◆特別養護老人ホームの食堂での飛沫防止ガードの設置。入浴介助時の口元シールド導入。行政の助成金を活用した新型コロナ感染症予防対を強化しています。(特別養護老人ホームグリーンハイム荒川)

東京都荒川区がコロナ対策に対しての助成金を策定しました。

 ①介護・障害福祉事業所への応援給付金の支給

 ②濃厚接触者等に対するサービス提供の際の特別手当

 ③感染拡大防止のための環境整備への補助

 ④感染者が発生した際の施設消毒費用の補助

その補助を使用して、食堂へは飛沫防止ガードを設置しました。

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入浴介助用に、口元のシールドを購入し、職員へ配布をしました。

入浴介助時のマスクの使用は、かなり苦しく危険なのです。

応援給付金も国とは別で支給をされるとのことのようなので、職員全員に支給できるようにしたいと思います。

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緊急事態宣言は解除されましたが、東京都はステップ1の段階でまだまだ安心できる状況ではありません。

しっかりと対策をして、予防に努めていきたいと思います。

グリーンハイム荒川 施設長 渡邉秀雄 (東京都荒川区)

2020年6月 5日

◆感染終息期に高齢者介護施設で感染拡大が増えてくる。感染終息期に高齢者介護施設で新型コロナウィルス感染拡大予防で注意したいこと。5月8日に思う。5月14日追記あり。

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 新型コロナウィルス感染拡大の終息期に高齢者介護施設での感染拡大が増えてくるらしい。

 自粛が解除されていくのに合わせて、スタッフの気持ちがゆるみ、食事会、バーベキューなどに参加してウィルスに感染し、施設の中にウィルスを持ちこんでクラスターが起こってしまうことを危惧している。

 東京では緊急事態宣言が延長されているはずなのだが、事務所のある東京神保町では5月7日に4割くらいの店が営業を再開、5月8日には7割くらいの店が営業を再開していた。

 なかには客がひしめきあっている店もあった。

 多くの店で客がグループで食事し酒を飲んでいた。

 大型書店も営業を再開していて、レジを待つ人の行列ができ、店員が客の誘導に立つほどの混雑ぶりだった。

 街を歩いている人も多く、マスクをしてない人も相当数いて、緊急事態宣言が終わったような町の雰囲気だった。

 3月前半以来の町のにぎわいである。

 5月7日以降、町の様子がまた大きく変わった。

 町はそんな状態だが、高齢者介護施設はそうはいかない。

 高齢者介護施設で暮らす人たちは、ほとんどが重症化する可能性が高い人たちだ。

 入居者に感染者が出てクラスターが発生すれば、死者が出る可能性が高い。

 スタッフはもちろんスタッフの家族にまで心配は広がる。

 全国高齢者ケア研究会の施設は、引き続き感染拡大予防に力を入れておかないといけない。

 感染拡大が続いている東京、北海道等の地域の施設では、N95マスク、ゴーグル、フェイスガード、防護服を準備し、隔離のマニュアルをつくり終えている。

 準備物を使わなければそれに越したことはない。

 しかし、何も準備せずに、丸腰でスタッフにウィルスと対峙させることはできないし、丸腰では万が一感染者が出た場合、感染拡大をおさえこむのはほぼ不可能だ。

 札幌、千葉、東京の介護施設では、すでに大規模なクラスターが発生している。

 5月14日、多くの自治体で非常事態宣言の解除が決まった。

 解除(条件付き)が決まった愛媛県松山市では病院でクラスターが発生し20人まで感染者が増えている。

 感染者や死者を数字で見ると、10,000人よりは1,000人、1,000人よりは100人ですんだ、よかったという気持ちになるかもしれない。

 でも、自分だったら、自分の大切な人だったらという気持ちを持つことも忘れてはいけないと思う。

 「想像力=他人事として考えないこと」が必要だと感じる。

 自分の施設でもしクラスターが起こったら‥‥と考えてみてほしい。

 準備をしておかなければ大きな後悔をすることになると思う。

 高齢者介護施設は地域の自粛解除時期よりも最低2〜3カ月間くらいは延長して警戒した方がいいのではないだろうか。

 地域の自粛がゆるんだとき、高齢者介護施設に大きな危険性が迫っていると思った方がいい。

  世の中が感染終息期になっても介護現場での感染拡大は決して終息していないことを肝に銘じなければいけない。

 高齢者の命を守るため、スタッフやその家族を守るため、もうしばらく気をゆるめず警戒を怠らないようにしたい。

 心配しすぎくらいでいいのだと思う。

 後になって心配しすぎだったねと振り返ることができれば、そんな幸せなことはない。

 「準備しておけばよかった」とだけは言いたくない。

(泉田照雄)

2020年6月 4日

◆ 新型コロナウイルス感染症対策その4 施設で感染者が発生したときの隔離、感染拡大予防対策の準備 〜いま高齢者介護施設の「施設長・管理者」がやるべきこと~

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特別養護老人ホーム鷹栖さつき苑入居者のご家族から届けられた手縫いのマスク100枚。
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 高齢者介護現場(施設・在宅)の新型コロナウイルス感染症対策には以下の3つのフェーズがあります。

 フェーズ1 利用者の感染予防対策
 フェーズ2 職員のプライベート感染予防対策
 フェーズ3 施設内で患者・濃厚接触者発生時の隔離及び感染拡大予防対策

 これまで、このブログではフェーズ1,フェーズ2に対する全国高齢者ケア研究会各施設の取りくみを紹介してきました。
 今回はフェーズ3の「施設内で患者・濃厚接触者発生時の隔離及び感染拡大予防対策」についてお話しします。

 現時点(4月28日)では一部の都道府県で病院・介護施設のクラスター発生がつづいています。
 介護施設や在宅においては、一人の陽性患者から感染拡大し、当該施設、さらには地域全体の介護崩壊・医療崩壊をまねく恐れがあります。
 介護施設で一人の陽性患者が出れば、その患者と二日前から隔離開始前まで接触した者のうち、「目安として1m以内で、感染予防なしで、患者と15分以上の接触があった者」は、濃厚接触者となる可能性がきわめて高いです(最終的には保健所が特定)。
 高齢者施設では、4から6名が1m以内で食卓を囲んだり、隣りあわせで食事をともにしており、一人の患者から5名から6名の入居者が濃厚接触者と特定される可能性があり、その場合、施設内で隔離対応をとる必要があります。
 高齢者介護施設で患者が発生した場合、PCR検査で陽性と判定されてから2〜3日後に入院となるケースが多いようです。
 高齢者介護施設の入居者の状態を考えれば、症状が出た場合にすぐに入院としたほうがいいのですが、病床不足のためそのようになっていないようです。
 現状、症状が発生してから少なくとも5〜6日は陽性患者をケアすることになります。
 その際にもっとも大切なのはスタッフの感染防護対策です。
 隔離エリアで職員が安心して安全に働ける環境を整えることです。
 さつき会では鷹栖町と話しあいを重ね、町のバックアップのもと、「施設内で患者・濃厚接触者発生時の隔離及び感染拡大予防対策」として以下のことを行いました。
 主要なことを書きます。

(1)感染予防を徹底するための感染防護具(医療用マスク(N95)、ゴーグル、フェイスシールド、防護服、長袖プラスチックガウン、キャップ、グローブ)等の確保。
*「感染防護具が手に入らない」と行動しないのではなく、市町村が新型インフルエンザや災害対応時用の備蓄をしていることがあるので、それを感染者が出た場合に使わせてもらえないかと申し入れをします。早期に行政と合同対策会議を行います。
*マスクについては地元の建設業者が防じんマスクを持っていないか問いあわせてみます。
*ゴーグルが手に入らない場合は、シュノーケリング用のマスクを買います。職員や地域住民で持っている人がいれば寄付してもらいます。
*フェイスシールドは手作りできます(作り方は、さつき会ブログにアップしてあります)。

(2)隔離対応時の手順書作成
    感染エリア・準感染エリア・非感染エリアの決定、隔離時の動線、消毒手順、防護服着脱の際の援助者、物品の置き場所、隔離エリアで勤務できる職員の選考(重症化する恐れのある基礎疾患者は除く)。
*現場管理者・医療職等とともに作成し、手順書、平面図(動線など)にしておくことが大切です。

(3)ガウンテクニックなど正しい感染予防策を教える(全国老施協がホームページに動画をアップしています)。

(4)訪問介護、訪問サービスをする職員にも(1)(2)(3)の対応をします。

(5)職員が万が一感染し休業を余儀なくされた場合の特別休暇の保証。

(6)隔離エリアで働く職員専用の休憩場所・シャワールームを用意。自己隔離をする職員には宿泊場所を用意。帰宅する職員は施設で送迎する(または法人が用意したタクシーで送迎する)。

(7) 隔離エリアと対策本部でオンライン会議できる環境整備。

(8) 施設が所在する市町村との感染症合同対策会議の実施。
*特別養護老人ホーム鷹栖さつき苑、特別養護老人ホームぬくもりの家えんで部長たちが作成した「隔離対応手順」は、さつき会のホームページにアップしてあります。

 上記の(1)、(2)、(3)を介護施設、訪問介護、小多機の訪問サービスに「手順書・チェックリスト」として今から整えておきます。
 感染者が出てから、地域に感染が広まってから準備したのでは間にあわないと考えています。
 「そんなことはおきないよ」「だいじょうぶだろう」と考えるのではなく、職員の安全を守るため、できるだけの準備をすることが大切です。
 感染リスクがあることを承知しながら働く職員の気持ち、職員の家族の気持ちを想像してください。
 きちんとした感染予防対策があったとしても心配でならないはずです。
 大切な職員を感染症から守ることが必要です。
 楽観的なのは悪いことではありません。
 しかし、最悪に備えた上で最善を期待しましょう。
 懸命に働いてくれる職員から感染者を一人も出さないという強い気持ちをもって具体策を講じることが、施設長・管理者に求められています。
 人手不足ですでにぎりぎりの状態で仕事をしている施設も多いです。
 経験したことのない感染症の存在は脅威であり、非常にストレスがかかります。
 働く人がひとたび心身の不調を起こせば現場は崩壊します。
 職員ができるだけ平常心をたもてるように、準備を進め、いつも以上に声をかけ、チームがまとまるようにリーダーシップを発揮してください。

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(北海道鷹栖町 特別養護老人ホーム鷹栖さつき苑 施設長 波潟幸敏)
※関連記事

2020年6月 3日

◆ 新型コロナウイルス感染症対策 その5 高齢者介護施設と行政合同の感染症対策会議を開催。高齢者介護施設入居者、在宅サービス利用者で新型コロナウイルス感染者が発生した場合の対応を協議。 ~北海道鷹栖町から~

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本日、鷹栖町健康福祉課とさつき会の合同による新型コロナウィルス感染症対策会議を実施しました。

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これまでの感染症予防対策を共有し、町内の介護施設、居宅において陽性患者、濃厚接触者が出たことを想定して、感染エリア・居宅で職員が安心して働けるための必要な感染防護品の安定確保等について協議し、患者等が施設入居者や在宅サービス利用者で出た場合には、新型インフルエンザ対策の際に町が備蓄していた感染防護品の提供をしてもらうことになりました。

高齢者住宅・サービス付き高齢者住宅における感染症予防対策と濃厚接触者として特定された在宅高齢者のケアマネジメントや訪問介護等のサービス提供についても対策を立てました。

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鷹栖町では利用者、職員、施設、地域を守るために行政と事業者が協同して新型コロナウイルス感染症対策にあたっています。

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2020年6月 2日

◆ 入居者と家族をつなぐ「オンライン面会」を始めました ~新型コロナウィルス感染拡大警戒下における高齢者介護施設の入居者と家族の面会~ 北海道鷹栖町さつき会

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特別養護老人ホーム鷹栖さつき苑においてオンライン面会を始めました。

早速、昨日、ご家族からのお申しこみをいただき、ご入居者とご主人・息子さん・お孫さんが久しぶりに顔が見られ、たがいに笑顔がこぼれました。

画面に映る、息子さん、お孫さんの顔を、ご入居者が微笑みながらなでる姿が胸を打ちました。

一日も早く、元の生活ができができるように、引き続き職員一丸となって感染症対策に取り組んでいきます。

(特別養護老人ホーム鷹栖さつき苑 施設・在宅サービス事業部長 谷本政美)

◆新型コロナウイルス感染症対策 その3 施設職員のプライベートでの感染を防ぐための要請を出しました。~集中対策期間の北海道・鷹栖町から~

この数週間、非常事態宣言や外出自粛要請されているにもかかわらず、都内病院や京都府内病院の研修医の懇親会によるクラスター発生、看護師が家族とともにライブハウスを訪れ感染、調理員が感染症状がありながらも勤務し集団感染などの報道があとをたちません。

いま介護施設の最大の感染リスクは、職員のプライベートにおける感染です。

職員のプライベートにおける感染対策の強化が必要です。

やるべきことは三つです。

① 危機意識の向上と共有

② 個別の感染リスク低減の取り組み

③ 所属長・管理者が日々のコミュニケーションを通じて確認・承認

①は、施設長の仕事です。

「たった一人の感染から施設は崩壊する」ことに強い思いを込めて、施設が崩壊したらどうなるのかを描き、全職員(週1回勤務のパート職員、委託会社社員含む)へ発信して危機意識を共有してもらうことが必要と思われます。

自分を守り、大切な人を守り、利用者、職場の仲間を守るため、全職員心をひとつに一丸となって行動できる法人・施設か否かが問われています。

さつき会では以下のような文章をスタッフ一人ひとりに手渡し、感染予防を行っています。

(北海道鷹栖町 特別養護老人ホーム鷹栖さつき苑 施設長 波潟幸敏)

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※関連記事

◆新型コロナウイルス感染症対策 その1 ~非常事態宣言の北海道・鷹栖町から~

◆第2弾です。赤字の部分がとても参考になります(泉田) 新型コロナウイルス感染症対策 その2 ~非常事態宣言の北海道・鷹栖町から~

2020年6月 1日

◆60代を迎えるにあたって オープンマインドとネガティブケイパビリティの大切さを思う。

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 60代、70代のいろいろな方の言動を見ていて気がついたことがいくつかある。

 ある種の人がよく口にするセリフ。

 「もう歳だから考えきれんわ」

 「もう一線ではないので、よくわからんなぁ」

 「若い人たちに考えてもらおうや」

 たしかにそういう分野もあるのかもしれないが、彼(彼女)らは、自分なりに考えなくてはいけない物事(テーマ)についても考えることを放棄しているように思う。

 歳をとると調べたり勉強したりすることが億劫になり、考えることが負担と感じるてくる。

 考える時間が少なくなっていけば、社会から外れる時間が増え、世の中の流れから取り残されていく。

 一線を引いている人が世の中の流れから取り残されてしまっても組織に影響はないかもしれないけど、それなりの立場で組織に残っている人はそうはいかない。

「老害」として君臨することになる。

 残念なことにそういう人ほど、上から目線で偉そうなことを言ったりする。

 話が通じないことにいらだち、自分の言い分を通すために命令口調になったりする。

 的外れな説教をはじめてしまうこともある。

 一人の存在が組織にとって大打撃となる。

 歳をとって周囲に煙たがれる。

 そうならないために大切なのは、オープンマインドで人の話を聞き、情報を収集しつづけることではないかと思う。

 新しい情報や自分の知らないことはいくつになってもなくならない。

 他人の言葉に耳を傾ける姿勢を保ち続けることが必要だと思う。

 とくに働きざかりの若い人たちの研究成果や意見を尊重し、応援し、いい部分を吸収することが大切。

 もう一つは考えつづけること。

 答えの出ない状態、宙ぶらりんの状態に耐える力を「ネガティブケイパビリティ」というらしいけど、そういうしなやかな強さを持ちつづけること。

 歳を重ねてくると、がまんする力、忍耐力が弱くなってくる。

 考える持久力と言った方がわかりやすいかもしれない。

 自分が70歳になったときに、オープンマインドとネガティブケイパビリティを持っていられるようにしなくてはなと思う。

 いくつになっても成長し続けたいと話してくれた日野原重明先生の姿を思い起こして。

(泉田照雄)

◆研究会の若手のみなさんへ、施設運営がおかしくなったらまず最初にすること。その2 5/2追記あり。

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 3月29日に「研究会の若手のみなさんへ、施設運営がおかしくなったらまず最初にすること。」という記事をアップしました。

 その追記をします。

 離職者が出る、稼働率が下がる、事故が起こるなど、事業所で問題が起こったら、管理者である自分自身の行動に原因の一端がある場合があります。

 自分が率先して汗をかかずに指示ばかりしている。

 スタッフの話をきかない。聞き入れない。

 スタッフのサポートができていない。

 自分自身がそういった行動をとっていることに気がつかない場合があります。

 問題の原因が自分にあるという自覚がないのです。

 自覚がないことを自覚するためにはどうするか?

 「施設運営がおかしくなった原因は自分にないか?」と自分自身に問いかけてみることです。

 かんたんなチェックリストを書きます。

 ・反対意見を言ってくれる部下がいるか?

 ・対案を言ってくれる部下がいるか?

 ・部下とコミュニケーションをとっているか?

 ・部下を手伝ったか?

 ・部下から「ありがとうございます」と言われているか?

 ・話しかけると部下は笑顔になるか?

 ・人を動かすことばかり考えていないか?

 ・部下をコマと思っていないか?

 ・自分のことは棚にあげて部下の評価ばかりしていないか?

 どれか一つでも❌がついたら危険信号です。

 自身の行動が施設運営をおかしくした可能性があります。

 人に意見を聞くという方法もあります。

 教えてもらう、指摘してもらうのです。

 これは友人、仲間、先輩にしてもらうのがいいでしょう。

 言いにくいことでもちゃんと言ってくれる友人がいますか?

 アドバイスしてくれる人はいますか?

 相談できる人はいますか?

 そういう人がいなければおそらくアウトです。

 他人の欠点に気づくのと同じくらい自分の欠点に気づけているでしょうか?

 自分ができていることと同じくらいできてないことを自覚しているでしょうか?

 リーダーは、一段高いところに立って人に指示をしたり、人を評価したりするためにいるのではありません。

 チームのメンバーが長所をのばし、弱点を補いあい、ひとりひとりがイキイキと働けるためにリーダーという存在があるのです。

 チームが機能するかしないかは、リーダー次第です。

 今一度、リーダーの役割を考えた上で、自分の言動を振り返ってみましょう。

 (泉田照雄)

※関連記事

◆研究会の若手のみなさんへ、施設運営がおかしくなったらまず最初にすること。

◆長期化に備える。介護施設、デイサービスのコロナ感染拡大防止対策実施中! 食事席の仕切り、WEBを使った家族面会、WEBによるスタッフ会議。(愛媛県ガリラヤ荘)

各施設のみなさん、日々緊張感と不安感の中、利用者のため頑張っておられることと思います。
私共の施設で今準備を始めたことをご紹介いたします。

【デイサービス】
●デイサービスの利用者の出入口を変更しました。少しご不便をかけますが、デイサービスに直接入れる工夫を行いました。
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●テーブルが対面になる場合の工夫として、場所や席を変えるなどの対応に限界を感じ、利用者のみなさんにも安心していただけるよう、壁を製作することにしました。

長期化を想定し、簡易的な物ではなく、用務員さんに作ってもらうことにしました。

まだ試作段階中ですが、かなり理想的な物ができましたので、その途中段階をご紹介いたします。
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施設で保管していた廃材を再利用、あとは、百円ショップのブックスタンドを使用して製作。
ポイントはクリアファイルか、ラミネートフィルムをスクリーン替わりにすることで、消毒や交換がしやすいと考え、それを上から挟めるように考えました。
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※)写真はわかりやすいように、紙を挟んでいますが、実際は透明にして圧迫感を感じないようにしたいと考えています。
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デイサービスのスタッフも利用者のことを考えながら、高さやその対応について協議中。
用務員さんも急ピッチで製作中です。
感謝です。

【その他】
●もともとデイサービスの出入口であった玄関を、訪問者の受付場所へ変更しました。
●テレビ面会をスタートしました。Wifiは設備されていない環境のためルーターとタブレットをユニットへもっていきます。ご家族で操作や設定が難しい場合は、受付で対応しています。わずかな時間でもお顔を合わせながら様子を見ていただく環境が、とても大切だとあらためて感じました。
●テレビ会議スタートしました。できる限り会議を減らしていますが、感染対策も含め、必要な時はテレビ会議に切り替えています。参加スタッフも必要に応じて自宅から参加可能で対応中。
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これから、まだまだ必要なことあると思います。今できることを、スタッフとアイデアを出しながらがんばっています。
スタッフやその家族からの手作りマスクも、日を追うごとに増えています。本当にありがたいです。

できることはすべてやる。
施設のスタッフの強さに感謝しながら、今を乗りきっていきたいと思います。

高齢者総合福祉施設ガリラヤ荘 施設長 高橋雅志(愛媛県)

2020年5月29日

♦毎週金曜日掲載「全国高齢者ケア研究会 介護の知識ver.4」第11回 食事姿勢のポイント(リクライニング式車いす)

 
 施設の重度化にともない、リクライニング式車いすを使用される入居者が増えています。
 リクライニング式車いすを使用される利用者が食事をするときの正しい姿勢のポイントについて紹介します。

1 リクライニング式車いすの使用が適している方の状態

 イス(車いす)ではなく、リクライニング式車いすで食事をとった方がいいかどうかを考えるのは、次のようなときです。

① 頭を支えることができない場合
② 身体がそりかえり、頭も同様にそりかえり、あごを引いた食事姿勢がとれない場合
③ 頭を支えようとすると首に強い力が入ってしまい、飲みこみが難しくなる場合
④ 離床をすると本人の状態が悪くなるくらい体力が落ちているとき


2 リクライニング式車いすでの姿勢保持のポイント

 リクライニング式車いすでの食事ケアの第一歩も、正しい姿勢の保持です。

① 背抜きをする

 リクライニング式車いすやベッド上での姿勢保持で忘れてはいけないのが「背抜き」です。
 「褥瘡予防の背抜き」と「食事の背抜き」では、ケアは同じですがポイントがちがいます。
 背抜きとは、背中とリクライニング式車いすの背もたれの間の圧を抜くことです。
 食事の際の背抜きは、お腹が圧迫されて苦しくなり、食事がとりづらくならないようにすることがポイントです。
 褥瘡予防の背抜きの方法については、『褥瘡予防』の回でお伝えします。


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    【背中に手を入れ少し体を浮かす】                   【お尻の除圧も行う】 

② リクライニングを倒す角度は30度まで

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       【リクライニング角度30度】                 【リクライニング角度80度】


 身体の後側へのそりかえりがある人、頭を支えるのが難しい人などの場合、背もたれの角度が高いと、姿勢が安定しないことがあります。背もたれを倒して姿勢を安定させる場合、背もたれは左の写真のように30度くらいまで倒しても大丈夫なことがあります。
 *30度が基本ではありません。
  80度から30度までのあいだで、本人が最も食べやすい角度を探してください。

 最初は、80からスタートして少しずつ角度を下げていってください。

③ あごを引いた状態にする。角度は握りこぶし1個くらい。

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 あごが上がった状態だと、物を飲みこむための筋肉を動かしづらいです。天井を見てあごをのばした状態でつばを飲みこんでみるとよくわかります。多くの人がかなり飲みこみづらいはずです。
 あごを引いてつばを飲みこんでみると、飲みこみやすいことがわかります。あごを引いた状態にするために頭の後ろに枕やクッションを入れて調整します。

④ 麻痺側の方に枕等をあて、腱側をやや下にして軽く側臥位をとる。

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 麻痺がある方の場合、麻痺側の頬に食べ物がたまりやすくなります。健側下側にすることで、咀嚼・嚥下をしやすくし、食べ物がたまることを防ぎます。
 介助者が健側から介助をすることで、入居者の食事への集中力が高まります。
 麻痺側に枕やクッション等を入れる場合、①の肩の後ろだけに枕等を入れると体がねじれた状態になり食べづらい姿勢になります。②の腰からおしりにかけてクッション等を入れると体全体が横を向きねじれた姿勢を解消することができます。

⑤ 首のはりを確認する

 最後に首のはりを確認してください。
 首の筋肉のはりを見ながら、姿勢を調整することが大切になります。首の筋肉に緊張があると嚥下しずらくなります。
 その方に合った角度を首の筋肉のはりで調整してください。

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        【首のはりを確認】


 耳から5cmほど下に手をあててください。写真の赤丸で囲んだあたりです。手をあてた状態で顔を上に向けたり、下に向けたりすると首の筋肉が緩んだり、張ったりする感覚がわかります。自分の首で試すとよくわかります。座っているときとベッドで横になったときとを比べてみると、横になったときの方が首の筋肉が緩むこともわかります。
 施設内研修では、スタッフ同士で横になったり、斜めになったりして、上や下を向いた状態での首のはりを確認しあうと、理解が深まります。

*)テキストダウンロード

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(地域密着型介護老人福祉施設 向陽ヶ丘レインボーハイツ 管理者 蒲生 正幸)

◆座席を「学校形式」にして、三密を避けてのデイサービス運営。(グリーンハイム荒川)

 新型コロナウィルス感染拡大を予防しながらデイサービスの運営を続けています。

 ご家庭で過ごせる方にはご利用の自粛を促してもいます。

「三密」を避けての運営です。

 グリーンハイム荒川では、長テーブルを活用してご利用者が向い合わないようにしています。

「学校形式」「スクール型」といわれる形です。

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 食事の際もご利用者が向い合わないようにして「学校形式」で座っていただいています。

 ご利用者のみなさんも戸惑い、会話が減ってしまっている感じがします。

 食後のひと休みの時間にオセロを楽しみにしていらっしゃいました。

 何とかできないかと、ビニールシートを活用して間仕切りをつくりました。

 試行錯誤しながら、ご利用者のみなさんが楽しんでいただけるようにしていきたいと思っています。

 デイサービスは在宅介護を支える上でとても大事なサービスです。

 コロナウイルスを防ぎつつ頑張っていきます。

 グリーンハイム荒川 渡邉秀雄(東京都荒川区)

◆毎週水曜日連載 『全国高齢者ケア研究会先進事例レポート 認知症ケース』 第160回 落ちつかず動きまわる方を排泄状態の改善と代替行動の提供(ルーティン化療法)によって改善したケース (大分県大分市 特別養護老人ホーム明治清流苑)

◆毎週水曜日連載 『全国高齢者ケア研究会先進事例レポート』 第160回 落ち着かず動きまわる方を排泄状態の改善と代替行動の提供によって改善したケース (大分県大分市 特別養護老人ホーム明治清流苑)


全国高齢者ケア研究会に参加する各施設では、トータルケアに取り組み、先進的なケアを行っています。
このブログでは、各施設での実践事例を「全国高齢者ケア研究会先進事例レポート認知症ケース」として紹介しています。
毎週水曜日掲載です。
今回大分県大分市の特別養護老人ホーム明治清流苑からのレポートです。
落ち着かず動きまわる方を排泄状態の改善と代替行動の提供によって改善したケースです。
ケース検討は、基本的にICF(国際生活機能分類、International Classification of Functioning, Disability  and Health)の考え方をベースに、BPSD治療アルゴリズム(「かかりつけ医のためのBPSDに対する向精神薬使用ガイドライン第2版」所収)に沿って行っています。
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◆基本情報

氏名 160様
年齢 93歳
性別 女性
身長 148cm
体重 44.4㎏
要介護度 4

◆既往 アルツハイマー型認知症 右大腿骨遠位端骨折 高血圧 骨粗鬆症 統合失調症


◆服薬状況 
  朝 
  食前:抑肝散     
 食後:チアプリド25㎎ 
       
  昼
 食前:抑肝散
 
 夕
 食前:抑肝散
 食後:チアプリド25㎎
    ベタニス錠50㎎
    センノサイド錠12㎎
 
 眠剤 クエチアピン12.5㎎
    ブロチゾラムOD錠0.25㎎

◆課題

 1、日中、おちつかず動きまわる

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◆経過
 160様は、GHより特養に入所となる。GHでも日中、動きまわることがあたりまえの状況となっている。特養入所前に160様のカンファレンスを実施するが、服薬内容を徐々に減量・中止にしているが現状の服薬を中止することができていない。160様の動きをみてから判断することが決まる。特養入所後は、環境の変化がプラスされ落ちつかずに動きが激しくなる日がある。入所してから3週間が経過し、動く時には、ユニットの外に出ることもあり隣のユニットまで車いすで自走されることがでる。職員が話をしても興奮することが多く、職員に大きな声で何かを質問するといった症状がみられる。時間の経過とともにおちつくのを待つ状況がつづく。再度カンファレンスを実施するために160様の24時間の動きを記録する。

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※色がついている部分がおちつかない時間帯

◆BPSD(行動障害)の要因分析

① 排便の状況によって動きがでるのではないか

→ 夕食時に服用のセンノサイドの効果が10時間であることから効き始めてからが落ちつかず動くのではないかと考える

② 前頭側頭葉型認知症の症状がでているのではないか

→ 動く際の経路や時間帯が同じであることから、動くことが常同行動になっているのではないかと考える

 
◆実施したケアと結果

まず、チームで取り組むためにBPSDの出現時間や強度等を調べ160様を観察する。また記録をこまめに取り、まとめてから要因分析と仮設をあげ、チームに報告後にケアを始める。
カンファレンスを実施後に薬の変更・中止まで実施できず。服薬を入所時から少しずつ減らしているため現状の服薬状況での対応となる。
職員には時間帯によってBPSDが出る時間があることを伝え、対応を検討する。その時間帯は職員を手厚くして対応する。

①160様の排便はブリストルスケールの3~4。硬さの問題はない。
しかし、排便がでる回数が週に1回程度と少なく-4または排便が出る前と出た後は落ちつかず興奮する様子がいつもより強く見られる。
下剤常時服用しているにも関わらず、現状の排便状況だと160様は、落ちつかず興奮が継続しているとことを考え、食事面から見直しを実施する。
起床時には常温より冷たい補水液を提供し、ご飯を白米から玄米に変更する。(栄養士と検討し量を調整する)
160様が落ちつかずに動く時間帯が食後に多くみられることから、食前と食後にトイレを実施する。すぐに効果がみられなかったが、3週間程度で排便が週1回から週2回に増え、落ちつかない時間帯や回数も減少する。割合では、10→4になる。
体重の減少はみられず、食事量の減少もない。
現在は、センノサイドの中止を再度検討をする。 
  
160様の落ちつきがなく動く時の行動パターンがユニット内と隣のユニットに行くといった動きが同じである。
 時間帯も若干の誤差があるも、近い時間帯に動きがあるため、常同行動と考え対応する。動くといった行動を代替行動を提供して実施する。
 160様とのコミュニケーションは口頭での会話が可能なため、1日のタイムテーブルを職員と160様で作り上げることから始める。記録をこま  めに記入しているため24時間の動きがすぐに完成する。
 この時間は何をするのかを職員が把握し、160様が動く時間帯の少し前に職員から声をかけ行動をともにして関わりを持つ。
 その際は、朝最初に関わりをもった職員が継続して関わることを決める。
 ①にもあるように食後のトイレもタイムテーブルに入れ1日の流れを作り上げる。
 また、代替行動を落ちつかない時間帯に提供して160様に合うのを探しながら実施する。
 実施後は、タイムテーブルの作成と代替行動を継続してできており、160様の落ち着かない時間が少なくなる。(①にもあるように10→4)
 代替行動がうまくいかないときもあり、タイムテーブルを作っても落ちつかないこともある。その際は、再度①や②を検討を行って対応する。
     
以上2点のケアを実施した結果、160様は落ちつかず動く割合が半分に軽減することができた。
今回のケースは、日中の行動を考えチームで検討し統一したケアをおこなったことが軽減につながったと考える。
落ちつかない時間帯の関わり方、代替行動も12種類ほど提供して何が合うかを検討した。
入所してから薬を減量するも、これ以上は減量・中止は難しいと言われた状況でも刺激性下剤や抗精神薬を服用している方の対応は、24時間の把握とBPSDがどの時間帯にでるかの観察をすることで対応が可能となる。
仮説のひとつに薬が入ると思いますが、認知症の症状と排泄の対応をしたことで職員の負担も減り、160様の対応がていねいに実施できるようになり、よい成功事例となる。
今後は、血圧の把握をすることと薬の服薬の変更・中止ができるように多職種にて検討していこうと思います。
   
(特別養護老人ホーム 明治清流苑 相談員 平山 敦士)

次回は6月3日(水)大分県国東市むさし苑さんです。よろしくお願いします 

 

※関連記事

◆毎週水曜日掲載『全国高齢者ケア研究会先進事例レポート 認知症ケース』第159回 レビー小体型認知症を疑い、睡眠時異常行動の対応をすることで日中の傾眠が軽減したケース。(東京都足立区 特別養護老人ホーム 千住桜花苑)

◆認知症カンファレンスシートがV28になりました。確認しダウンロードしてお使いください。

◆かかりつけ医のためのBPSDに対応する向精神薬使用ガイドライン(第2版)改訂版が発表されました

2020年5月25日

◆毎週月曜日掲載「ハピネスオブライフ~暮らしの楽しみを求めて~」第345回「ノーリフティングで笑顔のケアへ」(特別養護老人ホーム鈴鳴荘・大分県国東市)

   全国高齢者ケア研究会では、「ハピネス オブ ライフ(HOL=Happiness of life)」をケアの目的の一つとして提案しています。  

 利用者の笑顔のある暮らし、喜びを感じられる毎日を「積極的に」つくりだすケアのことです。

   全国高齢者ケア研究会では、入居者の痛みや苦しみをやわらげおだやかに暮らしていただくことをめざす「平穏ケア」と「ハピネス オブ ライフ(HOL=Happiness of life)」が、ケアの目的だと考えています。

 毎週月曜日に全国高齢者ケア研究会のメンバーで行われている「ハピネス オブ ライフ(HOL=Happiness of life)」の取り組みを紹介していきます。   

 各施設は「ハピネス オブ ライフ(HOL=Happiness of life)」を目標に、お年寄りが、「穏やかでそして笑顔で」暮らしていただけるよう取り組んでいます。

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地域密着型特養鈴鳴荘では、ご利用者が痛みや拘縮等がなく安心して暮らせて行けるように、昨年度から「ノーリフティングケア」を導入しました。

これは、職員にも腰痛をはじめとする身体的負担を軽減し安心して働けるようにお互いのHOLの向上を目指しています。

導入するにあたり、福祉用具を使用することになるため場合によっては、全てのご家族に説明をさせていただきました。
説明には、実際の動画や外部の業者が来られた際に行ったものなどを、見て頂き了承を得ていきました。

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実際にリフトを使用している写真です。移乗時にご利用者とコミュニケーションが取れ、笑顔が増えました。

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 パッド交換や体位変換時にも福祉用具を使用しています。
職員側も、ケア時に中腰姿勢にならないように身体の重心移動を使う事で腰痛予防に努めています。

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このスライディンググローブは、体位変換時や車椅子上での除圧、座り直しに使用しています。

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リフト以外で使用しているフレックスボード、スライディングボードです。フレックスボードはリフト導入に伴い使用は限定的にはなりましたが、両方とも使用することで、移乗時に職員が抱えることはなくなりました。

ノーリフティングケアを導入して半年ほどではありますが、移乗時にご利用者の笑顔や気持ちよさそうにしている様子や、拘縮が緩んできている方が増えました。

ご利用者からも、これは楽だから良い、痛くない等々好意的な意見が多く聞かれ、職員も思わず笑顔になります。

ご家族からも、「うちのばあちゃんが使えるとは思っていなかった。使ったことで、反りかえっていた首が自分で持ち上げることができて良かった」等意見をいただいています。

職員からも、「体格に不安があったが、安心して移乗することができた。」「腰痛があっても不安なく仕事が出来る。」など、効果を実感しています。

まだまだ、慣れておらずぎこちないこともありますが、ご利用者、職員双方が安心して、笑顔で過ごせる施設づくりをしていきたいと思います。


次回は、6月1日北海道、上川大雪荘さんです。よろしくお願いします。


特別養護老人ホーム鈴鳴荘 介護リーダー 小野裕信

2020年5月24日

◆研究会の各施設のリーダーのみなさんへ。介護部門、看護部門、栄養部門、セラピスト、相談部門等の多職種協働がうまくいかないときに考えること。

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 介護の仕事はチームで行います。

 100人スタッフがいれば100の個性があります。

 それぞれにいいところを発揮してもらい、チームとして機能させるのが各部門のリーダーたちの仕事です。

 チーム間で仲たがいせず、それぞれのチームができる範囲の中でコツコツ積み上げていくことが成功につながります。

 介護のチームが離職者が多くなってまとまりが悪く、全体から遅れるといったことがあるかもしれません。

 看護のチームが医療連携がうまくいかず、思ったような結果を残せないといったことがあるかもしれません。

 管理栄養士が新人で栄養部門がついてこれないといったことがあるかもしれません。

 そんなときは遅れているチームをせかしたり、うまくいっていないチームを責めたりしてはいけません。

 できないことや足りないことを並べても多職種協働はうまくいきません。

 批判されたチームは萎縮し、仕事がつらくなります。

 モチベーションが下がり、新しいことに取り組むパワーはわいてこないでしょう。

 高齢者介護施設での「多職種協働」は、長期間脱落者を出さずに、気持ちを切らさずゆっくりと前進を続けないと達成できないことの一つです。

 どんなに志が高くても、意志が強くても、能力があっても、一人の力では高齢者介護施設はよくなりません。

 一人ひとりの力は小さくてもチームとしてまとまれば、想像もできなかった遠くまでたどりつけます。

 時間をかけてください。

 「私たちが笑うのは楽しいからだというのはもちろんですが、笑うから楽しくなるという側面も強いのです。

 脳にはまわりの人の動作や気持ちを鏡のようにうつしとるミラーニューロンという細胞があります。

 笑いが広がると自然と楽しい雰囲気に満たされ、前向きな気持ちが連鎖します。

 大切なのは作り笑いでもいいので、口角をあげること。

 それだけで脳にポジティブな反応が起こりますよ。」

 脳トレ・脳活の第一人者である公立諏訪東京理科大学の篠原菊紀教授が教えてくれたことです。

 マイナスな気持ちに押しつぶされそうなときは、鏡の前で口角をあげてみてください。

 その笑顔が別の誰かの気持ちを前向きにしてくれ、その笑顔が自分をハッピーにしてくれます。

 まずは笑顔の絶えない職場にすること。

 すべてはそれからです。

(泉田照雄)

2020年5月22日

◆毎週金曜日掲載「全国高齢者ケア研究会 介護の知識50vol.4」第10回~食事の姿勢のポイント イスとテーブル~

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     グリーンハイム荒川の敷地内には、さくらが何本かあります。

    一本だけ、さくらんぼができる木があり、毎年、さくらんぼ狩りを楽しんでいます♬

    今年もたくさんのさくらんぼの実ができました♬

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 食事ケアの第一歩は、高齢者が食事しやすい姿勢の確保です。

 正しい食事姿勢で食べることは誤嚥予防にもなります。

 きちんとした食事姿勢がとれるようにケアをすれば、それまでよりも食事の摂取量が増えることがあります。

 今回は、イスとテーブルで食事をするときの正しい食事姿勢のポイントを説明します。

 

1.ずっこけ座り・仙骨座りに注意

 施設でよく見る『ずっこけ座り』。大げさかもしれませんが、施設に入居されている要介護度の高い方は、施設職員のケアがなければほとんどの方が『ずっこけ座り』になるといってもいいかもしれません。

 『ずっこけ座り』は、股関節が90度まで曲がらない方、体幹の筋力が低下している方、円背の方などに多くみられます。

 円背(えんぱい)の高齢者は骨盤が後ろに傾いている(1)のことから、自然と『ずっこけ座り』になってしまいます。私たちも長時間の研修で疲れてきたり、映画館で映画を観ているときに『ずっこけ座り』になる場合があります。体幹の筋肉を使わずに座れるため”楽”だからです。

 『ずっこけ座り』が高齢者には危険なのです。

 褥瘡(じょくそう)の原因となったり、食事摂取量減少の要因になったり、誤嚥の要因になったりします。

 『ずっこけ座り』になると、首の筋肉が張ってしまって、食べ物が飲みこみづらくなります。

 食事をお皿から口元へ運ぶ動作もしづらくなります。食事時間も長くなります。食べこぼしも増えます。

     
   【ずっこけ座り/斜め上から】   【ずっこけ座り/横から】

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 (1)骨盤が後ろに傾くとは

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2.かかとをつける

  イスに座る姿勢のポイントは、大腿部を床に平行にし、なるべく膝の角度を90度にした状態で足裏をしっかりと床につけます。

  足に体重がかかり筋肉が緊張することで、覚醒が促されます。

  かかとが床についていないと、食べ物をかむ力が弱くなります。

  食べ物をしっかりとかんでもらうためにも、床にかかとがついていることが大切です。

 

3.やや前傾姿勢をとる(自然な前傾姿勢)

  嚥下をしやすい前傾姿勢は人によって異なります。

  5度くらいのほんのわずかな前傾姿勢が適している人もいれば、円背の方のように約5度の前傾姿勢を保持することが難しい人もいます。その人にあった自然な前傾姿勢を保持できるようにしてください。

  前傾姿勢になったときにチェックして欲しいのが、首の筋肉の張りです。首の筋肉が張っていると、食事摂取がうまくいかない場合があります。

  前傾になることで、体重を足に分散させることができるため座位姿勢が安定します。

 

4.正しい姿勢を保持できるイスを選ぶ。

  食事ケアの第一歩は正しい姿勢の保持です。

  正しい姿勢を保持するためには、まず、利用者の体格にあったイスを選ばなくてはなりません。

  利用者の体格に合っていないイスを使っているのをよく目にします。施設に入居している今の高齢者は小柄な方が多いです。小柄な入居者に合っていない大きなイスを使っているケースがよくあります。注意しましょう。

 ①イスの高さ

  まずチェックしたいのがイスの高さです。

  座ったときに、かかとが床がつく高さのものを使います。

  目安としては座面の高さ=下腿長(2)マイナス1cmです。

  特別養護老人ホームに入居している高齢者の座面の高さは、小柄な女性の方が多いことから38cm程度が適していると言われています。あくまでも目安なので、人により異なります。

 

  大切なことは、「足裏全体」がしっかりと床につくような高さのイスを選ぶことです。

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 (2)下腿長とは

   

   大腿骨下部の突起部からくるぶしまでの長さ

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 ②イスの奥行き

  つぎに注意したい点が座面の奥行きです。

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  イスの奥行きは、座ったときに背中が背もたれにぴったりとくっつき、姿勢が安定するものを選びます。

  特別養護老人ホームに入居している高齢者の座面の奥行きも、小柄な女性の方が多いことから38cm程度が適していると言われています。これもあくまでも目安なので、人により異なります。

  背もたれは、体をあずけたときに1度か2度、かすかに前傾をするようになっていることが大切です。

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                      【クッション使用により奥行き調整】

  ※写真のイスは座面の高さ=38cm、奥行き=38cmです。

   奥行きがあっていない場合は、右の写真のように背もたれと背中のあいだにクッションを入れて調節します。

   奥行きが長いと背中が背もたれにつかず、『ずっこけ座り』になってしまいます。『ずっこけ座り』になったときの結果は、『ずっこけ座り』の項目で説明したとおりです。

 ③イスの左右幅

  イスの左右幅も広くないものを選びます。左右幅が広いと横倒れしてしまいます。

  左右幅も40cm以下のものを選びます。これも目安です。

 ※目安は38cm。高さ、奥行き、幅すべて38cmくらいと覚えます。

 

 (横倒れの場合)

  横倒れする場合は、クッションなどで倒れないように支えます。支える場合は骨盤からまっすぐにします。

  骨盤が曲がった状態でクッションを入れると、状態は一見まっすぐになったように感じますが、骨盤から上(上肢)と骨盤より下(下肢)がねじれた状態になります。

  姿勢を直す場合は、骨盤をまっすぐにしてからクッションを入れます。骨盤がまっすぐになっているかを必ず確認してください。

  ※姿勢を直す場合は、まず骨盤から直す。

  下の左の写真が横倒れしている状態です。右側にクッションを入れただけでは、①の写真のようにからだ全体が正面を向きません。

  上肢はまっすぐでも、足は右を向いている(骨盤が右倒れしている)ため、ねじれた状態になります。

  ②の写真のようにからだ全体の姿勢を正して(骨盤をまっすぐにして)からクッションなどを使用してください。

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   骨盤で安定した体重支持が行えるよう、クッションには「こし」のあるものを使用します。

 

 ④イスと車イスで食事をすることの違い

  車イスに座って食事をしている入居者をよく見かけます。

  食事の食べこぼしが多い、食事時間がかかる、食事摂取量が減ってきた、ムセがあるといった状態の場合は、イスに座りかえて食事をすると状況が改善されることが多いです。

  古いタイプの車イスは、食事をするための条件に合っていないものがほとんどです。

  自分の施設にある車イスの座面の高さ、奥行き、横幅をはかってみましょう。適合しているか、いないかがよくわかります。

  車いすと食事用のイスに座りくらべてみることを食事ケアの研修の中に取りいれてください。できれば食事に適したサイズのイスに座りかえて食事をしていただくよう支援をしてください。

 

5.正しい高さのテーブルを選ぶ

  (テーブルの高さ)

  イスに合わせてテーブルも低くしないと座位姿勢は安定しません。

  イスの高さが38cmであれば、テーブルの高さは約65cmくらいが適しています。もちろんこれも目安です。家庭で一般的に使われているテーブルは70cmくらいの高さです。

  テーブルの高さは、座ったときに机の上に置いた前腕が自由に動かせる高さがいいです。テーブルの高さの目安は、おへそのあたりと覚えておくといいでしょう。

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    テーブルの高さ=66cm

    座面の高さ=38cm

    ※テーブルの高さの調整は、座位姿勢の安定以外に、食事の器の中が見える高さでなければ、食べづらいということを理解しなくてはいけません。

 

6.イスとテーブルの高さを合わせる

  イスとテーブルはセットです。片方だけを低くするとさらに食べにくい状況を生んでしまうこともあります。

  〇テーブルとイスが高すぎるときの影響

  ・お茶碗や皿の中身が見えない。

  ・前傾姿勢をとりづらくなり、あごが上を向いた食事姿勢になる。

  ・食べ物をお皿からすくい、口に運ぶまでの動作が大変になる。

   (食べこぼしの増加、お皿を太ももの上において背中を丸めて食べる)

    〈70cmテーブルの脚を5cmカットすると一目瞭然〉

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    テーブルやイスの高さを調整しても高さが合わない高齢者がいる場合は、個別の高さ調節機能付きのテーブルを活用します。サイドテーブルを活用する場合は、足元のバーの面積が狭いため足台(3)を活用し、しっかりと足裏全体で加重をかけられるようにします。

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    サイドテーブルの高さ:62cm

      イスの高さ:38cm

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  (3)サイドテーブル用足台

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   ホームセンターで買える5cm高の発泡スチロールと段ボールを工作し養生テープで固定

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※テキストは以下からダウンロードできます。

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次回は、6月12日です。「食事前の摂食ケア」さくらの郷 森野さん、「食事シートの使い方ミールランドの実際」さつき会 谷本さん・尾上さん、「オーラルジスキネジアのある利用者への食事介助」安岐の郷 藤原さん・市原さん、お願いします。

(特別養護老人ホーム グリーンハイム荒川 施設長 渡邉秀雄)

2020年5月20日

◆毎週水曜日掲載『全国高齢者ケア研究会先進事例レポート 認知症ケース』第159回 レビー小体型認知症を疑い、睡眠時異常行動の対応をすることで日中の傾眠が軽減したケース。(東京都足立区 特別養護老人ホーム 千住桜花苑)

 全国高齢者ケア研究会に参加する施設では、トータルケアに取り組み、先進的なケアを行っています。このブログでは、各施設での実践事例を「全国高齢者ケア研究会先進事例レポート」として紹介しています。
 毎週水曜日掲載です。
 今回は東京都足立区の特別養護老人ホーム千住桜花苑からのレポートです。
「レビー小体型認知症を疑い、睡眠時異常行動の対応をすることで、日中の傾眠が軽減したケース」の報告です。
 ケース検討は、基本的にICF(国際生活機能分類、International Classification of Functioning,Disability and Health)の考え方をベースに、BPSD治療アルゴリズム(「かかりつけ医のためのBPSDに対応する向精神薬使用ガイドライン第2版」所収)に沿って行っています。
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◆基本情報
・氏  名 159様
・年  齢 97歳
・性  別 女性
・身  長 142cm
・体  重 47.9kg
・要介護度 4
・既往歴:
 変形性膝関節症 肋骨骨折 高血圧症 高コレステロール血症 骨粗鬆症 鉄欠乏性貧血
 頸性めまい 逆流性食道炎 腰椎圧迫骨折 左恥骨骨折
・服薬状況
 パリエット錠10mg(朝) 胃酸分泌抑制剤
 酸化マグネシウム錠330mg(朝)(夕) 緩下剤
 センノサイド錠12mg×2T(屯用:未排便4日目から内服) 刺激性下剤

◆課題
 日中の眠気とともに、便秘、食事量の低下、食事のむせこみ、介護拒否、不明行動が増えてきた。
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◆経過
・4年前に当苑入所。在宅で幻覚や夜間睡眠時の異常行動があるという情報から、レビー小体型認知症を疑う。
・入所当初より「子供がいる、赤ちゃんがいる」等の幻視発言が多く聞かれる。幻視発言は否定せず、いなくなったことをいっしょに確認する対応を実施し安定する。
・便秘になり頓用のセンノサイド内服が増えたため、ヨーグルト+オリゴ糖+オリーブオイルを摂取するようにし、便秘傾向は解消する。
・食事と水分でのむせこみが見られるようになり、食塊形成がしやすいように、副食にあんをかけて提供。円背が強いため、トロミのついた水分はコップではなく深皿で提供し、スプーンで食べられるようにする。
 ブローイングを行い、嚥下リハビリを実施し、むせこみ軽減。
・動作が緩慢で、介助すると動きがかたくなることがあり、恐怖心につながるため、移乗や立位は自力をうながし、本人のペースに合わせて一部介助をすることで緊張を緩和。
・その後、夜間覚醒していることが増え、ベッド上で真横になって寝る姿が見られるようになり、日中の眠気が増えてきた。それにともない再び、便秘傾向、食事のむせこみが見られ、新たに帰宅願望、怒りながら大声で介護拒否、水分をズボンにかける、ご飯をおしぼりで包む様子が見られ始めた。

◆要因分析
 ・レビー小体型認知症にともなう睡眠時異常行動から、夜間目が覚めてしまい、日中の眠気につながっているのではないか。
 ・日中の眠気が増えたことで、活動量と食事量(水分量)が減り、便秘につながっているのではないか。
 ・高血圧の既往から、血圧の上昇変動により、介護拒否、不明行動が増えてきたのではないか。

◆実施したケア
 ・施設内のリーダー研修にて認知症カンファレンスシートの勉強会を実施し、レビー小体型認知症における睡眠時異常行動の対応として、夜間起こさない対応が必要であると学びました。
  多職種協働で褥瘡リスクを確認したうえで、夜間の体位交換を中止し、ごそごそしていても声をかけない対応を統一しました。
  また、覚醒を促さないよう、夜間の排泄時間も見直しました。
 ・不眠、介護拒否、不明行動が見られるときの血圧を測定し平常時と比較をしました。
 ・歯科医師と相談し、ソフト食へ食事形態の見直しを行いました。

◆結果
 ・夜間良眠の日が増え、日中の傾眠が減りました。
 ・日中の傾眠が減ったことと、適切な食事形態に変更したことで、食事のむせこみはほぼなくなりました。
 ・食事摂取量があがったことで、水分もしっかりとれるようになり、便秘が改善し、屯用のセンノサイドを使うことがほぼなくなりました。
 ・血圧測定結果に大きな変動は見られませんでした。
  しかし、現状、帰宅願望、介護拒否、不明な行動はみられていません。
 ・夜間ベッド上で真横になって寝る様子は変わらずみられています。

◆まとめ
 レビー小体型認知症のBPSDにみられる睡眠時異常行動に対する、適切なケアの知識が不足していました。
 睡眠時異常行動が見られる場合、夜は寝ることをうながす、ごそごそしていてもそっとしておき起こさない対応が必要なケースがあることを、実践を通し学ぶことができました。
 褥瘡リスクに配慮しつつ、夜間の体位交換や夜間の排泄介助を見直す機会になりました。
 認知症カンファレンスシートの学習を深めることで、なぜ今その症状が出ているのか、今後どのような症状が現れるのかを理解することで、迅速に適切なケアを行えるようになりました。


次回は5月27日 大分県大分市 明治清流苑さんです。よろしくお願いします。

(東京都足立区 特別養護老人ホーム千住桜花苑 介護係長 土屋佳)

※関連記事
 ◆毎週水曜日掲載『全国高齢者ケア研究会先進事例レポート 認知症ケース』第158回「生活リズムの把握と薬の見直しや環境整備等により、生活が安定し、食事摂取量が増加したケース」(北海道美瑛町 特別養護老人ホーム美瑛慈光園)

 ◆認知症カンファレンスシートがV28になりました。確認しダウンロードしてお使いください。

 ◆かかりつけ医のためのBPSDに対応する向精神薬使用ガイドライン(第2版)改訂版が発表されました。

2020年5月18日

◆毎週月曜日連載『ハピネスオブライフ~暮らしの楽しみを求めて~』第344回 初めての試み 施設内いちご狩り (特別養護老人ホームさくらの郷)

 全国高齢者ケア研究会では、「ハピネス オブ ライフ(HOL=Hapiness of life)」をケアの目的の一つとして提案しています。

 利用者の笑顔のある暮らし、喜びを感じられる毎日を「積極的に」作り出すケアの事です。

 入所者の痛みや苦しみを和らげるためにおだやかに暮らしていただくことをめっざす「平穏ケア」と「ハピネス オブ ライフ(HOL=Hapiness of life)」の取り組みを紹介していきます。

 各施設では「ハピネス オブ ライフ(HOL=Hapiness of life)」を目標に、お年寄りが「穏やかでそして笑顔で」暮らしていただけるよう取り組んでいきます。

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 毎年恒例いちご狩り外出を楽しみにされていた利用者の方に、外出以外の形でいちご狩りを楽しんでいただきたく、施設内でのいちご狩りを立案。

 いちごをお手軽な値段で手に入れることができ、一人あたま8つは準備ができました。ありとあらゆるものを駆使し、使うことができるものがないか施設内を探し、小さないちご農園をフロアに形成。

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 こじんまりとした空間がお好きな方には、別でいちご農園を形成。

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 昨年度〇〇〇個食べ、今年はいちご狩りに行く事ができないと残念がっていた利用者の方は、嬉しさのあまり涙を流され、

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 普段のイベントには参加しない方も参加していただけました。

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 直近の入所された方は、決めポーズです💛

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 初めての試みであり不安も大きかったですが、

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 しっかりと楽しんでいただき、利用者の方からいただいたお言葉は…

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 【 いちご完売御礼、腹8分目(泣)】

 木の芽田楽、手作りおやつ、お好み焼きづくり等、外に出れなくても楽しみを作り出すことができます。皆でアイディアを出し合い、これからも楽しんでいきましょう。

 今回主導となり動いていただいた介護職員さんとスーパーマンのお姉さん(笑)、日々現場を盛り上げてくれている職員さん、毎日ありがとうございます。

 次回は、5月25日、鈴鳴荘さんです。よろしくお願いします。

 三重県松阪市 特別養護老人ホームさくらの郷 介護主任 森野侑樹

 ※関連記事

 🔶毎週月曜日連載『ハピネスオブライフ~暮らしの楽しみを求めて~』第343回「お寿司っておいしいね!」 特別養護老人ホーム大曲レインボーハイツ

2020年5月17日

◆あなたが今まく種は、やがてあなたがおさむべき未来となる、と夏目漱石は言った。

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 あなたが今まく種は、やがてあなたがおさむべき未来となる。

 夏目漱石がそう書いている。

 新型コロナウィルスの感染症で外出自粛がつづいている今の時期に心にのこる言葉だ。

 目の前のやれることをやっておけば、きっといつか実を結ぶという教えだ。

 僕が今できることは、WEB会議、WEB研修会、介護の知識・技術についての勉強、コツコツと文章を書くこと、ベランダガーデニング、読書、映画鑑賞、料理‥‥、まだまだやれることはたくさんある。

 もちろんできないこともいっぱいある。

 でもできないことについて考えても仕方ない。

 それより、できることがあることに喜びを感じて幸せに毎日をすごしたい。

 ささやかでも今日まいた種は未来に花を咲かせ、実を結ぶと信じている。

 チャンスはいつも目の前にあると思って、いっしょにがんばりましょう。

 夏目漱石の言葉を3つ紹介します。

 研究会の若手のみなさんにはこの機会に読書をおすすめします。

 ◆真面目に考えよ。誠実に語れ。摯実に行え。汝の現今に播く種はやがて汝の収むべき未来となって現わるべし。『日記』

 ◆ある人は十銭をもって 一円の十分の一と解釈する。ある人は十銭をもって 一銭の十倍と解釈する。同じ言葉が人によって高くも低くもなる。『虞美人草』

 ◆職業というものは要するに人のためにするものだという事に、どうしても根本義を置かなければなりません。人のためにする結果が己のためになるのだから、元はどうしても他人本位である。『道楽と職業』

 (泉田照雄)

2020年5月15日

◆毎週金曜日掲載「全国高齢者ケア研究会 介護の知識50ver.4」第9回~トロミのつけ方~

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嚥下反射が遅くなった高齢者にとって、トロミのついていない水分は誤嚥リスクの高い飲みものです。
水分は食べ物のように食塊(しょっかい)形成をすることができません。飲みこむタイミングでないときに勝手に喉に流れこんでしまったり、茶葉の小さな浮遊物が喉に引っかかったりして、むせてしまうことがあります。

トロミ剤を使用することで、喉に流れこむスピードをゆるやかにし、嚥下反射を助けます。トロミ剤は、一人ひとりの嚥下反射のスピードやタイミングに合わせて調整することが大切です。トロミ剤を使いすぎてしまうと、誤嚥・窒息につながってしまうため、注意が必要です。

1.トロミ状態のバラつきをなくす
トロミ剤を正しく使用するためには、施設の中でトロミの目安を決めておくことがポイントです。

トロミ剤目安シート
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「トロミ剤目安シート」をユニットのキッチンや目につきやすい所に貼ります。同じ分量のトロミ剤を加えても、食材によって同じトロミ具合にならないため、トロミ剤の分量を文字で書くだけでなく写真で示します。
トロミ具合を「ポタージュ状」「はちみつ状」「ジャム状」というように表記し、トロミ具合が目で確認できるようなシートにします。
「トロミ剤目安シート」でスタッフ間でのトロミのつけ方のばらつき、食材によ
るトロミのつけ方のばらつきを減らすことができます。

《トロミ状態のバラつきをなくすポイント》
● トロミ剤の目安シートを活用する
● 目安シートをキッチン等に職員が目に付きやすい場所に貼る
● 目安シートにトロミ度合い別の写真を入れる
● トロミの分量だけでなく、「ポタージュ状」「シロップ状」「ジャム状」といった目で確認できる状態も記載する
 

2.トロミ剤を使用するときのポイント
トロミ剤のダマ(塊)ができないようにするためには、手早くかき混ぜるのがコツです。トロミ剤が粉状の場合、ゆっくりかき混ぜているとダマになってしまうことがあります。
一度トロミがついたものに、あとから加えるとうまく混ざらずダマになりやすいので、注意してください。各施設ではかき混ぜるときに使う道具を工夫している施設もあります。

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牛乳などの乳製品は、トロミがつくまで時間がかかります。
固まらないからといってトロミ剤を増やして入れると、あとから固くなり危険です。トロミ剤の種類によっても固まり方は違います。スタッフが試飲し、調整に問題ないか確認することが必要です。
 

≪トロミを混ぜる時の注意≫
● ゆっくりかき混ぜてトロミの状態をみながら粉を加えない。
● 一度トロミのついたものに後からトロミを加えない。
● 飲み物の温度によって、トロミがつく速さが変わる。
 温かい物は速く、冷たい物はトロミがつくのに時間がかかる。
● 飲み物によってトロミがつく速さは異なる。

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3.トロミ剤の使い分け
トロミ剤といっても、各社さまざまな種類のトロミ剤が販売されています。現在大きく3種類があり、違う原料から作られています(3)その方の嚥下の状態や献立・用途により使いわけることが必要です。

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上記のトロミ剤を使用する飲物以外に「お茶ゼリー」を導入している施設が増えています。
お茶ゼリーは、喉ごしがよく、施設によっては砂糖などを入れているため高齢者の飲みがよく、広まっています。しかし、お茶ゼリーによる窒息に配慮し安全に摂取してもらうことが必要です。

《お茶ゼリーを安全に摂取してもらうためのポイント》
● お茶ゼリーをゼラチンなど舌の温度で溶けるものを使用して固める。
● お茶ゼリーの介助の際にクラッシュ(小さく砕く)させずにスプーンに平らに薄く一口大にして介助する。
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固さは舌と上あごでゼリーがつぶせる程度。
スライスの高さは1cm弱、スプーンからはみ出さないようにする。

4.トロミ剤の研修をすると効果的
食事介助で最も大切なことは、「誤嚥させないこと」だと大分県の中津総合ケアセンターいずみの園の岩崎深雪さんは言われています。食事介助より回数の多い水分摂取の支援です。水分は、食事以上に誤嚥リスクが高いかもしれません。トロミ剤の固まり方ひとつで誤嚥を予防できます。施設として重要項目としてとらえ、施設研修にトロミ剤のつけ方やトロミ剤の種類に対する知識の研修をすることをおすすめします。

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(職員によるトロミ剤の試食会の様子)

5. 実践例 
特別養護老人ホームガリラヤ荘の場合
使用しているトロミ剤 新スルーキング(キッセイ薬品工業株式会社)
トロミ剤目安シート(掲示場所:ユニットキッチン)
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計量スプーンを使用してすり切りがしやすいため、トロミ剤はタッパーに入れて使用します。
計量スプーンは、「2.5cc」「5cc」「7.5cc」の3本を準備しています。

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100cc以外(よく準備する150cc、200cc)のトロミ量をタッパーに記載しています。
 
毎年、「新人研修」や「基礎介護の研修」内で、トロミの混ぜる練習や試飲を行います。
お茶とジュース(ポカリなど)ゼリーは厨房で作ります。   
介護用ゼラチン寒天を使用します。
ST(言語聴覚士)が毎日(休日を除き)粘度の確認を行います。

特別養護老人ホーム千住桜花苑の場合
千住桜花苑では、エンシュアリキッドなどの濃厚流動食用のトロミ剤に『リフラノン』という製品を使用しています。
高たんぱくの物はトロミがつきにくく、安定するまでに時間がかかるため、早く固めようと、たくさんトロミ剤を入れてしまう職員がいます。『リフラノン』は約5分で安定したトロミがつき、とろみをつけた後に冷蔵庫で保管していても、硬くなりすぎることはありません。職員で試用し、なめらかさがあり、喉への付着性が低い、咽頭残留しにくく、味の変化があまりないということで採用しています。エンシュア1缶(250㎖)にリフラノン3袋を使用し、プリン状にして提供しています。

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透明なジェル状のトロミ剤であり、1袋25g(内水分量23.1g)。3袋使用すると75g量増え、1回での摂取は負担になるため、何回かに分けて提供しています。

※)テキストダウンロード

ダウンロード - v4-9トロミのつけ方.pdf

次回は6/5は『食事姿勢のポイント(イスとテーブルの場合)』『食事姿勢のポイント(リクライニング車椅子』『円背の方の食事姿勢』です。

(愛媛県東温市 特別養護老人ホームガリラヤ荘 施設長 高橋雅志)

※)関連記事
♦毎週金曜日掲載「全国高齢者ケア研究会 介護の知識ver.4」第8回~きざみ食の摂食・嚥下における問題~  

2020年5月13日

◆毎週水曜日掲載『全国高齢者ケア研究会先進事例レポート 認知症ケース』第158回「生活リズムの把握と薬の見直しや環境整備等により、生活が安定し、食事摂取量が増加したケース」(北海道美瑛町 特別養護老人ホーム美瑛慈光園)

 全国高齢者ケア研究会に参加する施設では、トータルケアに取り組み、先進的なケアを行っています。
 このブログでは、各施設での実践事例を「全国高齢者ケア研究会先進事例レポート」として紹介しています。
 毎週水曜日掲載です。
 今回は北海道美瑛町特別養護老人ホーム美瑛慈光園からのレポートです。
 「生活リズムの把握と薬の見直しや環境整備等により、生活が安定し、食事摂取量が増加したケース」の報告です。
 ケース検討は、基本的にICF(国際生活機能分類、International Classifcation of Functioning,Disability and Health)の考え方をベースに、BPSDの治療のアルゴリズム(「かかりつけ医のためのBPSDに対する向精神薬使用ガイドライン第2版」所収)に沿って行っています。※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※

◆基本情報

氏  名 : 158様

性  別 : 女

年  齢 : 93歳

身  長 : 142cm

体  重 : 45.9kg

要介護度 : 4

認知症自立度 : Ⅳ

既往歴

  ・高血圧(平成2年)

  ・多発性脳梗塞(平成2年)

  ・アルツハイマー型認知症(平成25年)

  ・脊柱管狭窄症(平成27年)

  ・脂質異常症(時期不明)

服薬情報

  ・バイアスピリン100mg 1×朝 抗血栓剤

  ・アムロジピンOD錠5mg 1×朝 降圧剤

  ・ドネペジルOD錠5mg 1×朝 抗認知症薬

  ・ファモチジン20mg 1×朝 胃酸抑制剤

  ・プラバスタチン10mg 1×夕 高脂血症

 

◆課題

・収集癖の悪化

・放尿放便が頻回になる

・自身の座席への強いこだわり、他の利用者への執着心が強い

・介護拒否の増加(とくに入浴)

・食事・水分摂取量の減少

・他利用者へ暴言や暴力をふるう場面が増加

 

 

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◆経過

平成25年にアルツハイマー型認知症の診断を受け、在宅生活を送っていた。屋外へ徘徊し、そのたびに近隣住民や商店とトラブルを起こしていた。同居家族への介護拒否が強くなり、在宅生活継続が困難となり、平成28年に当施設へ入所となる。

入所してからも施設内の徘徊はあったが、とくに大きな問題が起こることなく生活していた。

昨年夏ごろより、収集癖や放尿放便、暴言・暴力が増えてきた。

 

◆要因分析

  1. 課題の多くが常同行動・食行動の異常・時刻表的生活・被影響性の亢進等、前頭側頭葉型認知症からくる行動ではないか。
  2. アムロジピンOD錠により味覚異常をおこしていないか。
  3. ドネペジルの副作用により興奮性が高まっているのではないか。

 

◆実施したケア

  1. 24時間の行動観察を1カ月間実施。1日の生活リズムを把握。
  2. 排泄間隔やサインを再アセスメント。「家に帰る」と徘徊するときは排泄の場合が多いことがわかった。トイレの場所がわかりやすいよう表示し、排泄動作は言葉だけではなくジェスチャー等も交えて視覚的にも伝わりやすいよう工夫した。
  3. 居室での食事はうまくいかなかったため、リビングでの食事席を工夫。周囲の動きがあまり視界に入らないよう配慮。
  4. 周囲に人がいない、夜間浴を実施。
  5. 薬について主治医と相談。ドネペジル中止となる。アムロジピンOD錠は体調管理に必要なため継続。暴言・暴力の対応としてチアプリド処方。

 

◆結果

24時間を通しての行動パターンなどを把握できたことにより、適切なタイミングでケアに介入できるようになり放尿放便はほぼなくなった。

入浴も担当スタッフを中心に夜間浴を実施したことにより、現在はほぼ拒否なく入浴できるようになった。

薬についても変更したことで興奮性は少しやわらいだように感じています。チアプリドの必要性については医師と検討が必要。食事についても以前ほどの摂取量のムラもなく、拒薬もほぼなくなった。しかし、徘徊については相変わらずで、ときどき興奮することもありますが、今後ご本人に行っていただけそうなお手伝いなどを代替行動として実施していけないか模索中です。

 

次回は5月20日千住桜花苑さんです。よろしくお願いいたします。

 

(特別養護老人ホーム美瑛慈光園 生活相談係長 西長拓也)

 

※関連記事

◆毎週水曜日掲載『全国高齢者ケア研究会先進事例レポート 認知症ケース』第157回「前頭側頭型認知症の被影響性の亢進により他ご利用者への暴言があり、落ち着いて過ごせるように環境をつくり、改善に向かっているケース」(大分県国東市 特別養護老人ホーム鈴鳴荘)

◆認知症カンファレンスシートがV28になりました。確認しダウンロードしてお使いください。

◆かかりつけ医のためのBPSDに対応する向精神薬使用ガイドライン(第2版)改訂版が発表されました。

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