例検討が行えるよう勉強していきたいと思います。

(特別養護老人ホーム アザレアンさなだ  介護炎専門員 小池順子・管理栄養士 櫻井浩恵)

次回は7月19日  北海道鷹栖さつき苑さんです。
よろしくお願いします。

◆毎週水曜日連載『全国高齢者ケア研究会先進事例レポート 認知症ケース 第36回 日中(午前)活気がなく傾眠がちだった方が活動的に過ごせるようになったケース(北海道網走市 特別養護老人ホーム レインボーハイツ)』 

2017年7月11日

毎月10日掲載 「熊本県甲佐町特別養護老人ホーム桜の丘のお昼ごはん」 第30回 「暑い夏を乗り切る!」 梅じゃこごはん ・ かぼちゃコロッケ ・ きゅうりの白和え ・ 甘酒とブルーベリーのジェラート

毎日、蒸し暑い日が続いています。

暑さで疲れた体には、旬の食材を食べることも疲労回復の1つです。

今回は、暑い夏におすすめの「梅じゃこごはん」、夏野菜を使った「かぼちゃコロッケ」、夏の白和え「きゅうりの白和え」、夏バテ予防「甘酒とブルーベリーのジェラート」を紹介します。

夏野菜を使った、暑い時期でもおいしく食べられるメニューです。

赤・オレンジ・紫・緑・白の彩りも、食欲をそそります。



<献立>

梅じゃこごはん

かぼちゃコロッケ

きゅうりの白和え

甘酒とブルーベリーのジェラート

すまし汁

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梅じゃこごはん

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<材料>  1人分

ごはん      140g

梅干し      1粒

しらす干し    5g

大葉       1/2枚

すりごま     0.5g


<作り方>

①梅干しは種を取り、包丁でたたく。大葉はせん切りにして、水にさらす。

②温かいご飯に、梅干し、しらす干し、すりごまを加え、混ぜ合わせる。

③器に盛る直前に、水気を切った大葉を混ぜ合わせる。(変色を防ぐため)


梅干しの酸味と、じゃこと大葉の香りが食欲をそそります。

おにぎりにしても、おいしいです。


かぼちゃコロッケ

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<材料>  1人分

かぼちゃ      30g

じゃがいも     10g

鶏ひき肉      15g

玉ねぎ        15g

プロセスチーズ  8g

塩、こしょう     少々

小麦粉        適量

卵           適量

パン粉        適量

揚げ油


<作り方>

①かぼちゃとじゃがいもは、ゆでて潰しておく。プロセスチーズは5㎜角に切る。

②玉ねぎはみじん切にし、ひき肉と一緒に炒め、塩、こしょうで味付けする。

③①と②を混ぜ合わせ、好みの形にまとめる。

④小麦粉、卵、パン粉の順に衣をつけ、こんがり焼き色がつくまで揚げる。


桜の丘では、かぼちゃがまとまりやすいように、じゃがいもを加えます。

かぼちゃとじゃがいもをゆでた後、粉ふき状にすると、コロッケがよりおいしく仕上がります。

チーズを加えることで、うまみとコクがプラスされます。

ソースをかけなくても、おいしく食べることができます。


きゅうりの白和え

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<材料>   1人分

きゅうり      15g

人参        5g

しめじ       10g

絹ごし豆腐    20g

(A)味噌      3g

  みりん     2cc

  砂糖      3g

  塩       0.3g

すりごま      2g


<作り方>

①きゅうりはうす切りにし、塩もみをする。
  人参はせん切り、しめじは石づきを切り落としてほぐし、それぞれをゆでておく。

②豆腐は、水切りをする。

③(A)の調味料を合わせておく。

④フードプロセッサーに②を入れ、なめらかになるまで撹拌する。

⑤③を加え、さらに撹拌する。

⑥ボウルに⑤を入れ、水気を切った①とすりごまを加え、混ぜ合わせる。


白和えは、冬野菜を使って作ることが多いのですが、夏野菜のきゅうりも白和えに合います。

夏を感じる一品です。

今回は、絹ごし豆腐を使いました。クリーミーでとろりとしたちょっと違った白和えを楽しむことができます。

しぼり豆腐を使うと、豆腐の水切りの手間が省けます。



甘酒とブルーベリーのジェラート

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<材料>   作りやすい分量

甘酒(米麹)   200cc

ブルーベリー  100g

はちみつ     20g

レモン汁     5cc


<作り方>

①材料をなめらかになるまでミキサーにかけ、容器に入れて冷凍する。

②凍ったら室温に10分程度出して軟らかくし、スプーンでざっくりと混ぜ合わせる。


甘酒は、寒い冬に体を温めるだけでなく、「飲む点滴」と言われるように、夏バテにも効果があります。

ブルーベリーは、今が収穫の時です。

旬のフルーツを使うことで、いろんな甘酒ジェラートを楽しむことができます。

特別養護老人ホーム 桜の丘  管理栄養士 川本里江

※関連記事

毎月10日掲載「熊本県甲佐町特別養護老人ホーム桜の丘のお昼ごはん」 第29回 「高齢者こそ肉を!」 牛丼 ・ にがうりの中華和え ・ フルーツゼリー

2017年7月10日

毎週月曜日連載「ハピネスオブライフ~暮らしの楽しみを求めて~第206回 地域の方々との繋がり 特別養護老人ホーム羊蹄ハイツ(北海道俱知安町)

全国高齢者ケア研究会では、「ハピネス オブ ライフ(HOL=Happiness of life)」をケアの目的の一つとして提案しています。

利用者の笑顔ある暮らし、喜びを感じられる毎日を「積極的に」つくりだすケアの事です。入居者の痛みや苦しみをやわらげ穏やかに暮らしていただくことを目指す「平穏ケア」と「ハピネス オブ ライフ(HOL=Happiness of life)」が、ケアの目的だと考えています。

毎週月曜日に全国高齢者ケア研究会のメンバーで行われている「ハピネス オブ ライフ(HOL=Happiness of life)」の取り組みを紹介していきます。

各施設は「ハピネス オブ ライフ(HOL=Happiness of life)」を目標に、お年寄りが「穏やかでそして笑顔で」暮らして頂けるように取り組んでいます。

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倶知安もようやく暖かくなりました。

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少し前まではまだ羊蹄山にも雪が積もっていました。

羊蹄ハイツでは、定期的に地元の婦人部の皆様にボランティアに来て頂いています。

ボランティアの方々とご利用者の方々とで一緒に楽しめるものとして、カラオケ大会やゲーム等を行ってきました。

今回は、初の試みで貼り絵を一緒に行う事にしました。

紙をちぎる人、貼る人と役割を分けながら行いました。

テーマは2つ「百合」と「紫陽花」を作りました。

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黙々と集中しながら、作業を行うYさん。

手慣れた手つきで、細かい部分もきれいに仕上げてくれました。

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周囲の方々とお話を楽しみながら、行っていたSさん。

ゆっくりと丁寧に作品を作ってくれました。

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出来上がった作品と記念撮影です。

作品は玄関前に飾らせて頂きました。

介護スタッフだけでは、なかなか思うようにゆっくりと時間をとる事も難しい中、ご利用者の皆様にとっては、とても有意義で大切な時間になったように思います。

地元の方々との触れ合いの中で地域との繋がりを関して頂ける貴重な時間になっていると思います。

これからも、いろいろな方々の協力を得ながら、ご利用者の皆様に喜んで頂ける企画を実行できるように頑張っていきたいと思います。

次回は、7月17日(月)「大分県 鈴鳴荘」さんです。

よろしくお願いします。

(特別養護老人ホーム羊蹄ハイツ 介護主任 高島 慎也)

(関連記事)

◆毎週月曜日連載『ハピネスオブライフ~暮らしの楽しみを求めて~』第205回 星と紫陽花に願いを 特別養護老人ホームさくらの郷 三重県松阪市 

2017年7月 5日

◆毎週水曜日連載『全国高齢者ケア研究会先進事例レポート 認知症ケース 第36回 日中(午前)活気がなく傾眠がちだった方が活動的に過ごせるようになったケース(北海道網走市 特別養護老人ホーム レインボーハイツ)』

 全国高齢者ケア研究会に参加する各施設では、トータルケアに取り組み、先進的なケアを行っています。
 このブログでは、各施設での実践事例を「全国高齢者ケア研究会先進事例レポート」として紹介しています。
 毎週水曜日掲載です。
 今回は北海道網走市の特別養護老人ホーム レインボーハイツからのレポートです。
 日中(特に午前中)活気がなく傾眠がちで過ごされていた方が食事と水分の対応方法を見直し丁寧に行うことで活気を取り戻された方の報告です。
 ケース検討は、基本的にICF(国際生活機能分類、International Classification of Functioning, Disability and Health)の考え方をベースに、BPSD治療アルゴリズム(「かかりつけ医のためのBPSDに対応する向精神薬使用ガイドライン第2版」所収)に沿って行っています。
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◆基本情報
・氏名 36
・年齢 86
・性別 男性
・要介護度 要介護5
・身長 160cm
・体重 50kg
・既往歴 アルツハイマー型認知症、両下肢閉塞性動脈硬化症、大動脈瘤(右腹部)
       胆嚢、総胆管結石、気管支喘息、胃潰瘍、気管支炎
・服薬状況
 ・クエン酸第一鉄Na錠 朝 (鉄剤)
 ・べラプロストNa錠 朝・夕 (血栓剤)
 ・ウルソデオキシコール 朝 (胆道、胆嚢の薬)
 ・ネキシウムカプセル 朝 (胃薬)
 ・スピロノラクトン 朝 (利尿剤)
 ・ホクナリンテープ(気管支拡張)
 ・酸化マグネシウム 毎食 (緩下剤)

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「RH-v23.pdf」をダウンロード



◆課題

① 日中(午前)傾眠がちで活気なく、下肢に力が入らず立位が保てない。
② 週に3日くらいの微熱(36.0℃台後半~37.0度)

◆経過
・平成27年7月に入所。
・入所後、発熱、胆嚢炎にて3週間程度入院されました。
・退院後も日中は歌を歌って過ごされていることも多く、自発的な発語も頻繁に見られ立位も安定し動作にも協力的で活気もありました。
・平成29年3月頃より、徐々に日中の傾眠も増え、立位の際下肢に力が入らないこと増え始めました。

◆BPSD(行動障害)の要因分析、検討したケア内容
① 日中(午前)傾眠がちで活気なく、下肢に力が入らず立位が保てない。
② 週に3日くらいの微熱(36.0℃台後半~37.0度)

a)朝食後の午前中に傾眠が多く、立位の際足に力が入らない事も午前中に多い。夕食後から朝食までの間、約10時間以上水分未摂取で夜間の尿量も多いため、夜間の水分不足を疑ってみました。

b)食事後半になるにつれ、自力摂取を止めてしまい、食事中盤頃からむせ込みはないが透明の鼻水が見られるので、不顕性誤嚥を起こしてはいないか。また、咽頭残留による誤嚥を誘発していないか仮設をたてました。

C・D)既往歴で総胆管結石で入院の既往もあること、採血のデータもよくなく定期薬で鉄剤も服用している。貧血あるいは結石の再発と微熱の関係性がないか確認してみました。

実施したケアの内容・結果

①について 

a)1日の水分摂取は飲水、食事共に問題なく摂取できていたが、夕食後から朝食までの間、10~12時間以上水分摂取されていなく、夜間帯の尿量も多い。

本人の覚醒状況から水分摂取が可能な21時頃にイオン水の提供を実施し摂取することができるようになった。

b)日頃の摂取、飲水の様子からむせ込む症状はないが、食事の後半になると自力摂取の手が止まり始め、中盤頃から透明の鼻水の症状が見られることが多くある。

主食が粥のため、後半になると粥が分離し始めることで分離した水分で不顕性誤嚥を起こしている事を疑い、粥のゲル化を調理スタッフと相談した。

調理スタッフより対応可能とのことでゲル化した粥を提供しました。

また、咽頭残留による誤嚥の誘発も疑い、毎食事にお茶ゼリーを提供し、交互摂取を促しました。

→上記、二つの対応を実施する事で食事中の鼻水の症状は緩和されてきました。日中の傾眠も少なくなり、以前までとはいきませんが活気も取り戻し始めてきています。立位時の下肢の力も踏ん張りが実施前よりも効くようになっています。

→発熱についても高い発熱はなく、微熱の頻度も月に数回まで減ってきている状況です。

C・D)胆管結石による胆管炎等の再発については現在、背部痛や腹部痛、嘔気、嘔吐症状や排便の変化もないので、再発による影響は低いと判断しました。

しかし、今後も再発するリスクは充分に考えられる為経過観察を継続していくようにしています。

また、食事も油物などへの配慮も実施していくようにしました。

貧血についても今後も本人の状態や採血データの数値の変動も追っていき、必要であれば鉄分の補助食品の提供等も検討しておこうと考えています。

( 特別養護老人ホーム レインボーハイツ 業務課長 横田 伸也 )

次回は、7月12日  長野県 アザレアンさなださんです。

よろしくお願いします。

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※関連記事

◆毎週水曜日連載『全国高齢者ケア研究会先進事例レポート 認知症ケース 第35回

◆認知症カンファレンスシートがV23にバージョンアップしました。ダウンロードしてお使いください。

◆かかりつけ医のためのBPSDに対応する向精神薬使用ガイドライン(第2版)が発表されました。

2017年7月 3日

◆毎週月曜日連載『ハピネスオブライフ~暮らしの楽しみを求めて~』第205回 星と紫陽花に願いを 特別養護老人ホームさくらの郷 三重県松阪市 

全国高齢者ケア研究会では、「ハピネス オブ ライフ(HOLHappiness of life)」をケアの目的の一つとして提案しています。

利用者の笑顔のある暮らし、喜びを感じられる毎日を「積極的に」つくりだすケアのことです。

入居者の痛みや苦しみを和らげ穏やかに暮らしていただくことを目指す「平穏ケア」と「ハピネス オブ ライフ(HOLHappiness of life)」が、ケアの目的だと考えています。

毎週月曜日に全国高齢者ケア研究会のメンバーで行われている「ハピネス オブ ライフ(HOLHappiness of life)」の取り組みを紹介していきます。

各施設は「ハピネス オブ ライフ(HOLHappiness of life)」を目標に、お年寄りが「穏やかで、そして笑顔で」暮らしていただけるよう取り組んでいます。

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 さくらの郷は、季節の行事、旬を感じるお出かけを行っています。

 6〜7月にかけてのイベントは『七夕』、季節の花は『紫陽花』ですね。

 毎年七夕の時期に保育園の園児が施設を訪れてくれます。

 利用者の皆さんが短冊に願い事を書き入れた後、笹に飾りつけます。

 今年は、短冊の願いの中身は、1位 健康に関する内容、2位 食べ物に関する内容、3位 家族に関する内容です。
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延期になってしまったので、以前の七夕慰問の写真を掲載しました。

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職員と吊り下げられた短冊を見ているところ。いろんな願い事を見て、会話も弾みます。

〇〇が食べたい、〇〇をしたい、〇〇に行きたいなどという願いについては、ケアプランに反映させ、できるだけ叶えていけるよう考えています。

Img_3310_2

満開の紫陽花を見に行きました。

人材育成の研修を受ける前なのでスタッフの笑顔がちょっとかたいですが(笑)。

Img_3312_3

紫陽花を見に行った帰りに素敵なお店を見つけ、スイーツを食べてきました。管理栄養士や看護師に内緒で・・・(笑)。

というのは冗談で、多職種協働ですからその後、調整をして健康への配慮も忘れません。

次回は、7月10日で羊蹄ハイツさんです。

よろしくお願いいたします。

(特別養護老人ホーム さくらの郷 施設長 金谷龍太郎)

※関連記事

◆毎週月曜日連載『ハピネスオブライフ~暮らしの楽しみを求めて~』第204回 気が付けば10年過ぎました 特別養護老人ホームレインボーハイツ 北海道網走市 

2017年6月28日

◆毎週水曜日連載『全国高齢者ケア研究会先進事例レポート 認知症ケース 第35回 軽度の貧血から幻視がでていたり、空腹感等も加わり落ち着かなくなったりしていた方が改善したケース(足寄町社会福祉協議会 足寄町高齢者等複合施設)』

 全国高齢者ケア研究会に参加する各施設では、トータルケアに取り組み、先進的なケアを行っています。
 このブログでは、各施設での実践事例を「全国高齢者ケア研究会先進事例レポート」として紹介しています。
 毎週水曜日掲載です。
 ケース検討は、基本的にICF(国際生活機能分類、International Classification of Functioning, Disability and Health)の考え方をベースに、BPSD治療アルゴリズム(「かかりつけ医のためのBPSDに対応する向精神薬使用ガイドライン第2版」所収)に沿って行っています。
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◆基本情報

氏名    35

年齢    79

性別    女性

身長    152cm

体重    44.7kg

要介護度  要介護2

現病    アルツハイマー型認知症・高血圧

服薬    

 朝・夕→ニフェジピンL10mg「三和」(降圧剤)

   ベネシット錠250mg(通風薬)

   ツムラ抑肝散エキス顆粒(漢方)

  朝→ベシケア錠2.5mg(泌尿薬)

   ニューロタン錠25mg(降圧剤)

   トラゼンタ錠5mg(糖尿)

   ドネペジル塩酸塩OD5mg「テバ」(認知症進行抑制)

 夕→プラバスタチンNa5mg「ケミファ」(高脂血症)

◆課題

 幻覚が見える

 午後から機嫌が悪くなり、自宅に帰ると言い落ち着かなくなる、急に走り出す、歩くのを止めない、意思疎通が取れない、介護員の言葉に無視をする

◆経過

 27年6月に小規模を利用。自宅で独居生活。近所に長男が住んでおり、事業所と自宅は2キロくらい離れている。自宅から事業所に歩いてくることができる。

 散歩が大好きで自宅周辺の散歩は出来ていた。

 29年3月、自宅に居ても自宅だと認知しない、長男の顔が解らない、散歩時に道に迷う、幻覚が見える

 急に走り出したり、怒り出したりする行動が目立つようになってきた。

 

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「23.pdf」をダウンロード

◆BPSD要因の検討

  自宅での水分摂取量が把握できていなかったが、水分不足の影響で幻覚が出ているのではないか。

  A 降圧剤が切れて血圧が高くなっているため、落ち着かなくなるのではないか。

 B 体重が減少しているために空腹で機嫌が悪くなるのではないか

  C 血液データから血糖値が290と高いことがわかった。血糖値の影響で身体がつらく機嫌が悪くなるのではないか?

 D 血液データからヘモグロビンが10.1であり、軽度の貧血だとわかった。軽度の貧血が原因で幻視、幻聴が現れているのではないか?

 E 意思疎通ができるうちに自宅に帰れない理由をていねいに話していないからではないか? リロケーションダメージの影響ではないか?

◆対応したケア・実施したケア

 について

 水分の摂取量が1200㏄~1500㏄くらい、摂取できるようになった。

  Aについて
 血圧測定を朝と午後に測定をしたところ、血圧が160台でも落ち着いていて、120
台でも落ち着かない時がある事がわかり、血圧とのつながりはないと考えた。

Bについて 

 体重が27年12月→46.9キロ

  29年3月→44.7キロと減少している。

  食事量については糖尿病があるので、医師と相談し半量増の許可があり実施した。

Cについて

 血糖を抑える薬が処方された

Dについて

 鉄分を補うためにサプリメントを飲んでもらった。

Eについて

 落ち着かなくなったり、怒り出してから説明するのではなく、会話が出来る時間帯から自宅に戻らない理由を伝えることにした。介護員一人一人、理由を違ったように答えていたために、統一した内容を話すことにした。

 事業所で自宅で行っていた家事全般を担って頂けるようにし、落ち着ける環境を作った。

◆結果

 環境的要因を中心にカンファレンスを進める傾向にありましたが、認知症のカンファレンスシートを使用することによって、身体的要因についても検討することができました。

 認知症のカンファレンスシートを使うことにより、要因を検討しやすくなりました。

 科学的に要因分析を行うことで、医療との連携もスムーズにできました。

 対応した結果、幻視、幻聴がなくなりました。

 また、午後からも落ち着いて暮らせる日が増えました。落ち着かない日が週に2日位に減りました。

 現在は、家族と共に自宅で過ごすこともできるようになっています。

 環境的要因だけの検討では、35様は落ち着かず、自宅で過ごすこともできなかったかもしれません。

 今後も総合的に要因分析をしっかりと行い、医療と連携しながら、スタッフ皆で協議していきたいと思います。

足寄町社会福祉協議会 足寄町高齢者等複合施設 副施設長 井澤靖子

次回は7月5日 北海道 網走レインボーハイツさんです。よろしくお願いします。

※関連記事

◆毎週水曜日連載『全国高齢者ケア研究会先進事例レポート 認知症ケース 第34回 貧血から怒りっぽく、攻撃性がでていた利用者が栄養補助食品で改善したケース(愛媛県東温市 特別養護老人ホーム ガリラヤ荘)』

2017年6月27日

◆愛媛県松山市 飄月(ひょうげつ) 手打ちうどん

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Img_0960
うどんを打っている様子を見ることができる。

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 愛媛県松山に行くと、よくこのうどん屋へ行く。

 四国遍路の取材のついでに訪ねたのが最初だ。

 昼頃に行くと大体行列ができている。

 四国遍路51番札所石手寺の近くだ。

 おでんの鍋が置いてあるのもいいです。

 ときどきこんにゃくとか卵とかを食べます。

(泉田照雄)

※関連記事

◆天ぷらの握り寿司のような天むす。愛媛県東温市 耕庵本店。

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重度化に対応した新アセスメントシート「トータルケア・アセスメントシート」完成版V2

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